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「正しい姿勢」はまず全身を繋げること

武術研究家のモノノフです。

武術においてというか生きていく上で大事なことは立つことです。身体を使う上で一番基本になりますが、99%以上のひとが上手にできていません。なにができていないかというと

「身体のそれぞれの部位をつなげて使うこと」

です。普通のひとはなにが繋がっていないのでしょうか。それは

「力の流れ」

です。どこで途切れるのかというと関節です。関節で「力の流れ」が途切れてそこにバランスの歪みが生じ、そのバランスの歪みが痛みとなって現れます。この発想がないと、いつまで経っても同じ部位を痛めるし、それを庇ったら違うところを痛めるのです。

武道ではよくどのように立つかという議題があります。「骨で立つ」とか「脱力」だとかいったりします。これは僕はどういうことを言っているのかわかるので、正しいのですが、この内容はなにも知らないひとに説明しても小学生に微分積分の公式をいきなり言っているようなもので理解できないんですよ。問題点が正しいとか正しくないとかではないんです。まだそのレベルではないんです。

さて、この話をしていく上でヒトという動物の進化の歴史を辿る必要があります。ヒトは長い時間かけて進化してきたので、ヒトの進化から1代でいきなり抜け出すことはできません。脊椎動物→魚→両生類→爬虫類→哺乳類となりました。このあたりも面白いんですが、長くなるので割愛します。ヒトは四足歩行から二足歩行になりました。これは生きるためであり、弱い動物のヒトが他の肉食獣と戦えるようにするために道具が必要だったためです。

「ヒトは戦うために立ち上がった動物」

なのです。この説明も大幅に内容をカットしているので、誤解を生むかもしれませんが、そうなのです。若干僕の説明も小学生に微分積分になっていますが、ここは本題ではないので、トントンと進めていきます。そのときにある力とも戦わないといけなくなったのです。それは

『重力』

です。四足歩行と二足歩行では腰や後ろ足にかかる負担が全く違うことは容易に想像がつくと思います。よく考えてください。あなたは自分の体重の重さのバーベルを持ち上げることができますか?できるひともいるでしょうが、簡単ではありません。その重さを毎日体感しないといけないはずなのに、そんなこと感じずに立てていますよね?まずこれに気がつくことが大事なのです。

「ヒトは力を流すようにデザインされている」

のです。そういうことかというと、身体の重さは『重力』が決定していますが、その『重力』エネルギーを地面に逃がすようにデザインされています。だから、自分の身体の重さを感じずに立てているのです。逆に自分の身体の重さを感じているひとというのはどういうひとでしょうか?
「膝や股関節や腰を痛めているひと」です。そこに力が滞って流れていないから、痛みが発生しているのです。ちゃんと力が流せていたら、太っていても膝や股関節は痛くなりません。

この「力を流すようにデザインされている」ことを利用してひとを倒すのが武術なのです。

縦方向に関しては誰でもできることなので、これを日本人がみんなできれば、器質的な問題の膝や股関節、腰の痛みは全部解決します。腫瘍などが原因の場合があるので、その場合は治りません。

デザインを利用して立つと、力がいらないのです。むしろ、力を入れるとそこに歪みが生じてしまうのです。だから、武術では立ち方を「骨で立つ」とか「脱力」とかいうのです。

ただ、これは最終的な形なので、最初はバランスをとることを重視したほうがいいです。最初は力を入れても構いません。なんせ、左右に同じ力を入れるようにするのです。そのバランスがとれるようになってきたら、少ない力でバランスをとるようにするのです。そして、最終的に力を入れずに立つ「骨で立つ」とか「脱力」の状態が得られるということです。

モノノフ




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