見出し画像

山の中でオフグリッドな生活を行うアメリカの農家/Small Axe Farm

今日からオフグリッドな生活スタイルをしながら農業をしているアメリカの農家を紹介したいと思います。

決して原始的ではなく最先端の技術を取り入れて効率的なエネルギーの使い方を実践している農家さんなので色々と参考になるところも多いと思います。

ハイジとエヴァンという二人が立ち上げSmall Axe Farmは美しいバーモント州の北東部、具体的にはバーネットという田舎町に位置しています。

彼らは、土壌を一度耕した後は二度と反転させない不耕起栽培という方法を採用し、この方法は、土壌を守りながら栄養を最大限に引き出すという理念に基づいています。結果として、管理にかかる時間が大幅に削減され、潅水の量も減らすことができるため、非常に効率的な方法となっています。

農場は丘の中腹に位置しており、土壌を大きく乱すことなく農作物を育てることが重要であると彼らは語ります。また、ゾーン4の1エーカーの土地で、慣行農法と比較して少なく見積もって10倍の食料を生産していると確信しています。

農業の道を選んだきっかけは、20年以上前にアパートでの会話から始まりました。彼らは自分の人生で何をしたいのか、そして好きな仕事をしているのになぜ満足できないのかという問いから、農業への道を選びました。

彼らは農場を開くことを決心しましたが、それは容易な道ではありませんでした。しかし、農業が本当にやりたいことであると確信し、その道を歩き始めました。その決断から実際に野菜畑を始めるまでの道のりは長かったですが、それが彼らの旅の出発点でした。

お金を節約しそれから数年後には約7000ドルか8000ドルを貯めることができました。その資金を使って土地を探し始め、現在の土地を見つけました。丘の頂上に立ち、その素晴らしい景色を目の当たりにして、強烈なエネルギーを感じました。その時、目からは感動の涙が流れました。

土地を購入して最初の4年間、夏にここに住み、果樹を植え、庭を作り、小屋を建てました。また、年老いた馬のチームを手に入れ、初めての冬には彼らと一緒に伐採を始めました。彼らは自分たちの食べ物の大部分を自分たちで生産し、生活をしていました。

最初は電気も水道もなく、生活に必要なものと不要なものを学ぶために、必要最低限のものだけから始めました。そしてそれが彼らの生活のスタイルとなりました。これは彼らが選んだ生活であり、彼らはその選択を大切にしています。

農場は標高1500フィートの場所で、厳しい寒さの中で野菜を栽培しています。しかし南向きの斜面に位置しているため、少し暖かさが増し、野菜の栽培に適しています。

斜面での農業は、トラクターなどの車輪がある農機具がうまく機能しないという課題があります。そのため、作業は平地での農業よりも時間がかかることが多いですが、状況に適応し、生産性を確保する方法を見つけてきました。

また土壌侵食という問題に直面しています。畝間に表土が流れてしまうと、その後、その表土が再び畝に戻るようにする方法を採用しています。

生産される食品の大部分は、小売スーパーマーケットに直接卸売りされます。また、食品協同組合も重要な販売チャネルであり、2番目に大きな販売先となっています。ただし、新型コロナウイルスの影響により、レストランへの出荷量は今年大幅に減少しました。

第三の販売チャネルは顧客への直接販売です。彼らは最初、近所の2組のカップルから野菜ボックスの宅配を始めました。新型コロナウイルスの影響で、彼らは近所の集荷場所に配達するようになりました。その結果、より多くの宅配を行うようになりましたが、最終的にはほとんどが集荷場所に配達するスタイルになりました。

彼らは創業初期には賃金を払うことができなかったため、自己資金を使って事業を運営していました。しかし、時間とともに成功し、現在では3人のフルタイムの従業員を雇うことができるようになりました。また、彼らの息子とその友人たちが農場の手伝いをしており、これは彼らにとって素晴らしい初めての仕事経験となっています。

彼らの農場では、大きなマイクログリーン事業を一年中行っており、特に地元の食糧供給が少ない冬季には生産量を増やしています。地元で新鮮な野菜が手に入るという事実を人々に伝えることは、彼らにとって大きな喜びとなっています。

農場の運営は常に課題と共に存在します。特に、オフグリッド生活を続けることは大きな挑戦となっていますが、これは農場の魅力の大きな部分です。

日本でも中山間地では同じような問題があります。
何かヒントになれば幸いです。

ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?