エビデンスは必要だが、エビデンスにこだわるとタイミングを逃す

最近はGO TOのことでエビデンス、エビデンスとよく言われている。
エビデンスとは日本語で『根拠』のことだ。
医療ではエビデンスベースドメディスンと言って、根拠を基にした医療を提供しようということになっている。

では、何が根拠になり得るのかというと、

統計学的処理をした後の有意差

ということになる。
もう少しわかりやすいように説明しよう。

痛み止めの薬があるとする。
A群には薬を与えて、B群には薬に似た意味のないものをあげたとする。
そうするとA群のひとのほとんどのひとの痛みが引いたとする。
B群のひとも一部痛みが引いたとする。(プラシーボの効果で薬という名目で小麦粉をあげても効くひとが一定数いる)

このA群の効果が出た率とB群の効果が出た率を統計学に基づいて処理をする。
T検定というのがよく使われる。(多くの検定方法があり、状況に応じて使い分けが必要)
これで有意差というものが出ると
『この薬は効く』と言っていい、ということになる。

A群の方が痛み引いた人は多いけど、有意差が出なかった場合は、
『この薬は痛みをとる傾向にある』ぐらいしか言ってはいけない。

こういったように統計学的処理をした後の有意差を根拠としている。

ここで大きな問題が生じる。

「GO TOで感染拡大したというエビデンスがない。」という言葉。
これを「GO TOと感染拡大が関係ない。」と取ってはいけない。
正しくは、

「GO TOと感染拡大の関係を証明できていないだけで、
白とも黒とも言えない。」

ということなのだ。
あたかも菅総理が関係ないと言ったような言われ方をしているがそんなことはない。白くも黒くもないとしか言っていないのだ。

そういった言葉のニュアンスを議員はうまく使う。

言葉の定義や、意味はちゃんと捉えておかないと騙されてしまうのだ。

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