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誰か私に説教してください。

~皆さまは、苦手なことはありますか?~



誰しもが、得意なこと苦手なことって必ずあると思います。


当然、才色兼備な私ですら
苦手なこと
があります。







それは、説教です。


会社の上司として
どうしても、説教しなくてはいけない場面があります。


人に説教するという経験があまりない私にとって、本当に緊張する瞬間なのです。



そんな私が慣れない説教をしたばかりに
過去に大きな過ちを犯してしまったことがありますので

どうか皆さま、聞いていただけないでしょうか?










私は、2年前に初めて部下ができました。
イイヅカくん(仮)という子です。
第一印象は、元気な青年という感じでした。



しかし、日を追う事に
少し女性好きな部分が目立つようになってきました。


仕事中にも関わらず
女性をやたら口説こうとするのです。


さすがに私も、注意をします。

しかし、
なかなか、反省してくれませんでした。




ある日、他部署から
イイヅカくんに対するクレームが来たので
これはもうしっかり時間を作って
説教というものをしなくてはいけないなと思いました。







私は会社の小さな会議室を貸し切り
イイヅカくんを呼び出しました。

視覚的にもナメられないように
イイヅカくんには座ってもらい私は立ち
見下ろすような立ち位置を作りました。

私は、内心ドキドキ緊張しながらも
罪を憎んで人を憎まずの精神で叱りました。

彼が今後、反省して
迷惑をかけた人達を、笑顔にできるような男になってほしいという気持ちで
一生懸命叱りました。

すると、
私の想いが伝わったのか
珍しくイイヅカくんは、言い訳などもせず
ずっと一点だけを見つめて
黙って聞いていたのです。


良かった、しっかり伝わったんだと
私は嬉しい気持ちでいっぱいになりました。



そして、
生まれて始めて、説教が成功して
私はなんとも言えない爽快感に襲われたのです。






人に説教するのって、
こんなにも気持ちいいものなのか…


清々しい…



クセになりそうだ…



こんなにも気持ちいいなら
もっともっと、たくさん説教したいかも…








はっ!
いけません!いけません!

このままでは、パワハラ上司
まっしぐらではないですか!?


私の気持ちなど
どうでも良いのです。

彼が、しっかり反省して
2度と同じようなことをしなければ
それで良いのです。






そして、反省したイイヅカくん
なんとも言えない爽快感を持った私が会議室を出ます。

すると、出た先で
ばったり同僚に会いました。


同僚は私をまじまじと見て、
こんなことを言います。






















「お前、ズボンのチャック開いてるぞ。」










イヤアアアアアア!!


私は、なんということをしてしまったのでしょう。


末代までの恥です!!


ハレンチ大将軍です!!



私は、ずっと説教しながら
ズボンのチャックを開け、
イイヅカくんにパンツを
見せ続けていたのです。

しかも、その時のパンツは
旅行先で買った「おめで鯛」と書かれたパンツでした。




何もおめでたくありません。



なんとも言えない爽快感の正体は
ズボンから突き抜ける新鮮な風だったのです。


そして、イイヅカくんは
どういう気持ちで
どんなことを考えていたのか
わかりませんが説教中、
私のおめでたパンツを
ず~っと見続けていたのです。





それ以来、私とイイヅカくんは
狭い会議室でチャックを開けて
怪しいことをしていたではないかと
変な噂が流れるようになりました。

イイヅカくんも変な噂が流れ、
気まずくなったのか
女性にちょっかいをかけるのを
辞めるようになりました。





めでたしめでたし









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