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$マネゴリ相場展望レポート⑨$


 先週の日本株市場は週明けから売り投機の買戻しが活発化し約1700円の急上昇、その後週末に向けて上値が重くなり27000円の攻防という様相となった。現在は米長期金利の上下でリスク資産が上下に反応する動きとなっている。
 過去のマネゴリ展望レポートでは、今年の相場調整の主因を、リスクフリーレートの上昇によるポートフォリオ・リバランスであることは繰り返し指摘したが、8月からの調整は、市場金利の上昇を背景に売り投機が活発化していることが要因となっている。年初の急落とは、やや違いが生じている。8月から9月末までの下落は、市場金利の上昇を背景にボラティリティの上昇を意識して投機の売りが活発化しただけであり本格的なリセッションを意識した売りではないだろう。
 だからこそ、長期金利の低下により異常なリスク資産が急反発する動きとなっている。弱気派市場関係者が指摘していた景気後退懸念がベースにあるなら、このような反応にはならない。もし仮に景気後退懸念を本当に意識しているなら売却→キャッシュ化して終わりだからだ。売り投機も株価の下落に賭けるというリスク行動をとっている以上は本格的な懸念とは捉えていないと考えていいだろう。先週明けからの急上昇を見る限り、明らかに直近の急落が投機によるショート・ポジションの積み上がりであったことが分かる。
 ただ、ここまではっきりと分かる投機の売りの買い戻しの動きなので、この買いの持続性は乏しいとの見方も根強いことから、買い一巡後は、上値が重たくなるのかもしれない。来週は13日に米国の消費者物価指数の発表を控えていることから更に上値は重くなりそうだ。
 次のFOMCは、11月1日から2日まで行われる予定なので、今後の政策金利の引き上げ見通しをネタにした投機の動きが再び活発化する前提での投資行動が現在は有効となるだろう。

投資家と投機家の戦略相違

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