「低音」を愛するヤツら。 〜コントラバスは吹奏楽に必要? - モニカの"五感"番外編
昨晩、「吹奏楽にコントラバスは必要か?」というテーマで、Twitterがプチ盛り上がりしたらしい。
ほう? なるほど? いったい今世紀何回目のムーヴなのやら。
「きのこvs.たけのこ」ばりに高頻度で多発している論争ではないですか?
あなたにとって必要か否か(あるいは「好き」か否か)
そういえば、私も高校時代は吹奏楽部でした。
中学は別の部活だったので、入部するタイミングでこれから何の楽器を演奏していくのかも決める必要があったわけです。
……それで? 私はコントラバスを選んだんでしょうか?
私は迷わず「サックス」を選びました。
もちろんアルトサックスです(バリトンサックスなわけがない、と全国のバリサク吹きに喧嘩を吹っかけていく)。
音色ヨシ、汎用性ヨシ、(楽器そのものも、プレイヤーが吹いている姿の)ビジュアルもヨシ。
演奏の適正とか向き不向きとか知らん。好きだから選んだ、ただそれだけだ。
「(ピアノ経験者なら)『リード楽器』より、リズム感が重要な打楽器パートに入れば?」と三度周囲には勧められたんですが、断固としてお断りしました。
私にとって、吹奏楽を始める=サックスを吹く、ぐらいには、当時のサックスへのこだわりは異様に強かったんです。
……その高校生活三年間で、私のサックスの演奏技術がきちんと身に付いたのかどうかは置いといて。
あらゆる音楽業界において、「その楽器が編成に必要か否か」、という問題ももちろん実際にあるわけですが、「その楽器が好きかどうか」という問題も、それぞれの楽器の需要とは大いに関係があると思うんです。
私が今、「鍵盤ハーモニカ」に夢中になっているように、世の中にはコントラバスをはじめとする「低音楽器・バス楽器」を心から愛する人もたくさんいるんです。
「『のだめカンタービレ』を読んでコントラバスを始めたんだ!」って言ってるプロのコントラバス奏者も少なくありません。
その楽器を愛するきっかけなんて、その楽器が必要とされる瞬間なんて、世の中にはゴロゴロ転がっているんです。
そんな深い愛情を持った演奏家および作曲家によって、楽器の「需要」は次第に形成されていくんです。
「低音デュオ」とかいう謎の需要
さて、コントラバスとかバスクラリネットとかバリトンサックスとかファゴットとかエレキベースとか、とにかく、何かしらの「低音楽器」を愛する皆さん。
「低音デュオ」をご存知ですか。
チューバ奏者+バリトン歌手の、二人組音楽ユニットです。
……ず、ず、ずいぶんマニアックな活動をしているヤツらだなあ。そう思ったあなた。とんでもないっすよ。
このお二人は今や、現代音楽の業界では決して欠かすことができない存在なんです。
動画は、武満徹に並ぶ代表的な日本の作曲家、湯浅譲二氏の作品。
「低音デュオ」は2006年に結成して以降、これまでに12回の定期公演を行っています。第12回目は昨年12月に開催されました。
そして、「低音デュオ」のこれまでの活動から、チューバとバリトンの二重奏の作品が、数多の現代音楽作曲家たちによって誕生したんです。
「低音楽器(低音域の歌手)」から、新たな需要を生み出そうとしている活動です。
需要は「作る」もの。流行は「乗りもの」
私、最近ついに「メロディオンバス」を購入しました。
「鍵盤ハーモニカ」にハマっている私ですが、鍵盤ハーモニカを使ったアンサンブルにおいて、低い音域が出る鍵盤ハーモニカが、この先いったいどれほど需要が出てくるのか、ひとりの作曲家として興味があります。
弦楽四重奏のチェロみたいに(あれ? コントラバスは?)、鍵盤ハーモニカ四重奏でバス音域の鍵盤ハーモニカを導入するのが当たり前になる時代は訪れるんでしょうか。
ていうか、私がメロディオンバスで楽譜を書けばいいじゃん。
誰かが書き始めれば、他の人もいずれ後に続きだすんだよ。たとえ吹奏楽の「夏コン」の課題曲からコントラバスが消えたって、誰かがコントラバスを編成に入れて曲を書き続ければ何の問題もないんですよ。
部活に居座り続けるんだ、コントラバスパート!
あなたの行動や発信によって、世界はほんのちょっぴり変化します。
需要は「乗る」もんじゃないんです。「作る」もんなんです。
……ただし、流行は「乗りもの」です。乗れるものには乗っておきましょう。
メロディオンバスや「低音デュオ」の話は、実はもう少し日が経ってから記事にしようと思っていたのですが、突然Twitterが盛り上がり始めたので急遽早めに書き上げました。
例の「コントラバスは吹奏楽に必要か?」という話題については、楽器の特性や吹奏楽という編成との噛み合わせなど、いろいろな視点によって違う答えが出てくると思いますので、今回はワタクシからは述べません。
また日を改めて。
以上、突発的なモニカの"耳"。
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雑談に構成も文脈もへったくれもないよ!
最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました!
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