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コネなし、カネなし、知名度なしの地方零細ものづくり企業の海外展開のススメ①

こんにちは、門間屋の門間です。note第2回目となる今回はコネもカネも知名度も無い、無い無い尽くしの弊社のような地方の小さなものづくり企業が、海外展開をするにあたってのステップを弊社の経験を踏まえて簡単にまとめさせていただきます。

■まずは情報収集

ネットで調べたり、本を読んだりするのも大切ですが、それ以上に実際にやっている人の話を聞くのが一番手っ取り早いです。なので、僕の場合はジェトロをはじめ中小機構や産業振興財団等様々な団体が開催している海外展開関連の無料セミナーには片っ端から参加しました。もちろん、内容的に被っていたり、自社の製品特性を考えるとあまり役に立たなかったりと言った事はたくさんありましたが、そんなことは当たり前なので気にせずとにかく出まくり、リアルな話を聞き、解らない事や疑問に思う事があれば必ず質問しました。そして、今後はオンラインセミナーも増えるので難しいかもしれませんが、終了後には必ず講師の方やパネラーの方々と名刺交換をし、門間屋の商品についての意見をもらうようにしました。実は、これがかなり重要で、商品によっては(特に軽くて小さくて商品単価が安い物は)、その場で商談が成立することすらあり得ます。弊社の製品の場合は大きくて重くて高いので大体は「それは苦労するよ」と言う感じの残念なご意見を賜っておりましたが(笑)

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■自社製品のモニタリング

ある程度情報収集が済んだら、次は自社商品に対する海外バイヤーの反応がどんなものかをモニタリングしてみます。代表的な場が、これまた、今後は開催頻度や来場者数が激減する可能性大ですが、国内外で行われている国際見本市です。これに関しても一度だけではあまり解らないので、最低でも2~3回は参加することをおススメします。なので、極力お金を欠けずに参加できる方法を探すことが重要になります。そんなのあるのかよ、と思われるかもしれませんが実は結構あるのです。もちろん全て無料とは言うのは中々難しいかもせれませんが、かなりリーズナブルに参加できる方法はあります。代表的なのは、先述の無料セミナーを開催している団体等が団体としてブースを設け参加する見本市です。ただし、その場合は、その団体が集めた複数企業の合同ブースとなるので、1コーナーもしくは数アイテムだけ展示してもらうという参加形態にはなります。それ以外のお金をかけずに参加する方法としては補助金の活用になります。補助金の場合は全額負担と言うのはほとんどないので1/3又は1/2は自己負担することになりますが、こちらの場合は、単独参加になりますので自社製品のPRと言った意味ではかなりのPRになります。ただ、単独参加に関しては、まずは見本市がどんな場で何をしなくてはいけないか等を学んだ上でのないと、フル活用できないので、合同ブースを経験してからのチャレンジをおススメしております。そして、もちろんどんな形であれ、参加したからには、毎回自分のブースだけではなく他社のブース等も可能な限り見て回りどんな製品が人気があるのか等を徹底的にリサーチして回ることも欠かせません。

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■バイヤーとの商談

見本市への参加目的は、モニタリングもありますが、一番の参加目的はやはり、その後の販路開拓です。そのために必要なのは、当たり前ではありますがバイヤーとの商談です。バイヤーは大きく分けて次の4パターンになります。①日本人バイヤー、②日本語のできる外国人バイヤー、③通訳を伴う外国人バイヤー、④日本語のできない単独外国人バイヤーです。日本国内開催の場合は④はあまり多くありませんが、海外の場合はほとんどが④です。なので、海外の見本市に挑戦する方で英語が苦手な方は通訳の手配も必要になります。ただし、合同ブースの場合は団体側がブース全体に通訳を何名か手配してくれるので基本的にはそれをあてにしても問題ないでしょう。
実際の商談は、名刺交換をしてその場でそのまま立って行うことがほとんどです。と言うのもバイヤーも限られた時間の中でいかに売れそうなものを探し出すかが問われているのであちら側も必死です。だからこそ、双方にとって有意義な商談とするためにもプレゼンの練習やPR資料等の事前準備は欠かせません。特に、PR資料は後からじっくり見られる可能性が高いので必要な情報が載っているだけでなく、見た目のおしゃれさや紙質等もキチンとしたものにしておくこともバイヤーに選ばれる上では重要なポイントです。

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■その後のフォローと引き際

見本市終了後に真っ先にすべきことは、名刺交換した名刺の整理とアプローチすべき対象の優先順位付けです。お金も時間も限られているので、その優先順位に応じて、その後のフォローの仕方もメールだけにするのか、電話もするのか、もしくは訪問までするのか、そして、サンプルを無償提供するのか等だいぶ変わってくるのでかなり重要になります。優先順位を付ける上での見るべきポイントは、各社の販売形態と自社商品との相性です。販売形態に関しては、自社店舗又は百貨店での販売の他、卸、カタログ通販、ECサイト等実は色々とありますが、自社商品にとってどの販売形態がベストかを判断します。そして、自社商品との相性に関しては、各社のHPやECサイト等を見てその会社の取扱商品と想定される客層から自分なりに見極めます。ただし、これは飽くまでもこちらの主観ベースなので、商談が成立するかは全く別問題のため過度の期待をしないように気を付けましょう。もちろん、名刺交換してくれている以上、ある程度興味はあるはずですが、相手にとっては飽くまでone of themであると考えて期待しすぎずにアプローチするに越したことはありません。と言うのも、製品にもよりますが大抵がこちらの思惑通りにはならないからです。
そこで重要になるのが見極めポイントつまりは商談の引き際です。これは、優先順位を付ける段階である程度決めておくとダラダラと引きずらなくて済むのでオススメです。逆に、ここをキチンと決めておかないと無駄な時間を投資することにもなるので、結果的に優先順位はともかくとして決まるはずの他の商談も決まらなくなります。こちらの主観的な優先順位はどうあれ最終的には取り扱ってもらえるかどうか、つまりはエンドユーザーの目に触れるかどうかが、今後の自社商品の可能性を図る上では必要条件なのでその点を強く意識しましょう。
ある程度フォローが進んでくるとフォローすべき対象がなくなってきている事に気が付くと思いますが、商材にもよりますが、それが普通ですので気にしないでください。そうなった場合は、今後継続的にフォローする会社を決めて定期的にメール等でアプローチし続けましょう。バイヤー側も常に何か面白い商品を探しているので運よくタイミングが合う事もチョイチョイ有ります。

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■終わりに

色々と書きましたが結局のところ、運と縁、つまりは巡りあわせによるところはかなりあります。なので、諦めずにしつこくやり続けることで、ヒット率は確実にアップします。ただ、あまりしつこすぎると嫌われてしまい、肝心な時にお声がけいただけなくなってしまうので、付かず離れず適度な距離感で新商品や展示会出展情報等を提供し続け、忘れられないようにするのがポイントです。特に今後は、オンラインでの商談やプレゼン等も確実に増えてくるので、非対面のコミュニケーションの巧拙はかなり重要になります。もっと言うと、いかに早くその環境変化に対応するかで商談の成否すら変わってくると言っても過言ではないでしょう。そう言った意味では、弊社のような地方の零細企業にとっては、この変化はある意味チャンスと考えても良いではないかとも思っております。

次回以降で実際の輸出及び海外での販売に関しては書かせていただきます。





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