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はじめよう自動搬送 – 台車を運ぶ便利な機械の選び方 ③

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コースの検討

自動搬送を行うためのコースを考えたとき、広い場所であればコース取りも自由度が高くなります。
狭い通路を曲がるような場合は、通過できるかを検討する必要がありますが、配置を変えて広げることができる場合は、広げられる最大値を理解しておく必要があります。
これらの要素が、AGV選定の大きなカギとなります。

コースに進入する主な障害が人とフォークリフトです。
衝突してはいけませんが、回避動作をして走り抜ける必要性までは選択の幅があります。
(「止まって警告を出す」「優先のルールを決める」など)

また自動搬送の技術だけに頼らない選択肢もあります。

搬送の費用

人はカゴ台車だけを運んでいるわけではなく、場所や時間によりさまざまな作業をこなします。
搬送の費用を計算するために、運ぶ作業だけを切り出してみましょう。

平均的な生産量・出荷量から、一日に何台運んでいるか、1台車の往復に何秒かかっているかを算出します。
はじめよう自動搬送 – 台車を運ぶ便利な機械の選び方(2)でご紹介したカゴを50m運ぶ費用モデルを活用すると、
例えば1日に50m×100台運び、年間300日稼働している物流倉庫の場合

となり、カゴ台車を運ぶことに支払っている費用は375万円ということになります。
これを3年間続けると1125万円になります。
それならば、同様の費用を自動化へ投資して3年で設備の償却をすると、4年目からは人も経営も楽になりませんか?

「運ぶ」機器のしくみ

最適なAGV・AMRを選ぶために知っておきたい搬送機器のしくみについて考えてみましょう。

人力を機械に置き換える際には、物流的物理法則から台車の固定方法や走行時の振られ、連結牽引による内輪差の問題等をよく把握したうえで走行環境を整え、そのコースに最適なAGV・AMRを選定する必要があります。

物流は摩擦との闘い


重量のある荷物を持ち上げて運ぶには大きな力が必要ですよね。引きずる方が楽ですが物流は常に摩擦との闘いといえます。キャスター付の台車があればずっと楽に運べるでしょう。

下の図のように、足の裏の摩擦がなければ台車は進みませんが、転がる摩擦が小さくなければ進みません。
キャスターにはその摩擦を制御する重要な役目があります。

キャスター車輪の種類


物流の現場で多く使用されるキャスターの種類は固定輪と自在輪の大きく異なる2つに分けられます。キャスターの種類は台車の進む方向を決め、それにより台車の軌道が変わります。

他にも、ブレーキ機能付きやボールキャスター、自在と固定を切り替えることができるターンロック機能付きのものなどがありますが、いずれも固定輪と自在輪の2種類から派生した仕様です。

キャスターの組み合わせによる台車の種類

キャスター付の台車も、以下のように分類されます。

全自在輪台車・・・すべてのキャスターが自在輪
固定輪台車 ・・・固定輪と自在輪の組み合わせ

全自在輪台車と固定輪台車(←クリック)に続きます。

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