見出し画像

新卒で物流センター立ち上げを経験!入社から猪名川DC稼働までの軌跡。

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

2022年4月に本格稼働がスタートした兵庫県の新物流拠点「猪名川DC(ディストリビューションセンター)」。複数階層(6階建て)拠点であり、Racrew(日立グループ製の自動棚搬送ロボット)を活用しながら1〜4階を商品棚が行き来することが特徴です。その立ち上げに関する記事の第2弾として、過渡期に大きく貢献した新卒社員の2人にインタビューを実施しました。会社で若手に当たるお二人が、ゼロから拠点立ち上げにチャレンジする軌跡を詳しくお伺いしています。

猪名川DC立ち上げ記事第1弾はこちらからご覧ください!
https://note.com/monotaro_note/n/nc44ff34f3b9f

■津田さん (写真左)
近畿大学 経営学部 キャリアマネジメント学科を卒業
物流部門 猪名川入荷・取寄グループ 入荷検品チーム に所属

■福田さん (写真右)
甲南大学 文学部 歴史文化学科を卒業
物流部門 猪名川在庫管理グループ オペレーションチーム に所属

Q1.これまでの経歴を教えてください

津田
2014年に新卒入社し、尼崎DC(※①)の入荷グループに配属となりました。仕入先から届いた荷物に対して、1日ごとに決められた目標数値をもとに現場管理を行います。日々の遅れがないように、遅れが生じた際には現場に確認を取ったり、滞りが発生している工程を見定めて、そこに調整をかけていくことが主な仕事です。現在は、猪名川DCの入荷グループに所属となり、主に検品(※②)工程の管理業務に務めています。

※① 尼崎DC:猪名川DC稼働前に関西の主力拠点であった物流センター
※② 検品:商品を受け入れる段階で、品質や数などに不備がないかを確認する作業

福田
2021年に新卒入社し、尼崎DCの在庫管理グループに配属となりました。在庫管理は、入荷から出荷までの流れとは別の作業となり、在庫状況の調査・ロケーションの移動・イレギュラー対応を行います。他の工程に比べて、扱うデータも膨大であるため、様々な視点で考える必要があります。先輩にサポートいただきながら、1つ1つ対応していった1年目でした。2022年からは猪名川DCの在庫管理グループに異動になり、拠点立ち上げに携わっています。

物流センター内の組織と業務フロー

Q2.ちなみに配属希望は物流部門だったのですか?

津田
そうですね。物の流れに興味があり、動きながら仕事ができそうだと考えて志望しました。実際、現場に出ることも多く、小さい頃からスポーツをやってきた自分にはデスクワークばかりより合っている環境でした。

福田
はい。物流部門を希望していました。新入社員研修で、さまざまな部署を経験させていただく中で、最終的にお客様へ約束通りに商品を届けられなかったら、それぞれの部署でサービス向上のために取り組んだ努力が無駄になってしまうと感じました。そこから、お客様に商品を確実に届けるところに携わりたいという気持ちが強くなりました。

新入社員研修の詳細はこちらの記事をご覧ください!
新卒社員の皆さんには、物流部門・カスタマーサポート部門・商品部門・IT部門での研修を受けていただきました。
https://note.com/monotaro_note/n/n831666c14c07

Q3.その中で猪名川DCの立ち上げに関わると決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

津田
「ゼロベースから作り上げていくことに対する楽しみ」と「配属から現場管理を中心に携わる中で得た知識や経験を活かせるのかという不安」の両方があったことを覚えています。猪名川DCで対応していく物量が尼崎DCの数倍を予定しているということで、立ち上げに関わることが決まった段階で、どのように準備を進めていくかを考え始めていました。

福田
素直にお話すると、とても不安でした。入社1年目で配属間もない段階だったため、先輩から仕事の進め方を教えていただきながら現場を回すことが中心になっており、キャッチアップで精一杯で、なぜその作業を行うのかの本質まで理解が追いついていない自覚がありました。そういった状態で立ち上げという一から考えていくプロジェクトに携わることになり、自分に何ができるのかという気持ちがありました。

Q4.立ち上げでの担当業務を教えてください。

津田
検品工程の構築を担当しました。具体的には、検品受付システムの立ち上げ・仕入れ先との商品不備対応・オペレーション管理が挙げられます。その中でも、納品受付システムの立ち上げから着手していきました。猪名川DCが大規模である分、多くの納品業者の方がトラックでお越しになりますが、入退場を自由にしてしまうとトラックの渋滞や事故に繋がる危険性がありました。入退場の時間を分散させ、安全かつスムーズに商品を受け入れることがシステム導入の目的です。

上司からシステム導入のお話を共有いただき、是非やってみたいという想いもあったので、主体的に関わらせていただきました。その他、リフト作業スタッフの管理やアルバイトの採用面接もオペレーション管理者の目線を大切にしながら担当していました。

福田
猪名川DC稼働開始(2022年4月)の前後で担当していた仕事が異なります。稼働開始前は、Racrew棚の準備に携わりました。Racrew棚にはたくさんの種類があるため、入荷予定の商品を全て受け入れるための最適な棚数を種類ごとに試算し、必要な資材や人員の手配を行いました。稼働開始後は、在庫管理現場の環境作りや作業フロー整備を行っています。例えば、商品破損といったイレギュラー対応について、現場での作業フローを整えていきました。立ち上げフェーズということで、ゼロからやり方を決める必要があり、最初に決めたやり方が100%良いという訳でもないので、実際に作業を進めながら、少しずつフローの改善を進めています。

物流センター内のRacrew棚 (※Racrewが棚を下から持ち上げて、作業者の元に運搬します。)

Q5.立ち上げの中で大変だったことは何でしたか?

津田
まっさらな状態からスタートしたという点で、入荷工程のレイアウト構築が一番大変でした。各物流拠点(尼崎DC・笠間DC・茨城中央SC)の現状を実際に見ながら、効率化できる点や模倣したい点を取り入れることを意識しつつ、他拠点との差別化ができるような新しいチャレンジをしたいと考えていました。

実際に他拠点から取り入れた事例としては、「検品作業工程での作業場改善」があります。これまでの検品作業は、商品が平置きされており、作業者はかがみながら検品する必要がありました。一方で、茨城県の拠点では作業者の身体的負担を減らすために、高さを持った検品作業場にしていることを学び、猪名川DCでも取り入れていくことになりました。

どのようなモノの流れ方が全体効率を上げることができるか、荷物を受け入れてから棚に保管するまでの全体最適を考えながらレイアウトを検討していきました。それに加えて、将来的に入荷工程のアナログな作業に対して自動化設備を導入することを想定したスペースの確保も必要であり、悩んだことはたくさんありました。

福田
先程もお話した「Racrew棚関連の試算」が大変でした。種類ごとの必要な棚数が決まった後、棚を作るための資材発注を行います。それに伴い、必要な資材数を試算する必要があったのですが、自分自身やったことがない作業であったため難航しました。参考資料によって記載内容が違ったり、関連するデータも膨大にあるため、どの情報を利用することが適切かの判断に迷う場面が多かったです。その中で、先輩にフォローいただきながらなんとか形にすることができました。

Q6.立ち上げに関わる中で学んだことや参画して良かったと思うことを教えてください

津田
これまでの現場管理経験を活かせる部分もありましたが、物流センターを新しく構築していく中で初めて経験することがたくさんあり、様々な観点で多くの学びがありました。その中で1つ挙げるとすれば、コミュニケーションの重要性を実感しました。自分が考えたレイアウトも、最終的には現場の皆さんに作業していただくところであるため、準備を進める中で想定通りにいかないことが多くありました。この経験から、現場の皆さんとしっかりコミュニケーションを取りながら、課題が見つかれば積極的に改善を行っています。そういった関わりの中で、信頼関係を築けていることも嬉しく思っています。

正直、稼働がスタートして、もっとこうしておけば良かったと思うことは多くあります。しかし、この振り返りが自分の経験値になり、物流拠点の能力向上に繋がる学びになると前向きに捉えています。このプロジェクトに携われたことを本当に感謝しています。

福田
猪名川DCの立ち上げに関わったことで、自走できることが大幅に増えて、自分でも成長を実感できました。作業フローを一から作っていく中で、各作業について見つめ直す機会が自然と増えて、在庫管理業務や倉庫作業全体の理解が深まりました。これまでよりも考える引き出しが増えたことを感じながら、改善活動を積極的に進めています。

猪名川DCの稼働がスタートした際は、みんなで準備してきたRacrew棚に商品が保管されていく様子を見て、感慨深いものがありました。立ち上げのプロジェクトに参加できて本当に良かったと思っています。

Q7.今後取り組んでいきたいことを教えてください

津田
猪名川DCはスタートして間もないため、今後想定している物量に対応できる能力と環境を構築することが大きなミッションだと思っています。尼崎DCと比べて倍の物量を受け入れる計画なので、同じオペレーションをしていたら単純計算で倍以上の人数が必要になります。そのため、目標値に対して限られた人員で対応できるような体制を目指していきたいです。

また、入荷工程での他階層搬送にRacrewを用いるといった自動化への新たな挑戦を行っていますが、検品工程だけで見ると、アナログな部分が多いことが現状です。まずは、安定した入荷オペレーションの構築が最優先で、システム的な問題や現場作業の問題点を1つずつ改善していきたいと思っています。最終的には搬送や検品の自動化にチャレンジすることで、ステップアップしていきたいです。

福田
「出荷遅れが発生しない物流センター」を目指して、在庫管理のアプローチから改善を積み重ねていきたいと考えています。出荷遅れの原因は様々ですが、在庫管理から分かるものは「データ上の在庫数と実際の在庫数の差異」です。その差異は、「過剰・過少出荷」や「商品の破損」などから生じます。例えば、「1箱(10個入り)」の商品を注文いただいたにもかかわらず、箱を開けて「1個」出荷してしまうといった「単位間違い」により、在庫数がズレてしまいます。データ上では在庫があるにも関わらず実際の在庫がない場合は、注文いただいてもお届けに時間がかかってしまいます。ですので、差異が発生している商品のデータを集め、ズレが生まれる根本原因を断つための改善を行い、出荷遅れの減少に貢献していきたいです。

立ち上げへの関わりが自身の成長に繋がっていることが伝わりましたし、既に今後のセンターの形を見据えていることが印象的でした。
津田さん、福田さん、ありがとうございました!

モノタロウでは共に働く仲間を募集しています!