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企画できる人材の必要性.~今後小売店、メーカー、問屋に求められる人材~

日本の小売店とメーカーは共に育ってきました。メーカーがモノを供給しなければ小売店は生き残れず、小売店がいなければメーカーはお客様に商品を届ける手段がありませんでした。

また、高度経済成長期ということもあり作れば売れる時代でした。しかし現在では高齢化や人口減少など、メーカーや小売店にとっては非常に厳しい時代に突入しています。

更には、Amazonを筆頭にオンライン販売が当たり前になり、 ”小売店だけ”  ”メーカーだけ” で戦うことがより厳しくなりました。そのため小売店やメーカー、問屋と各々の考え方や関係性を見直し新たな形でビジネスを行っていく必要があります。

小売店のPB比率の向上を行う理由

小売店の大きな流れとしてPB(プライベートブランド)比率をあげていく動きがあります。理想はSPA。SPAとは製造において企画・制作・販売までを全て自社で行ってしまうことです。SPAができない場合はOEMやODMとしてメーカーに依頼し商品を製造してもらいPB商品にします。

ではそもそもなぜ小売店はPB比率をあげていこうとしているのか?
一つは利益率の改善。特にSPAの場合は ”メーカー ⇒(問屋)⇒ 小売店” だった商流が小売店のみで成立してしまうため利益率は大幅に改善されます。OEMでは小売店側が在庫リスクを背負うため、その分価格をディスカウントできるが商流は大きく変わらないため大幅な利益率の改善は見込めません。それでもOEMをしたい理由としてはここでしか買えない状況を作り出したいからです。

オンラインでの購入が当たり前になり、お店に足を運ぶ必要がなくなりました。PB商品にしなくてもここでしか買えない状況を作り出すことができれば小売店にとって非常に価値があります。メーカーが作った商品を安く仕入れ、他店より価格で負けないよう販売するだけで生きていける時代ではありません。

小売店とメーカーに求められる関係性

小売店はモノを販売するノウハウや基盤はあるが、まだまだモノづくりにおける人材や仕組みは整っていないのが現状です。

逆に、メーカーはモノづくりにおける人材や仕組は整っているが自社で販売する基盤は整っているとは言い難いです。

お互い育ってきた領域が違うからこそ今後は小売店とメーカーが対等な立場で協業できるかが重要になると思います。お互いにリスペクトを持ち、売れるためにはどうすれよいのかを一緒に模索していく。長い歴史が生み出した溝を埋め、自社の商品を売り込むのではなく共にどのような商品を作れば良いかを模索していく。そのようなことが求められているような気がします。

また、作るだけで売れる時代は終わりました。新しい価値の持った商品を作り、どのような販売戦略で進めていくかが重要です。

モノ消費からコト消費へ。最近ではトキ消費やイミ消費という言葉が生まれるほどモノだけの販売は限界を迎えています。しかし、メーカーも超一流企業でない限りマーケティング室は十分には機能していません。機能していないというと語弊があるため、厳密には規模のあるブランドに対しては人やお金を投資できるが、そうでない商品に関しては商品開発や企画者の力量次第になっているのが現状です。小売店側も同様です。だからこそ今後はメーカーにも小売店でも企画できる人材が求められます。

問屋という存在

私が最もアップデートしなければならない存在です。"問屋の説明記事"

問屋で最も重要な役割は物流機能です。様々なメーカーから商品を仕入れ小売店に卸していく。それだけで十分に価値がある時代でしたが今ではそれだでは厳しい状況です。

問屋の強みとして、メーカーや小売店から様々な商品や情報が集まります。人材の高齢化や日々の業務の忙しさから右から左に流すだけで活かせているとは言い難い状況ですが、メーカーや小売店から集めた商品や情報を基に企画を組むこともできる可能性を秘めています。そのため問屋にも企画できる人材は必要です。

まとめ

ハードな部分を変えるとなるとマンパワーが必要となってきますが、企画できるような人材や仕組みを整えることは可能です。マインドの部分でも小売店、メーカー、問屋が共に切磋琢磨していけるパートナーのような関係を築くことができればもっと市場に良い商品が流通すると思います。

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