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合格した年の司法試験の記録


■はじめに

今回は、合格した年の司法試験の前日から最終日までの全日程における自分の備忘録をまとめたものを編集し直して載せたいと思います。

参考になることはあんまりないかと思いますが、リアルな記録をお伝えしたいと思います!

※ちなみに、試験の科目ごとの手応えなど内容面については今回は書いていません!




【司法試験前日】


緊張で寝付きも悪く、夜中に何度も目が覚めてしまいました。体力温存の為に昼前くらいまで細切れで寝て、最低限の勉強をしてからパッキングしてホテルに前乗りしました。
宿泊したホテルは、試験会場から徒歩10分弱のところです。
私が受験した時の会場はTOC有明だったので、有明周辺はホテルの選択肢がすごくたくさんあるというわけではなく、TOC有明の目の前のホテルに泊まる受験生が多かったと思いますが、私は一番近いホテルはあえて避けました。

ホテルに着いて、最低限の買い出しをしたり、周辺を少し散策してから勉強を開始。


緊張して気が重くて、「あぁまたあの地獄の日々が始まってしまう」という気持ちでした。
今年は「これまでやってきたことをちゃんと答案に示せるかな、ちゃんと書けるかな」という不安が大きかったです。
0時過ぎには布団に入りましたが緊張して寝つきが悪く、夜中に何度も目が覚めました。



◎補足

自宅からホテルまでの移動で、スーツケースを引いて外を歩くと単純に腕に負担がかかるし、(コロナ禍だったので)周りの目が痛いし、知らない人に「このコロナ禍で旅行に行くのか!」などと急に怒鳴られるという話も聞いたことがあったのでスーツケースを配送するかどうか悩みました。

パッキングした結果そんなに大きな荷物にならなかったのと、怒鳴られても怒鳴り返してやらぁ🔥という精神状態だったのと😅、配送するとなると数日前から前もってパッキングする必要があって面倒だったので自分で荷物を運びました。
けど結局腕が疲れたし、受験生の中には知らない人に怒鳴られた人もいたみたいなので(当時Twitter情報)、そこらへんのリスクを考えると送った方が良いのかもしれません。

ホテルは5泊素泊まりで2万でした。コロナの影響なのかだいぶ安くなってました。(今はインバウンドで高くなっている・・・?)
ホテルの部屋にあるデスクは大きくはないものの十分使えました。フロントからデスクライトをお借りしたので、手元が暗いということはなかったです。
模試の際にホテルに泊まって部屋の様子をなんとなく知っておくことや、デスクライトが借りられるかどうかなど、事前に調べておくことが有益かもしれません。




【1日目】


夜中に何度も目が覚めたおかげで、身体はあまり休まりませんでした。

「これが司法試験…」と思うと、プレッシャーで押し潰されそうだったので「模試だと思えばいい」と自分に言い聞かせながら天井を見つめていたことがとても印象に残っています。

これまでの試験では試験時間の合間に必死に知識で不安な部分を確認するばかりでしたが、これまで書いた添削済みの答案や、答案を書く際に最低限気をつけることについて自分でまとめたメモを眺めたりして、「どうしたら答案に示せるか」を考えていました。

試験が1科目ごとに終わっていくにつれ内容はさておき、「時間内に答案を書き切ること」「ある程度の枚数を書くこと」は最低限できていたので、「この調子…」と自分に言い聞かせて気持ちを落ち着かせていきました。

試験終了後は、初日なので体力的な部分で飛ばしすぎない、無理しすぎないということを心がけて、やるべきことを最低限に絞ってしっかり寝ました。
前々日からの寝不足や、試験の疲れもありすんなり就寝。夜中に何度も起きるということもなく、6時間くらいは寝られました。これでかなり回復したしエネルギーになりました💪🏻




【2日目】



科目も多く、民事系はどうしても苦手意識があり、そして体力的な部分でも不安を感じる日でした。
民事系は知識は詰め込めるだけ詰め込んだ感じだったので、この日は特に「時間配分」「わからないor難しい問題へのアプローチ」「問いに気づけるか」に不安を感じていました。


試験終了後には、明らかにマズイ!致命傷!と思う失敗をここまででしてきてない(と思っている)という安心感がありました。

安心感といっても、「出来た!」という内容面でのものではなく、「決定的な明らかな失敗をしていないはず…」という形式的なものです。具体的には、個人的な考えですが、明らかな枚数不足、明らかな途中答案、答えていない問いがあるというような感じです。
そのため、少し緊張感がほぐれてきて「残りの科目もこの調子で頑張ろう!」とやっと前向きになれました。


ホテルに戻り勉強をしている時にこれまで頑張ってきたことを振り返って、「司法試験を目指してから、なんで自分なんかが司法試験を目指してしまったのだろうと、ずっと後悔してきたけど、今見ている景色や感じている緊張感や不安、応援してくれる人たちに対する感謝などの色んな気持ちは頑張ってきたからこそのものだよなぁ」と感慨にふけったりするほど前向きな気持ちでした。


そして何より翌日が中日という安心感がありました。日頃の勉強で私は朝早く起きられない分、27時くらいまで勉強していることもあったので、この日もそれくらいまでダラダラ勉強してから寝ました。いつも通りな勉強ができてとてもリラックスできました。
睡眠時間は7時間ほどでした。





【中日】


10時ごろ起床。そこからテレビみたり身の回りのことをしながらダラダラのんびりしていました。緊張をほぐすためにあえてのんびりしました。

お昼をテイクアウトして食べて、13時前くらいから勉強開始。
まずは短答→夜にかけて刑事系の規範確認、という流れでした。なんやかんやで、規範確認するのに1科目3時間くらいかかりました。
中日ということで精神的な余裕があったのか、落ち着いて勉強できました。

しかし日が暮れたあたりから再び緊張感や気の重さが復活し、前向きだった気持ちが嘘みたいなほどのネガティブモードに突入。
「あと2日で終わる」という喜びよりも「あと2日で終わってしまう…このままで大丈夫なのか…。短答足切りになったらどうしよう。総合点は足切りを越えても科目足切りになったらどうしよう。」などと、根拠のない不安が大きくなり精神的に落ち込んでいました。

心配して電話してきてくれる家族の言動に苛立ち、思い切り八つ当たりしました🔥
改めて、4日間の試験という長い戦いにおける自分の気持ちのコントロールの難しさを痛感し、本当に司法試験は自分の精神面との戦いだと実感しました。
睡眠時間はおそらく5〜6時間ほどでした。



【3日目】


ネガティヴモードのまま、3日目に突入。刑事系に関しては今回の受験勉強でわりと調子が良かったので、「いつも通りの答案が書けるか」がとても不安でした。


試験は15時前に終わるので少し気持ちが楽でした。

そして試験後は短答の知識を一元化したテキストを眺めながら、TKCの過去問トレーニングをして頭がアウトプットに慣れるように訓練。

論文試験で内容はさておき、それなりの量を書いてきていたので「あれらが採点されなかったら…」という短答落ちへの不安が大きかったです。短答の勉強はわりと時間をかけてきたと思うのと、TKC模試の点数やこれまでの受験の経験から総合点の足切りや科目足切りになる可能性は客観的に高くはなかったと思います。
しかし、「これだけやって短答落ちだったらどうしよう。1科目がなぜかしくじって科目の足切り以下だったらどうしよう」など、根拠のない不安に襲われていました。


27時くらいまで短答3科目を回して、そこから3時間ほど寝ました。試験時間も短いし、何より試験最終日なので少し無理して睡眠時間を削りました。




【4日目】


緊張とプレッシャーのあまり、朝飲んだ水をホテルで吐き戻してしまいました。
何回司法試験を受けて何回短答を通過していても、「これまで書いてきた論文が採点されないかもしれない」というプレッシャーは耐え難いほどに苦しかったです。

試験期間中は、1日を通じておにぎり2〜3個くらいしか食べないのですが、最終日は朝起きてから試験が終わるまで何にも喉を通りませんでした。

朝、試験会場に向かう前にチェックアウト。
やっとこのホテルから出られる…という解放感だけはありました。チェックアウト後にホテルにスーツケースを預けて、会場に向かいました。


短答は科目ごとに毎年難易度が違うと個人的に思っているので、科目ごとに一喜一憂してしまいました。
「あと○時間後には試験が終わってる」と思うとこれまでは解放されたい気持ちが大きかったのですが、今年は不合格の嫌な記憶がよみがえったりして「終わって欲しくない…」という気持ちが大きかったです。

終わってからも、「短答大丈夫だったかなぁ…」と不安になってしまい、あまり解放感はなかったです。家族に車で迎えにきてもらい帰宅。帰宅後、5ちゃんねるの解答予想をなんとなく見て、「科目足切りではなさそう」と思った時にやっと少し解放感が出てきました。
あの短答が大丈夫だったかどうかの不安と緊張感からくる胃の気持ち悪さは何度経験しても変わらず辛いです…




【おわりに】


司法試験にあたり、早寝早起きをし、食事の時間・内容を試験当日と同じものにし、試験時間に合わせて起案をすることで頭が冴えるように訓練をする、などなど司法試験当日に最高のパフォーマンスができるように、準備をする方もいると思います。そのような入念な準備は適切だと思うし、必要なことだと思います。

ただ私は司法試験の間は、あんまり食事を取らないし、最低限頭が働くようにおにぎりだけを食べてコーヒーで目を覚ますという身体にはあまり良くない状態で全日程を乗り切ります。

私は司法試験当日はアドレナリンが出まくっているのか、睡眠時間が少なくても、普段から早起きしなくても試験時間にはきちんと頭が冴えるし、少ない食事でも乗り切れてしまいます。

そのことは複数回受験の経験からわかっていたので、今回も事前に規則正しい生活を特別心がけたりはしませんでした。

こんなに規則正しい生活をしていない人でも合格するんだなということが一つの体験談として書いておきたいと思い、リアルな記録を書きました。


司法試験、もうすぐですね。
体調に気をつけて万全の状態で当日を迎え、最後まで走りきれますように。



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