合評会をやってみよう!
はじめに(読み飛ばしてOK)
こんにちは。
モノリトルプレスという文芸サークルで小説を書いている西舟です。
当サークルは活動を始めてちょうど1年を過ぎたくらいなのですが、幸いにしてメンバーの精力的な創作活動の甲斐もあって、活動期間に対して十分と思われる程度に合評会を実施することができました。
今回の記事では、合評会って何なの?ということからスタートして、我々が1年間で獲得した学びらしいものを、合評会の運営ステップという形に変換してお話します。
「同人アンソロをやってみたいぜ」とか「相互レビューって何をすればいいの?」という場合に、多少ですが参考になる記事となれば幸いです。
合評対象とする作品自体は一次創作でも、二次創作でも、小説でも評論でも詩でも漫画でもその他何でも、ある程度は普遍的に使えるのではないかと思います。
それでは、やっていきましょう。
合評会実践の前提
読んでもらいたい小説をいったん最後まで書き切っていることが重要です。クオリティはとりあえず置いておきましょう。
合評会って?(What)
本サークルでは、書いた小説について意見を述べあう場と定義しています。
なぜやるの?(Why)
本サークルでは、それぞれの意見を踏まえ「どうしたらこの小説はもっと面白くなるか?」検討することを目的としています。
誰とやる?(Who)
サークルメンバーと開催するのが妥当ですが「そんなサークル全然心当たりがないぜ」という場合には、誰か知り合いに頼んで読んでもらうのがいいと思います。
人数もフリーでいいと思います。望ましいのは5人~10人程度でしょうが、本サークルはだいたい3人でやっています。
なお、何となく同人創作に関する記事を読んでいると大体「同人友達って最高!!」みたいなニュアンスの記事が多いですが、別に同人友達に読ませる必要は全然ないです。
どこでやる?(Where)
オンライン、オフラインでそれぞれ実施しやすい方法でやるといいと思います。いずれも必要なのは、メモを共有するためのツールです(黒板みたいな)。
オンラインの場合なら、ホワイトボードがある場所が望ましいです。貸会議室など、最近はリーズナブルに借りることができます。
オフラインの場合なら、画面共有のできる音声チャットツールが望ましいです。Zoomとか、Discordとか。発言のメモを画面共有しながら合評会を進められるように、メモを投影しながら話すとスムーズです。
私がオンラインで合評会の進行をする際によく利用しているメモツールを1つ紹介します。
マインドマップを作成することができるフリーソフト「XMind」です。
合評会の際には、トピック(登場人物、構成、場面などなど……)ごとに枝を伸ばしてメモを取ることができ、議論を整理しやすいです。
いつやる?(When)
いつでもいいです。実施ハードルは下げていきましょう。
どうやってやる?(How)
恐らくここが一番重要なので、最後に章を設けました。
合評会実施にあたっては、ステップを下記3つの分けるとよいと思います。
①書いた小説を読んでもらう。
合評会に参加してもらう人に、書いた小説を読んでもらいましょう。
まずは最後まで書き切ったものを他人に読んでもらうというステップまで達成できれば万々歳です。お疲れさまでした。
②読んだ人は事前に感想をまとめる。
読んでほしい小説を渡された合評会出席者は、小説を読んでみましょう。
これが面白いかもしれませんし、つんつるてんかもしれません。
何がオモシロかったのか、何がつまらなかったのかをできる範囲で言語化して感想をまとめます。
このとき、いくつかのトピックにまとめると感想を書きやすいです。
一例を紹介します。
必ずしも網羅性がある訳ではありませんが、当てはまる観点がない感想がある場合には「その他」に書いておくとよいでしょう。
③実際に合評会に参加してみる。
開催の際には、1人が進行役を担うのがよいです。
進行役は、議論の整理や、他の参加者に発言を促すことを行います。
おおむね、事前にまとめてきた感想を発表していくフェーズ(その作品を読んで自分はどう感じたか)と、それをもとにフリーディスカッションしていくフェーズ(その作品はどうすればもっと面白くなるだろうか)の、計2ステップに分けて話すと収まりがよいです。
作品の評価としては、よい点と悪い点を素直に伝えることが重要です。
進行役も含め発言者は、いくつかのことに注意すると円滑に進みます。
常識的なコミュニケーションを行えば、おおよそ問題ないかと思います。
一例として、下記を紹介します。
おわりに
今回は合評会という形式に絞って小説の修正手段についてお話しましたが、小説の修正をする際、合評会だけが唯一の手段ということは全くありません。
本記事を通して「合評会を実施してみたい」という場合に、いくつかの知見を提供することができたのなら幸いです。
以上
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