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からくりとすり合わせの技

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愛知ものづくり産業史 機械産業編
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#織機

からくりとすり合わせの技③ 多彩な機械製品の誕生

からくりとすり合わせの技③ 多彩な機械製品の誕生

明治後期から大正時代にかけて、国産品の鋼材(普通鋼や特殊鋼)の普及が進むと、機械部品の素材の置きかえ(木から鉄へ)が大きく進展、国内機械産業の成長は加速度を増していった。愛知でも大正5年、電気炉製鋼による特殊鋼生産が始まった(電力会社・名古屋電燈の製鋼部門が独立した電気製鋼所による。現大同特殊鋼)が、これと前後して、県内外から集った起業家のアイデアのもと、多彩な機械製品(民需向け)が誕生している。

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からくりとすり合わせの技② 西洋製品の国産化(江戸時代の技の流用)

からくりとすり合わせの技② 西洋製品の国産化(江戸時代の技の流用)

江戸末期、鎖国が解かれて欧米諸国との国交が結ばれると、西洋の機械製品が続々と国内に流入するようになる。産業力(国力)の差を痛感した幕府や有力諸藩はこぞってこれらの国産化に取り組み、その志は後の明治政府にも引き継がれた。

こうした中、愛知のからくりとすり合わせの技は、ときの起業家のアイデアのもと、木の技、鉄の技ともども欧米の先端技術と融合する。その結果、近代的な機械産業がめばえ、木鉄混製(フレー

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