65. 雨のあとのお散歩。

お休みの日に1人で近くをぶらぶらするときは、いつもよりおしゃれを減らす。ファンデーションをやめたり、アイシャドウを1つだけにしたり。髪はコテを使わずにクシでとかすだけ。

朝起きると雨が降っていて、ざーっという音にふんわり包まれている感じ。カーテンを開けてメガネをかけると、確かに細い線が見える。暗くはないけど、本当はパッと明るい朝のが好きだな。とにかくこういう日は、一層じんわり時間をかけて起きる。

お昼から晴れるそうだから、晴れたら出かける準備をしよう。まだ明るくない外を見て、安心してソファで溶ける。今日はやらなきゃいけないこといっぱいあるんだけど、まだ明るくないから、明るくなってからやる。そうしよう。

13時には止むでしょうと天気予報は言ってたけど、ふと窓の外から光が入ってきたのに気がついて時計を見たら13時過ぎだった。天気予報ってすごい。時代が違えば人々を従えて権力者になれるよな。
とにかく明るくなったので、まあ1時間くらい誤差はあったけど、14時に思い切ってソファから立った。

おしゃれを減らした方が可愛く見えるときがある。単にいつもの化粧が下手なのかもしれないけど、ぐうたらな自分と頑張り屋さんの自分の間にいる顔をしてる。結構素直で気分のいいわたし。いつもと同じ何にもない道も、ご機嫌に歩ける。神社のハトが他の鳥の大きな声を聞いてみんな同じ方向にスクッと首を伸ばしていたこととか、梅の木の葉っぱが黄緑っぽくなってきたこととかが、なんとなく心に残る。
なにより、青い空って好きだ。こんな色が自然の色だなんて、世界は美しいな、と思ったりする。見上げていると遠くに白い飛行機が浮かんでいて、あんなに小さいのに、飛行機の形がはっきり見えた気がした。
雲の向こうに太陽がいて光が漏れている。きっと今日は、きれいな夕暮れが見れるんだろうな。