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ナジーム・ハメド

武術研究家のモノノフです。

みなさんはナジーム・ハメドというひとをご存知だろうか?
フェザー級のボクサーで変則ファイトで知られている。

通称は「プリンス」と言われ、日本では「悪魔王子」とされていた。
変則ボクサーは南米系に多いのだが、この選手はイギリス人だ。 37戦36勝31KOというむちゃくちゃな戦績だ。もちろん世界タイトルも獲っている。キャラクターもすごく良くてビッグマウス。しかも、きっちり試合に勝ってくる。

変則ボクサーは数いれど、ここまでの変則ボクサーはなかなか存在しない。イロモノで存在してもここまでの実力はまず伴わない。

何がすごいかというとボクシングのセオリーにほぼ乗っ取っていない動きをしているのだ。距離感が抜群でスウェーがうまくディフェンスも神がかっている。

今回この選手に注目したのは攻撃力の方だ。フェザー級というあまり重くない階級で、37戦36勝31KOはとんでもない数字だ。
ひとは変則な動きで思いもよらないところからパンチがくるから効いてしまうんだという。確かにそれもあるだろう。しかしそれだけではない。

彼は「中心力」を守っている。

ます、身体が繋がっていることが前提だ。これに関しては前の投稿を見てもらうとして、攻撃する時は「中心力」を守っている。要は自分の軸を守っているのだ。軸を守った上で傾けてはいけない。ディフェンスのスウェーをしているときに軸なんか守ってないだろうというひともいるだろう。確かにその時は守れていない。まず、身体が繋がっていることによりパンチそのものが全体的に重いものとなる。格闘技をしている人は心当たりがあると思うが、グローブしていてもパンチの痛い人がいる。あれだ。

それに加えて各試合のKOパンチを見て欲しい。必ず軸を守っている。しかも、膝を柔らかく使うもしくは、宙に浮いているタイミングすらある。これでは踏ん張れないから力が伝わらないというひとがいる。全くの見当違いだ(拳闘とかけてみたw)。身体が繋がっていることを前提とすれば、自分の体重分の物理エネルギーが拳に乗る。要するに拳を介したタックルと思ってもらったらいい。そうしてKOを量産していたのだ!

よく野球などにみられるが、スイングむちゃくちゃなのにやたら打球が飛ぶ人がいる。あれも「中心力」のせいだ。

「中心力」は合気道だけのものではない。身体の力を引き出す方法なので、スポーツや競技は問わないのだ。

モノノフ



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