見出し画像

カタール・3rd AFC Team Physiotherapist course 2020

2020年2月。カタールのドーハで開催された3rd AFC Team Physiotherapist course 2020に参加させてただきました(以下、PhysiotherapistをPTと称します)。どこまで公開していいのか確認は取っていないので、講習会の詳しい内容についてはあまり触れず、その概要やカタールの様子をご紹介していきます。



経緯

ご存じが無い方のためにも一応説明しますが、AFCというのはアジアサッカー連盟のことです。そのAFCがサッカー現場に従事するトレーナーやドクターを対象に、このような講習会を定期的に実施しているようです。

2019年の11月末にモンゴルサッカー協会を通して、この講習会に参加しませんかという連絡をいただきました。以下はAFCの案内に記載されていた参加条件です。(私の解釈のため、少し誤りがあるかも...)

参加条件 ※一部抜粋
・PTの学士を有する(修士以上だと、なお良い)。
・自国でPT資格があり、登録されている。
・最低5年以上の現場経験を有する。
・現在、サッカー現場に関わっている。
・英語の読み書きが可能。
・PCでプレゼンテーションを作成可能。
・45歳以下
・AFC主催のPT講習会に過去一度も参加したことが無い

条件の一番下に記載したように、一度参加したらそれ以降の参加資格は無いようです。ちなみに私の英語は中学生レベル。今の未熟な英語力では到底理解できないでしょう。せっかくの機会を無駄にしないために、英語をしっかり身につけてから参加した方がいいようにも感じます。ただ、この講習会は原則的に各国で一人しか参加できません。また、公募ではなく、その国のサッカー協会からの推薦という形でしかありません。日本にいたら倍率が高く、さらには優秀な人材が山のようにいるでしょう。

モンゴルにいる今しかないだろうと思い、日程の確認や迷う暇なく、即決しました。もちろんサッカー現場から離れることを、モンゴルサッカー協会には内緒にしていました。


それから待遇が素晴らしすぎます。

自国からドーハまでの航空往復チケット
ビザ(日本国籍のため、私は不要でしたが)
ホテル(ずば抜けてます)
食費(300USD)
海外旅行保険
AFCグッズ各種(後で紹介します)

自分からお金を払ってでも参加したいと思う講習会を無料で、さらには滞在するにあたっての費用は実質かからないような内容でした。なんて寛大なんでしょう。参加しない理由が見つかりません。



ウランバートル~ドーハ

2月1日朝10:45にウランバートルを出発。まずはイスタンブールへ8時間40分のフライト。

機内食は2回出ます。”パスタorビーフ?”この選択肢を初めて聞きました。ビーフを選びましたが、中東料理の味付けで美味。そしてワインが小ボトルで提供されるのが、特別感あってよかったです。

画像1

イスタンブールでは6時間の待ち。お腹がすいてなかったけど、気さくな店員さんに声をかけられ、せっかくだからトルコ料理をいただこうと「ピデ」を注文。美味しかったけど想像以上に大きく、塩っ気が強くて空腹時に食べたいと思う一品でした。

画像2

現地時間の2月2日0:55にドーハ到着。税関を抜けると、カタール協会のスタッフが待っていてくれました。モンゴルを出てから約20時間。疲労で早く寝たかったけど、駐車場に行くとその人の車が行方不明。謎にレッカーで移動されていたらしく、30分くらい探し回ってやっと発見。そういえば一人で海外に行くのはこれが初めて。いきなりのプチトラブルで、疲れていてても心はワクワクしました。笑


ホテル

AFCから用意してもらったホテルが、The Westin Doha Hotel & Spa。今まで、利用してきたホテルの中でおそらく一番レベルが高いです。

画像3
画像4

個人的には、綺麗に整頓されたMini barの充実さがお気に入り。

画像5

表参道ヒルズを彷彿させるホテル内。

画像6

朝食も豪華。ただ、食堂のオープンが6時半で出発時間が7時。したがって、あまりゆっくりはできませんでした。

画像7



Aspetar Orthopaedic and Sports Medicine Hospital

今回の講習会の会場であり、講師陣はここの先生方でした。2008年に中東地域で初めてとなるFIFA medical excellenceに選ばれた病院であり、世界各国のアスリートたちが利用しているようです。それだけあって、医師のレベルはもちろん設備も大変素晴らしかったです。

画像13
画像14
画像15
画像16
画像48



3rd AFC Team Physiotherapist course 2020

講習会は2月3日~5日にかけて行われ、33ヵ国・55名のPT(一部Dr.)が参加しました。プログラムは以下の通りです。

1日目
SESSION 1: SKILLS FOR THE TEAM PHYSIOTHERAPIST
 Role of the Physiotherapist within a football team
 Clinical reasoning and evidence-based practice principles for
Physiotherapists (lecture and workshop)
SESSION 2: FAIR PLAY AND HEALTH/NUTRITION IN FOOTBALL
 Challenges related to nutrition supplement use in football
 Anti-doping/age and gender verification in football
 Discussion
SESSION 3: CLINICAL ANATOMY OF THE KNEE AND ANKLE
SESSION 4: ON FIELD MANAGEMENT AND MEDICAL EMERGENCIES

 Basic life support and medical emergencies
 On-field management of acute musculoskeletal trauma

2日目
SESSION 5: COMMON LOWER LIMB INJURIES IN FOOTBALL (KNEE AND HAMSTRING)
 Assessment and criterion-based return to play for knee ligamentous injury
 Assessment and criterion-based return to play for hamstring Injury
SESSION 6: INJURY SURVEILLANCE
 Screening injury and illness surveillance program of ASPREV and the AFC Study
 Discussion
SESSION 7: RETURN TO PLAY
 The importance of introducing off-field physical conditioning early in the rehabilitation process
 Sport specific training and return to sport criteria
 Return to play decision making; getting the player happily back on the pitch
 Discussion

3日目
SESSION 8: COMMON LOWER LIMB INJURIES IN FOOTBALL (GROIN AND ANKLE)
 Assessment and criterion-based return to play for groin injury
 Assessment and criterion-based return to play for ankle injury
SESSION 9: CONCUSSION MANAGEMENT IN FOOTBALL 
 Management of concussion in football

3日間とも、8時からだいたい17時まで講義や実技がみっちり。

画像10
画像11
画像12

学生に戻った気分でした。

詳しくは控えますが、エビデンスをベースとした共通認識を持つような内容であったと捉えております。一方的に教えるのではなく、ディスカッション形式が多く、常に活発な議論が行われておりました。やはり英語の理解に苦しみ、そこに突っ込んでいけなかったのは残念ですね。Aspetarの講師陣は話し方・聞き方・振舞いなど全てにおいて、めちゃくちゃカッコよく、魅力あふれる方々でした。憧れます。

画像20
画像21


ちなみに、セッションの合間には30分のコーヒーブレイクがあり、それだけでお腹が満たされるほど充分な飲み物や軽食が各会場に常備されておりました。

画像9

講習会の服装は支給されたジャージが指定されており、その他にバッグやUSB、アクセサリーなど数々のAFCグッズもいただきました。

画像17



アクティビティ

ただ病院で学ぶだけでなく、様々な交流イベントも行われました。

初日にはFriendly match。かなり盛り上がったようです。疲労があり、次の日も朝早いため私は参加しませんでした。したがって、写真も持っていません...


2日目の夜はWelcome dinner。会場は病院の隣にあるドーハのシンボルともなっているトーチの50階。素晴らしい夜景を背景に各国のPTやDrの方々と交流しながら、食事をいただきました。

画像19
画像18
画像49



周辺散策

カタールに到着し、ホテルにチェックインしたのが2日の午前2時。講習会は3日からのため、この日は実質フリータイム。寝て過ごすのは勿体無いと感じて、6時過ぎには起床して優雅に朝食。

画像8

8時にはホテルを出て、メトロを使って市街地へ。ワールドカップに合わせて作られた鉄道であり、かなり綺麗です。1日フリーパスを買いましたが、およそ180円。安すぎます。片道切符でも約60円なので、ありがたいですね。


まずはカタール国立博物館。カタールの動植物や歴史・文化に関する資料が数多く展示されておりました。

画像23
画像24


そのまま徒歩でイスラム美術館へ。正直、美術品に関する知識は皆無ですが、それでもなんでこんなデザインなのだろうと想像を働かせるのは面白いですね。

画像25
画像32

モンゴルっぽいもの。

画像26

哀愁漂う彼。

画像28

イスラム版遊戯王カード。

画像29


次も歩いてスーク・ワーキフ。いわゆる市場です。かなり中東感があり、異国に来たなと強く感じられる場所でした。何も買わずに、歩くだけでも十分楽しいです。

画像29
画像30
画像31


次はメトロに乗って、Katara Cultural Village

画像35

特別面白いものはありませんでしたが、エメラルドグリーンの海と白い砂浜の先に高級住宅街、映えですね。(規制されていて、これ以上は近づけませんでした。)

画像33


そしてThe Pearl Qatarへ。カタールで一番行ってみたかったところです。いわゆる富裕層が集まる高級住宅地。私は徒歩で向かったのですが、途中から歩道が無くなります。歩いている人は誰もいませんでした。移動は車のみのようです。申し訳ないと思いながら車道を歩いていきました。

画像34

ここに住む方々はいくら稼いでいるのでしょうか?私にとっては夢のまた夢の話。これだけで帰るのは勿体無いと思い、カフェのテラスでセレブ気分を少し味わっておきました。

画像36


帰りは学習して、City Center Mall DohaまでUberを利用して行きました。8㎞ほどで料金は約400円。メトロもそうですが、お金に余裕があればUberを積極的に使っても良さそうですね。ここのショッピングセンターで夕食を購入。正確な金額は忘れましたが、これだけ買っても500円しなかった気がします。右上のナンがセールで特大サイズの6枚入り約30円。破格でした。

画像37


滞在中はカタールの中でも気温が低い時期で、30℃いかないくらいの少し暑くも過ごしやすい気候でした。

画像39
画像38


それから最終日、閉会式後からフライトまで時間があり、日本から参加しているPTの方とともに再びスーク・ワーキフへ行きました。昼とは違う雰囲気でこれもまたよかったです。

画像40
画像45

ケバブは串タイプもナンに挟んだタイプも安いうえに、かなり美味。おススメです!

画像48
画像43



最後に

今回、モンゴル枠でAFCのPT講習会に参加させていただきました。

画像44

冒頭でも触れましたが、英語の未熟さを改めて痛感した3日間でした。それでも、様々な国の医療従事者と話し、いろいろな情報交換と交流を深めることができたのは非常に有意義でした。個人的には、W杯カタール2022アジア2次予選で同じグループのDrやPTと関われたのが面白かったです。

画像46
画像45

(写真の真ん中がタジキスタン代表のチームDr、右がキルギス代表のPT)

サッカーの現場から離れることを説明するのは面倒だし、話が盛り上がっちゃって、また次のアウェー戦で会おうと約束してしまったのは少し心苦しかったです。笑

様々な国の方々と治療やトレーニングについて話し合うような機会は、なかなか無いと思います。ましては代表レベルで活動しているような人たちと。これもモンゴルにいたからこそ、できた経験です。このような機会をくださったモンゴルサッカー協会とAFCおよびAspetarには、大変感謝しております。

画像49


この講習会を終えて、モンゴルには戻らず直接フランスパリへ。柔道グランドスラムに帯同させていただきました。それの様子はまた後ほど...
※記事にしました↓

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!ぜひ他の記事も覗いてみてください。いつもハートマークをポチっとしていただき、ありがとうございます!モチベーションになります^^

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?