見出し画像

リュックサックがないことに気づく旅行前夜

旅の準備をするのが年々遅くなっている。中学校のころは近くのイオンに行くのにも気張って準備をしていたものだが、県境を越え一泊する旅行でも前日の夜に準備を始めるようになってしまった28歳。
子供のころよりは財布に余裕ができ、現地調達の発想ができるようになったので、そんなものかと思うが、前日になってそんな…と思うこともある。
今回はリュックサックがなかった。使おうと思っていたリュックサックは姉の手によって非常時用の持ち出しリュックに変わっていたのだった。
非常時用グッズをたらふく抱え、仕事を全うしているリュックから全ての品物を出すのはすこぶる面倒なので、トートバックで旅に出ることにした。
荷物が増えることはあっても減ることはない旅行。手ぶらになれるリュックサックは重宝していたが、たまにはトートバックひとつでひらりと身軽に旅に出るのもいいだろう。


ひらりと身軽になる為に、ウルトラライトダウンで軽量防寒対策し、明日は午後からの旅だから着替えは下着だけにして翌日も同じ服を着て荷物を減らそう、と順調な軽量旅行を計画していたが、iPadを持って行ったら何か書くかもしれないという何度「そういうものは持っていっても何もせずに持って帰ってくるだけ」という経験をしてもめげない「かもしれない」思考により、旅行カバンは重量を増した。
下着を現在2セットを毎日着まわしているのだが、1泊2日の旅に出ようとすると着まわせないことに気づいた。2軍の下着と1軍の下着のくみ合わせを余儀なくされ、気分が若干上がらない。

持ち物の準備に飽きたら、先のばしにしてきた明日の予定について確認する。かろうじて予約していたホテルの場所、行きたい場所の最寄りの駅や経路、時間を調べる。絶対に行く、ということは心に決めているが、この時間はいつも面倒臭い。Yahoo!の乗換案内とGoogleマップを作ってくれた人たちに感謝する。でも、面倒だ。とりあえず行けそうだとわかったらどうせバスの時間も所要時間も路線の名前もホームの番号も覚えていられないのでスッとアプリを閉じる。
旅行で分刻みのスケジュール表を作る人はすごい。
持ち物の準備を再開する。手元にあるこのICカード乗車券、果たして残高はいくらなのか。わかっていれば安心するけどわからなくてもどうってことない(どうしようもない)。


今の私は行くところだけ決まっていて、そのほかは何にも決まっていないのだ。財布とスマホを持ってそこに行ければあとは何でも許す。もう準備に飽きた。朝の自分に幾分かの準備を託す。
さあさ、早く寝なくちゃならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?