南山宏氏について聞いている事

 南山宏というと、現在の活躍の場は『ムー』である。「『ムー』の南山さん」で大体通じる。SFマガジンの編集長でもあった。

 以前南山氏がゲストで出演したイベントがあり、そこでの話が印象に残っているので、忘れないうちにメモしておく。記憶違いもあるかも知れないが。

 南山氏のペンネームは出身の小学校から取ったもので、本名は編集者として使っているので別の名前をという事らしい。

 南山氏は子供の頃から海野十三の作品などが好きで、将来は(いわゆる)SF漫画家になりたかったそうだ。なりたかっただけでなく、当時、漫画家への登竜門であった雑誌『漫画少年』(学童社)への投稿も行っていた。作品が載ったのは一度あり、「何度も載っている『小野寺』という人はすごい」と思っていたそうだ。
(後に編集者となった後で小野寺(石ノ森)章太郎や藤子不二雄をイラストで起用するが、この投稿時期との関連は不明)

 その後、柴野拓美氏ら(他に星新一氏や斎藤守弘氏などがいた)が「SFの会」をやっていると聞きつけ、まぜてもらいに行った所、「うちはもともと空飛ぶ円盤の会で……」と言われたそうだ(日本最初のSF同人誌『宇宙塵』は「日本空飛ぶ円盤研究会」の同志から始まった)。南山氏は「空飛ぶ円盤」自体は既に知っていたとの事だったが、いわゆる「UFO界隈」より先にSFの世界と接触した事になる。

 その後早川書房に入社するが、福島正美編集長から「給料が安いだろう」と少年雑誌(『少年キング』、『少年マガジン』、『少年サンデー』等)の特集記事の仕事を紹介される。これはSFについての紹介だけでなく、UFOの記事もあり、現在よく知られている南山氏の仕事の始まりである。
(この事と児童向けSF翻訳との繋がりは聞きそびれた)

 子供向けなのに容赦しない内容のUFO本である『世界の円盤ミステリー』(志水一夫氏いわく「子供向けUFO本の旧約聖書」)は「(雑誌以外に手掛けた)2冊目の本」との事であった。

 あとは全くの個人的感想。UFO以外に『謎のバミューダ海域』などの翻訳も手掛けている南山氏だが、マイク・ダッシュ著『ボーダーランド』やジョン・A・キール著『プロフェシー』は「いつもの南山さん」とちょっと違った感じが楽しめるのでおすすめである。

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