笑顔で前歯が見えない子供が多い

武術研究家のモノノフです。色々な題材がある中で歯並びに関する投稿が評判良さそうなので、そういった投稿をしていこうと思っています。『死』に関する投稿は読まれやすいんですが、内容の関係上あまり『スキ』されないという傾向がありますね。もしかしたら、僕の内容が良くないのかもしれませんが。
ということで、今日は口元に関する投稿です。

みなさん笑顔の口元といえば、上のイラストのように上顎の歯が綺麗に見えて口角が上がっているというイメージがありませんか?

現代の子供はこういう笑顔ができなくなっている
ということをご存知でしょうか?

もし自分に子供がいたら口をアーンと開けてもらってください。その時に

上顎の前歯は見えていますか?

見えない子供が増えているのです。これは何が起きているのかというと

上唇が上がっていない

のです。これは何が原因なのか。どこで差が出るのかというと

離乳食の上げ方

です。そんなもので差が出るのか?と思う方もおられるでしょうが、そんなもので差が出るのです。

どういうことが起きているのかを説明しましょう。
そもそも上唇が上がっていない理由は使っていないからです。僕たちでいうなら「耳を動かせ!」って言われているようなものです。使っていないし、ほとんどのひとが動かせないでしょう。でも、実際はヒトという生き物はみなさんが思っているより耳が動く生き物です。要するに使っていないと使えなくなるのです。

上唇は哺乳の時から一応使っています。ただ、哺乳の時に大事なのは下顎のグラインド運動です。そこで嚥下の基礎ができてきます。哺乳瓶で飲む場合、与える姿勢や、おっぱいとは違う飲み方をする関係上間違った飲み方を覚えます。哺乳瓶でもそれをわかって与えれば特に問題はないのですが、教えてくれるひとが少ないので、わからずに間違った飲み方を覚えて『異常嚥下』の状態になります。飲み込めるけど、飲み込み方を間違っている状態です。むせやすかったり、変な唇や舌の緊張があり、口元の姿勢が乱れるのでほぼほぼ歯並びが悪くなります。僕の印象だと下の前歯がガチャガチャになったり、奥歯が噛み合っているのに前歯が開いているような噛み合わせのひとが多いです。

哺乳の時はこのように『嚥下』、つまり飲み込み方を赤ん坊は学んでいるわけですが、離乳食の最初のころに学んでいるのは何かというと『捕食』です。栄養が一度に照れる量が少ないのでおやつの時間に『補食』をしましょうという補うという意味ではなく、捕らえるという意味の『補食』です。その後、前歯が生えてかぶりつけるようになり、奥歯が生えてすりつぶせるようになるのです。ヒトという動物の成長がそういう風にできているのです。飲み込み方という意味の『嚥下』、食べ物を噛み砕くという意味の『咀嚼』、この『嚥下』と『咀嚼』というのは誰でももともとできるとかいうものではなく、

生まれてから親に教えてもらうこと

なのです。

この『補食』も同じです。親から使い方を教わるものなのです。『姿勢』もです。全部親から習うのです。教えているつもりはなくても、そういう風にできているのです。ただ、親の方が数代前からそういうことを知らなくなってしまったので、これをしっかり教えることができません。「最近の若いものはそんなことも知らないのか!」とかいうおじいさんおばあさんがいたら言ってやりやりたいぐらいです。「お前たちの代あたりから失われてきているんだ!」と。

これのポイントはいったって簡単です。

離乳食を口の中に入れない

です。「子供が食べれないじゃないか!」という声が聞こえそうですが、あげないわけではありません。

離乳食を乗せたスプーンを子供の口の前で止める

のです。そうすると子供は自分で離乳食を捕りに来ます。これを促すのです。そうするとスプーンの上の離乳食を『補食』するために上唇を使うのです。ここで上唇の使い方を学ぶのです。これをしていないから上唇が使えないのです。むしろ、これをしていないのに上唇を上手に使えという方が無理があります。
「私の子供は離乳食を捕りに来ません。」というかたがおられたらその子供は離乳食のタイミングではありません。生後1年過ぎていても離乳食に興味がなければ離乳食を始めるタイミングではありません。

『補食』のついでに離乳食を始めるタイミングについてお話しましょう。大きく3つ。

・食べ物に興味がある
・座った姿勢を維持できる
・特定の反射の消失

です。生後6ヶ月とか生後1年前後というものは目安でしかありません。適切な時期の答えはその子供自身が持っていてそれは子供ごとに大きく誤差があります。親がよく観察して、その時期を見極めるのです。それは親しかできません。

この3つの項目の目安ですが、『食べ物に興味がある』は食べ物に手を伸ばすとか、親が食事している時に机の上に興味があるなどが目安になります。最近はテーブルがほとんどですが、ちゃぶ台ぐらいの高さの方が子供から食事が見えて子供が興味を持ちやすいです。テーブルの場合は、テーブルを見える位置に子供を連れてきたりするのがいいと思います。
『座った姿勢を維持できる』はそのままです。食事中にグニャリと子供がなってしまわないかどうかを見ます。なってしまうようでは離乳食を始めるだけの筋力が足りないので、特殊な状況を除いて離乳食を始めるべきではありません。ハイハイをさせましょう。「私の子供はすでにつかまり立ちをしています。」という親の方は遊びの中でハイハイを取り入れてください。というか絶対ハイハイをさせてください。椅子の下をくぐるような遊びなんかが子供が喜んでしてくれます。
『特定の反射の消失』についてはスプーンを口に入れた時にスプーンを舌で押し出すような反射が残っている時はまだです。おっぱいをもっと飲ませたり、哺乳瓶の乳首を負荷の強いものにするなどして、口の中の刺激を増やしてあげましょう。綺麗な手で口の中を触ってあげてもいいですし、おしゃぶりおやつのようなものをあげて『味覚の窓』を開けてあげるのは非常に有効です。『味覚の窓』に関しては希望があればまた投稿します。

以上のように哺乳や離乳食の時期というのは食事に関する筋肉の使い方を学ぶ時期なので非常に大事な時期です。親の不勉強で子供に不自由させるのは僕は申し訳ないことだと思っています。少しでも親御さんがこういうことを意識すればいいのかとかいうのがわかって負担が減って、子供が不自由なく育てばこれに勝るものはありません。親御さんも難しく考えず、できることをできるだけしてもらえればと思います。思い悩んでこれしないととか考えて、親の気が病むのであればする必要はありません。親が楽しく子育てするのが一番子供にはいいのです。

子育てを楽しくするのに子育ての知識を得て、

何をすればいいのかを知る

というのが非常に大事です。「何をしてあげていいのかわからない」、「自分は正しいのか?」という不安が一番ストレスなのです。とりあえず、これをしてたら大丈夫とか、これをしてあげたらいいよっていうのがわかっているだけで、かなり子育ては楽になります。気持ちが楽になるための勉強をしてみてはいかがでしょうか。

注意点として、真面目なひとほど勉強して知識が増え過ぎてアレもしないとコレもしないととなりますが、自分に負担になるならやり過ぎです。順位をつけて優先順位の高いものからやって、負担が出てきたらそこまでやる必要はありません。子育てなんて毎日休みなくやるわけですから、同じことをしていると余裕が出てきますので、余裕ができたら次の順位のものをするというのがいいでしょう。

己を知るということは非常に大事です。子供を観察して子供自身が持っている答えを導き出すというのも大事です。子育ては己を知り、観察力を上げる絶好の機会なのです。

モノノフ

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