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自己研鑽は誰のため?

名大病院が時間外の研究や教育に関しては自己研鑽のため無給としているという記事があった。

これに関しては賛否があると思う。いやいや、給料払ったれよという声が多いかもしれない。教育に関してはお金を出してあげてもいいかもしれないが、研究に関しては少し難しい部分がある。そのあたりは実際研究もしていた僕がお話をしよう。

国立大学にくっついている病院は基本的に研究施設がくっついている。そこで多くの賢いひとが研究している。実は僕も某国立大学系病院に付属している研究施設で研究していた。本当に辛かった。僕の頭では足りることもなく、周りが賢過ぎて能力も高かった。

かくいう僕は能力が低く、同じ処理でも時間がかかる。ましてや平日は働いてから研究施設にきたりしたら、基本夜だ。週に1回か2回は研究室に泊まっていた。
例えばこの人物に残業代を払うのか?ということになる。

朝から晩までずっと研究をみっちりやっていて終わらなかった人には残業代が出てもいいだろう。しかし、病院で日中働いたり、出張でその日はそこにいなかった人が研究を始めるのはそもそも夜なのだ。全て残業代ということになるだろう。なんなら診療前に少し実験して、午前診して、昼休みに実験して、午後診して、そこから自分の実験や仲間の実験を確認したりミーティングをしたりなんかはザラにあった。これを毎日こなすのだ。休み時間の研究をどう評価するのかとか、診療後、一般的に残業代が出る時間をどうするのかという問題になってくる。

全部出したらいいじゃないかと思うかもしれないが、これだと能力が低くダラダラした方が残業代を多くもらえるようになってしまうのだ。仮に当時の僕が職員だったら、泊まり込みをしていたが、その残業はどうなるのか?ということになる。

残業代は確かにあげた方がいい場合が多い。しかし、かなり検討しなければならない。あくまで真面目にしっかり仕事をしている人が評価を受けるそういう世の中になってほしいと僕は思う。

ただ、多くの研究者は優秀で、日本はもっと研究者にお金を落とすべきだとは思っている。僕は研究という場から逃げたというか弾き出された人間として思うのだが、優秀な研究者がこれほど評価されない国は日本ぐらいだと思う。

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