「貞観政要」の感想④完璧な人間なんていないという前提
まずは引用から
p479
もし、天子の地位にある者が、自分の聡明さを表に出し、人を凌駕するような才能を示し、そのために自分の非を取り繕って諌めを聞かなくなったら、
その時は上と下の者の気持ちが離れ、君主と臣下が別々の道を歩むようになります。
昔から、国の滅亡はすべてこのために起こります
この一節が気に入ったのは、「人を凌駕する才能」と言いながらも「自分の非を取り繕って」てしまうと書いているところだ。
どんな聡明な人間でも必ずミスや間違いはあるという前提が素晴らしい。
その前提を受け入れるためにも、自分はまだまだだと能力を誇示せず謙虚にいなければいけないし、また能力を誇示することで周囲を萎縮させてはいけない。
最近全然行動に移せなくて、すぐやる系の自己啓発本ばかり見ているのだが、よくキーワードに「早めに失敗する」、「失敗を恐れないように実験的な気持ちで挑む」的な意見をよく見た。
どれほど優秀な人も、いや優秀だからこそたくさん失敗して改善していくのだろう。
中国古典が教える謙虚さは、現代のできる人にもつながる教えがあるなぁと思った童貞おじさんであった。
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