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57. もう友達には戻れないかもしれない。

同じものを見て、良いねって言い合うのが友達だとしたら、私たちはもう友達には戻れないのかもしれない。

友達ってなろうとしてなるもんじゃないよな。そして同じように、やめようと思ってやめるものでもないような気がする。
これは、大人になって分かったこと。

価値観や言葉や性格は、生まれ持ったものと通ってきた道と今いる環境でできている。私が思うにやっぱり環境の影響は大きくて、善悪も理想も今近くにあるモデルが元になって、そこに意思が重なってできていく。
だから今、あなたと私の価値観が違うのは当たり前で、でも周りにある全てを共有することなんてできないから、共感できなくて当たり前。
そしたらもう、もしかしたら同じものを見たって、
良いねなんて言い合わないかもしれない。

うちらはもう学生じゃないから。
会おうとしなかったら会えないし、
言おうと思わなかったら伝わらない。
それに気づかないふりをしていけばきっと、
一生このまま。


遠くにいれば何にも苦しんでいないように見える。あるいは、よく分からないけど辛そうに見える。でもなぜ辛いかまでは言わない、だって説明するにはあまりに遠いし、きっと説明したって想像つかないだろうから。
そうやって諦められたんだなと知ったら、やっぱりちょっと寂しい。

こうやって特別な存在は入れ替わるんだな。
わあ、寂しいな。自分も無意識に入れ替えたりしてるくせに、相手から自分が消えていくことだけ悲しんで、ずるいな。それで例えばそこに、絶対に入れ替わらない存在がいるんだと気がついたら、簡単に嫉妬してしまうんだろうな。


見ているものが違うから、共感で繋ぎとめるのは、潔く言えば多分もう無理。

だからさ、そうだとしたらこれからはなるべく
共感できなくても、良いねって伝え合いたいね。
だってまだ友達でいたいもん。
全然違う空気吸って生きてても、
おんなじもの見てた時がちゃんとあって
あなたの中の、わたしの中のどこかに
お互いちゃんといるよって、思っていたい。

今目の前にあるもの以外も大事にし続けられるくらい、私が大人だったらいいのにな。

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