見出し画像

6.結論~現代語訳「金」by紋之助

(記事を始めから通しで読みたい方は、こちらからどうぞ)


6.結論

ああ、金!金!金!
洋の東西を問わず、時の古今を問わず、
金のせいで親も子も兄弟の縁もたちまち切れて
他人よりも疎遠になり、
金のせいで可憐な少女も哀れ鬼の餌食となり、
金のせいでさすがの英雄豪傑もついに夜逃げの悲劇を演じる。
この金のために身を売り、信念を曲げる者の多さ、
ああ何ぞ枚挙にいとまがないことか。
この世の中にある自然な情景については
諸君もきっと深い興味を持つに違いない。
これらの金から生じる社会上の出来事については、
別の機会に原稿を改め、見せる機会があるだろう。
ご了解いただけると幸いである。

この小冊子はもとより読む価値がある。
この中に一片の真理が存在するところを味わってもらいたい。
そうすればいささかも補足は不要である。

謹んで読者に感謝する。
私は金についてはもっと言いたいことが多くある。
しかし多忙であることがこれを許さず、
ここに筆を置くことを遺憾に思う。
諸君においては、悪しからずお許し願いたい。


-------------------------------
訳者解説:
さて、牧野元次郎著「金」はこれで終わりです。
短い冊子でしたが、ひととおり読まれた感想はいかがでしたでしょうか。
お金に関してはだれでも興味があるでしょう。
この著書の内容に関して「おもしろいな」と思ったり
「これはいかがなものだろう?」などの
ご意見があれば、コメント入力をよろしくお願いします。

最初の1ページ目から読んでいない方は、
目次ページマガジンから入っていただき、
通しでお読みいただくことを強くお勧めします。
きっと、これからの人生において
何かしらの良い教訓を得ることができるでしょう。

-------------------------------
「金」とは・・・
「金」とは、明治時代後期、現在のりそな銀行の前身である
不動貯金銀行を興した銀行家、牧野元次郎が著した本です。
およそ120年くらい前の書物です。
本書は、要するに、簡単に言えば
お金持ちになるためのノウハウが書かれているのですが、
驚くべきことに、その秘儀・秘訣は、
昔の今もほとんど何も変わっていないのです。

繰り返しますが、この本に書かれている内容は
現代でも十分に通用する内容です。
十分に読む価値がある本です。
-------------------------------



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?