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10年の歴史から厳選!馬田さんおすすめのベストレシピ!!

cakesスタートと同時に始まった本連載。これまで173本のレシピをご紹介してきました。今回は最終回ということで、馬田さん自薦の「ポルトガル食堂」ベスト・オブ・ベストレシピをご紹介します!

※この記事は2022年7月23日にcakesに掲載されたものです。ここに掲載されたレシピは、「紋白蝶」に登録すると読むことができます。

cakes読者のみなさま、こんにちは。

架空の居酒屋「ポルトガル食堂」も、いよいよここcakesでの連載は最後となりました。休載期間を含めると約10年間、お付き合いいただきありがとうございました。って書くと終わるみたいですが、終わりません。これからは「紋白蝶」という新しい媒体に引っ越して、これからも酒とつまみの話をぼちぼち続けます。どうぞよろしく。

それにしても10年経ってみると、ポルトガルワイン界隈も随分と変わりました。本国のワインの作り手に若手が増え、紀元前から使われてきた陶器アンフォラ(ポルトガル語ではターリャ)の使用や、混植混醸など温故知新の自然な作り方、新しい試みなどがどんどん試されることで業界が活性化し、それを受けて日本のワインインポーターにもポルトガルのワインを扱う人が飛躍的に増えました。具体的に今、ポルトガルは日本国内のワイン輸入量の国別第9位(2021年貿易統計より)。なんとアルゼンチンを抜いてベスト10入りしています。ああ、圏外からついにランクイン。さまざまな人達の好奇心と情熱のおかげで、嬉しくなるようなポルトガルワイン達に、日本で出会えるようになりました。

せっかくなので今一度、気軽にポルトガルワインを買えるサイトをご紹介します。たくさんある中から、特に品揃えと買い物のしやすさで選んだ5つです。

ポルトガルの実力派生産者が集まる
ポントヴィーニョ

ポルトガルワイン専門の老舗インポーター
播磨屋

親しみやすいポルトガルワインと厳選食材が揃う
メルカードポルトガル

超マニアックな、ポルトガルのナチュラルワイン専門
recife&Tereza

ポルトガルワインも多く扱う、ヨーロッパの自然派専門
ユーロヴァン

さて今回は最終回ということもあり、これまでご紹介した173点のレシピの中から、個人的にとくによく作るものや反響の大きかったもの、JC娘受け最高など、分野別にレシピを7つ選んでみました。

では、パパッとご紹介していきましょう。

分野別ベスト7レシピ

最も繰り返し作ってる部門

多分、人生で一番繰り返し作ってきたポルトガル料理がこの2品。数ある中でもインパクトがあって日本人好みでもあり、喜ばれる確率も限りなく100%の頼れるレシピ。豚とあさりのアレンテージョ風は、誰か来る日などちょっとしたもてなしに最適、たらとじゃがいものピポグラタンは、もてなしはもちろん、我が家の日常でもかなりの頻度で作る飲めるおかずです。

1:豚とあさりのアレンテージョ風

2:たらとじゃがいものピポグラタン

米で呑める部門

米で呑めるからこそのポルトガル料理と言っても過言ではないくらい、米料理がワインのつまみになる。ポルトガル料理がいいなと思う大きな理由の一つです。中でもたこごはんはポルトガル米料理の代表的存在。ポルトガルにもいろんなレシピがありますが、私はスーパーマーケットなどでよく見る茹でたこを使い、誰でもちゃちゃっと作れる気軽なレシピにしました。米に押し麦を加えるとぱらぱらに仕上がって軽い食感になり、つまみとしても食べやすくなります。っていうか、作るならぜひ押し麦マストで。

3:たこごはん

反響が大きかった部門

いろんな意味で反響が大きかったのが、このクリスピーそら豆。皮ごとそら豆を食べるという衝撃、チーズ振って焼くだけという衝撃、食べたらめちゃうまの衝撃など、面白いほどにいろんな感想をいただきました。そら豆は皮ごと食べるのが当たり前というポルトガルの台所を訪ねて生まれた、シンプルつまみです。

4:クリスピーそら豆

なにげに普段のお昼によく食べてる部門

家のお昼でよく食べるのが、オイルサーディンを使ったイワシ梅だし茶漬け。記事を読んでいただくとお分かりいただけると思うのですが、私がオイルサーディン好きなのでたっぷり常備しているのです。いいオイルサーディンは、そのままでもおいしい。真夏の今時期なら、出汁ではなく冷たい炭酸水や麦茶でぜひ。素材の味がダイレクトに楽しめるピュアな仕上がりでさらさら食べられます。これを食べると、梅とイワシってほんと最強の組み合わせだなと思います。

5:イワシ梅だし茶漬け

我が家の冬のヘビロテ鍋部門

振り返ると鍋レシピも多々ご紹介してきたのですが、最も家で繰り返しているのがこのとろみ鍋。ほうれん草と豚肉で作る常夜鍋をちょっとアレンジし、豚肉に粉をはたいてとろみをつけ、汁には日本酒を惜しみなく注ぎます。作りやすさもあってか、レシピ掲載後に会う人あう人にうちでも作ったよと言われ、申告数が一番多かったレシピかもしれません。

6:とろみ鍋

JC娘イチオシ部門

ついでのおまけに、ティーンの意見も聞いてみました。我が家のJC(女子中学生)娘にこれまでのレシピをざっと見せ、どれが一番好きだったかを聞いたところ、最後までポルトガル風エビクリームコロッケと迷いつつ、選んだのがこのとろり長ねぎとハムのグラタン。選んだあとにじっと見つめられ、最近食べてないけどまた絶対作って、と強めに念押しされました。長ねぎを水とバターで煮るだけで、誰でも自画自賛モードに陥るレシピです。

7:とろり長ねぎとハムのグラタン

この10年でSNSなどを通じ、連載にコメントをいただくことが増えました。とても嬉しいです。一方で、リアルに集う料理教室という名の飲み会「ポルトガル食堂」ももうすぐ10年目を迎えます。これからも一期一会に喜んだり驚いたりしながら、たわいもないことを面白がれる乾杯好きの大人でありたいと思います。飲んで作って食べているときぐらい、生きるあれこれで混み入りがちな頭や忙しない心をゆるっと解放しないとね。さ、乾杯して次に進むぞー!

では、お好きな料理とお気に入りのワインで、よい週末を!


お知らせ

ポルトガル食堂(都内)
8月26日(金)13:00-15:30 着席スタイル
食事(季節の野菜料理、肉または魚介料理、〆のポルトガルごはんもの)+ワイン3種
8月27日(土)13:00-15:30 立食タスキーニャ(タスキーニャはポルトガル語で居酒屋の意)
季節のおつまみ4~5種、+ワイン5種の飲み比べ 詳細・お申し込みはインスタグラムにて。
https://www.instagram.com/badasaori/

この記事に掲載されたレシピは「紋白蝶」に登録すると読むことができます。ぜひご登録ください。


馬田草織(ばだ さおり) 文筆家・ポルトガル料理研究家。東京都生まれ。出版社で雑誌編集に携わり独立。食や旅を軸に雑誌や書籍などで執筆。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』(産業編集センター・幻冬舎文庫)、cakesの連載を書籍化した『ポルトガルのごはんとおつまみ』(大和書房))、最新刊『ムイトボン!ポルトガルを食べる旅』(産業編集センター)。ポルトガル料理とワインを楽しむ教室「ポルトガル食堂」主宰。開催日程など詳しくはインスタグラムへ。

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