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82. たぶん神様がいたと思う。

仕事で島根に来ているので、せっかくならと出雲大社に行ってみた。
出雲大社って大きいしめ縄が有名だけど、あんまり詳しくは知らない。でも絶対に一度は聞いたことのある名前だから、日本の土台をつくった由緒ある神社なのは間違いない。

ちなみに島根は日本海側にあって、いつもだいたい曇りか雨らしい。私が前に仕事で来たときもがっつり雨。降ってなくてもつねに曇り。天気が変わりやすく、空はいつも灰色だった。
だから1日空きがあっても、出雲大社まで行くのをちょっと迷ってた。3月になったのに風がピューピュー吹いて寒いし、外を歩いてる時に雨が降ってきたら嫌だし。
絶対濡れないホテルの部屋で溜まった仕事を片付けるか、濡れるかもしれないけど電車を乗り継いでお出かけしてみるか。傘はあるんだけど、傘さしたって濡れる時は濡れるもの、ね。でも、せっかく会社のお金で来てるのにホテルにこもるのはあまりにもったいない。空はすでにがっつり曇ってるけど、私にしては珍しく午前中に動き出せそうだし、行ってみることにした。


松江から出雲へ、そして出雲大社へ。出雲から出るローカル線は床もテーブルも壁も木でできていて、まるで教室みたいな匂いがした。街の中を丸ごと移動する教室の窓から、景色が流れていくのを見ている不思議な気持ち。

出雲大社前の駅は、思いの外モダンで可愛らしかった。真っ白な壁にステンドグラスの窓があって、まるで教会みたいな雰囲気。駅を出て右へまっすぐ城下町を抜けていくと、立派な鳥居と、デカデカと書かれた「出雲大社」の文字が見える。さあ、こっからいよいよ始まりますよって感じだ。
電車の中でちょっと調べたけど、出雲大社の中には結構な数の社がある。全部にお参りをしていたらたぶん、最終的に500円玉とかもお賽銭箱に入れることになる。ので、申し訳ないけどところどころお賽銭は割愛。二礼、四拍手、二礼が出雲大社のお参りの仕方らしい。たくさん手を叩いてまわった。
不思議なことに手を合わせている時って、風がビュービュー吹いたりしない。寒い!とか、風が冷たい!とかってこともあんまりない。やっぱり神さまっているんだろうなと思う。

本殿の横からぐるりと周り、後ろにある社をお参りしていた時、目を閉じていても分かるくらいぱぁっと明るくなった。雲の切れ目から太陽が出て、目を開けると足元にはくっきり影が落ちていた。
その社に祀られていたのは、スサノオノミコト。これも必ず聞く名前だ。そして、出雲大社に祀られるオオクニヌシノカミのお父さんらしい。

そこからホテルに帰ってくるまで、青空だった。

出雲大社の縁結びは男女の縁だけではないらしい。人と人の繋がりすべての縁。人に恵まれているという自信だけはあるから、その青空を見て、やっぱりきっと神様はいるな、とまた思った。

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