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泊まれる展望台。那須の絶景オフグリッドグランピングサイト-Miwatas Nasu-

モノクロームの屋根一体型太陽光パネル、Roof-1を設置している施設や住居に訪問し、太陽光発電が支える人々や彼らの営みにクローズアップ。
訪問先第3弾は昭和天皇の御用邸が建てられ、避暑地として人気の那須にあるグランピングサイトMiwatas Nasuプロジェクト詳細)※。展望台を有効活用した、絶景を独り占めできる1日1組限定の宿泊施設だ。

元々建築要件が厳しい展望台に、太陽光発電する屋根”Roof-1”搭載のトレーラーハウスを設置してバリューアップしたこの施設では、トレーラーハウスとは思えないラグジュアリーなステイを堪能できる。

宿泊施設の”居住空間”は、月面の有人居住拠点への応用を目指し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立極地研究所との共同研究として、地球上で最も過酷な環境下の南極で実証実験を行った、南極移動基地ユニットから着想を得て開発されたミサワホームの”ムーブコア”に、モノクロームの屋根一体型太陽光パネルRoof-1が屋根として設置された特別仕様だ。ミサワホームの快適な家がそのままコンパクトサイズに、断熱性能も抜群。さすが南極での使用実績が証明するその性能は確かで、標高1000mの那須高原でも、陽のある日中は暖房なしでも快適に過ごせるそうだ。

施設内部をご紹介。2台のトレーラーハウスを連結することで、合計床面積26m2と余裕のある空間。1台がダイニングキッチン、2台目にシャワー・トイレ・フリースペースがある。

調理に必要な家電機器が整っている、車両連結のドアから2つの部屋を行き来できる。

どちらの部屋にも景色を切り取るように大きく窓が設置されている。窓ガラスには断熱性能の高いペアガラスを採用。4月でも外気温1度になることもある那須高原でも、快適に過ごせる。

リビングスペースからも絶景

ウッドデッキにはグランピングの醍醐味、バーベキューコンロがあり、グリル料理を楽しむことができる。トレーラーハウスでできた檜香るサウナも併設。ウッドデッキにはジャグジーがあり、サウナで一汗かいた後に水風呂にして楽しむも良し、露天風呂を楽しむも良し。


サウナや温泉で整った後は、電線に遮られることのない美しい夕空を眺めながらゆっくりするのも贅沢なひとときになるだろうと想像できる。


今回特別に開発担当のLIFULL Financial中嶋様にお話を伺わせていただきました。

ーなぜこの地にオフグリッドグランピングサイトを作ることになったのですか?
「厳しい法規制やインフラの制限で、美しい眺望などのポテンシャルが高いにも関わらず有効活用できない遊休地が存在しています。そこに車両扱いのトレーラーハウスを活用し、オフグリッドの宿泊施設を設置できたら、これまで眠っていた土地にバリューを与えることができます。Miwatas Nasuは将来的に完全オフグリッドの施設の実用化へ向けた実証実験をするためのプロジェクトで、そのまず第一歩として、電力のオフグリッド化のために太陽光発電設備にRoof–1を採用しました。」

屋根一体型太陽光パネルRoof-1が屋根として施工されている。写真右端には衛生通信のStarlink

ーRoof-1を採用して良かった点はありますか?
「元々考えていた普通の架台式の太陽光パネルだと2台で2.8kwまでしか載らなかったのですが、Roof-1は屋根の端から端までを太陽光セル入りにすることができ、2台で3.4kwも載せることができました。限られたスペースで少しでも高い電力自給率するための発電量を上げることができたのがRoof–1の魅力です。」
通常は1台のトレーラーハウスで発電した電力はそのトレーラーハウス内でしか使用できないケースが多いが、本件は2台連結し、2台で発電した電力を両方のトレーラーハウスで使用できるため、より効率よく自家消費ができるようになっている。

ー電力自給率はいかがですか?

「基本天気がいい日はエアコンを使いすぎなければほぼ自給率100%できる計算になっています。電力消費を大きく占めがちなのは空調設備ですが、ムーブコアはミサワホームの戸建用の住宅性能そのままの高い断熱性を備えていることもあり、日中はほぼエアコンなしで快適に過ごせる日もあります。。現在は実証実験中につきバックアップとして電線に繋いでありますが、V2Hや蓄電池も設置しており、停電時やいざという時は蓄電池の電力はもちろん、電気自動車から給電することが可能です。」

Miwatas Nasuに設置された屋根一体型太陽光パネルRoof-1越しの那須高原

ー完全オフグリッド化に向けての展望をお聞かせください
「今後閉鎖された元スキー場のゲレンデの頂上にオフグリッド施設を作るなどの構想をもっています。そこにはバックアップにできるインフラは存在しないため、より大きな発電量を確保するため、太陽光パネルを壁面に設置することも検討したいです。また水の供給と循環についてもオフグリッド化するために株式会社WOTAと連携中です。さらに、そういった場所には飲食店やコンビニなどもないため、ドローンで飲食物を配送するなどの実証実験も視野に入れています。」

なんとも近未来的でワクワクするプロジェクト。Miwatas Nasu周辺一帯は那須ハイランドリゾートが所有する私有地となっており、建築に規制のある別荘地や遊休地でのラグジュアリー施設へのバリューアップだけではなく、インフラのない災害時でも使用できるトレーラーハウスの実用化にむけた実証実験をするためには最適な場所だという。まるでSF映画のような暮らしが那須で当たり前になる日が近いかもしれない。



Miwatas NASU
栃木県那須郡那須町大字高久乙字遅山1865番749
那須ハイランド展望台内
HP:https://stay.lifull.jp/pages/miwatasnasu
Instagram:@lifull.stay


モノクロームについて
モノクロームは、創業者の梅田優祐が自宅を建設する際に、理想の住宅用太陽光パネルと、つくられた自然エネルギーを効果的に制御するためのソフトウェア(HEMS)が存在しない問題に直面したことをきっかけに、その問題を解決するため2021年7月に設立された会社です。

HP: https://www.monochrome.so/
Instagram:@monochrome.so
X(Twitter):@monochrome.so

屋根一体型太陽光パネルRoof-1についてもっと知りたい方はこちら


Text&Edit:Miko Okamura Ellies
Photo&Video:Christopher Ellies



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