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セダン雑談

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世界の普通の乗用車について適当に語ります。
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2023年11月の記事一覧

幻の三輪乗用車

 戦後の日本では、シトロエン2CVまでタクシーに使用されたという。当時の悪路を思えば、踏破性の高い2CVは納得できる部分があるが、耐久性は今ひとつだったらしい。

 その一方、当時やたら幅を効かせていたオート三輪を、タクシーに使用するというのも行われていた。まだバーハンドルの時代である。
 ダイハツ、マツダ、ジャイアント、オリエント、みずしま、アキツ、サンカー、その多くは運転席側面はオープンで、後

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ガードマンのクルマ?

 多分親戚のおじさんが買ってくれたんだと思うが、うちに1台のミニカーがあって、トミカより少し大きいくらいのサイズだった。多分日本車である。トヨタの(クジラ)クラウンか、日産(230)セドリック辺りだったんじゃなかろうか。

 うちの母はこれを「ガードマンの車」と呼んでいた

 多分勘のいい方はすぐにピンときただろうし、脳内にテーマ曲が流れている方もおられるだろうが、ここで言うガードマンは単なる警備

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キザシに至る道

 昭和の、自分たちよりだいぶ上の世代とか、あるいは近い世代でもヤンキー気質だったりする人には「セダン信仰」がある。ヤンキー気質の人はだいぶミニバンに移ったが。
 2ボックスの軽自動車やライトバン等は「格下」で、3ボックスセダンの方が良いという信仰である。

 例えば、「こち亀」で大原部長がセダンを買う話にそれが現れている。

 セダンであればカローラやサニーでも良い、しかし職業上の理由で3ボックス

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流浪するMG

 今となっては「MGってどこの自動車メーカーですか?」と言われる時代になってしまった。

 自分が名前を知っている人、それも昔は能力のあった人が、辺境に飛ばされた気分である。

 とは言え、自分もやっぱりMGの全盛期は知らない世代だ。家の近所に最後期のMGミジェットが2台いたのは覚えている。

 このMGはスポーツカーで知られた英国のブランドだった。ジャガーより格付けは下か。

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10万ルピーのクルマ

 絵でも小説でも、「お手本」を真似ろというのはよく聞く。正解かどうかは分からない。

 ロイトだのゴッゴモビルだのというドイツのかわいいクルマを知っている。というのは日本の自動車オタクとしてさほど変ではない。これらは「てんとう虫の走った日」というスバル360開発に関わる本に出てくるし、日本の軽自動車、小型自動車の歴史を調べようとすると、当然出てくるメーカーだからである。

 ロイトは1955年に発

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マッチのマーチとセダンの話

 日産からスポーティーなスタイルでデビューした「マッチのマーチ」はそれ自体はセダンではない。
 重要なのはモータースポーツでも活躍したこのクルマが、続々とデビューしたパイクカーのベースでもあった事だ。

 一般の人には「単におしゃれなクルマ」に映ったパイクカーは、旧車オタク的に見れば、当時人気が出ていた外国車、旧ミニやルノーキャトル、シトロエン2CV等を都合よく乗り回せるように解釈しなおした存在に

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ボロクソワーゲンの事

 その昔、日本の私鉄ではドイツのコッペル製の蒸気機関車がやたら使われていて、イヌのク◯とか呼ばれていたそうだ。

 自分達が小学生だった1977年頃には「ボロクソワーゲン」という言葉があった。

 これは自動車メーカーの名前をひねった(ひねってないともいう)言葉で、そのメーカー全般ではなく、あるクルマに対して使われた。

 それはタイプ1、すなわち(初代)ビートルである。
 既に後継車種である初代

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フォード・コンサルとかアングリアとか

 ここで、あまり好きでないクルマばかり書いていると思われてしまうのも困るので、「好き」な方のクルマについても書いてみたいと思う。

 まず戦後の英国フォードで生産されたフォード・コンサルである。

 画像はCLASSIX製ミニカー。ややマイナーな車種を色々出しているらしい。

 実車は1951年から生産された1500ccの小型車で、モノコックボディ、3ボックス。フェンダーの出っ張らないすっきりした

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