見出し画像

$マネゴリ相場展望レポート⑥$

【投資家にとってバーゲンセール開催相場到来】

 今週の日本株は、売りに押される展開もあるが下げ渋る動きが期待できそうだ。週末に発表された8月の米雇用統計は、予想は30万人増に対して非農業部門雇用者数が、31.5万人の増加でほぼ予想通りの結果。
 失業率は3.7%と、前回の3.5%からやや上昇したが、これは労働参加率の増加による影響だろう。雇用環境は引き続き良好と判断して良さそうだ。
注目すべきは賃金上昇率。
前年同月比+5.2%で、引き続き高い伸び率を維持している。

 過去のレポートでも書いているが、一部の経済指標の鈍化は、コロナ特需の一巡による需要の平準化の可能性が高い。リーマンショックのような民間の信用収縮が発生し、需要が急減速している内容と現在の状況は大きく異なる。
 現在は民間でなく、国の債務拡大による総需要拡大(米国の大規模給付金が要因)の副作用がインフレの大きな要因だ。
むしろ民間の資産に関しては大きく増加してしまっている。
 8月のジャクソンホールでのパウエル議長の講演以来、株価は下落してはいるがバリュエーションの割高感が解消されていれば、株式価値は継続的に上昇している状態なので、更なる売り圧力にはなりにくいだろう。
 だから、株式価値から判断して相当割安な日本株は、米国株のグロース株が大きく下落しても、下げが限定的だった。
 既に6月から8月に発生したリバーサル相場で、日経平均・TOPIX共に年初の高値水準にまで上昇したことで証明された。
 日本企業の直近の四半期決算では円安効果もあって企業業績は概ね堅調を維持しており、自社株買いの発表も多く、株式価値の上昇が持続できている。だから、株価の下値リスクも限定的なのだ。
 この流れは、コロナ規制の緩和もあり継続する可能性が高い。日本は、国内のインフレ率が欧米に比べて相当低い上に、円の独歩安で資産価値が海外からみると相当割安になっている。恐らく、一部の海外投資家は、日本株の再評価をし始めるだろう。
 既にアベノミクス以降、日本株も米国市場と同じく長期上昇相場に移行している可能性が高い。バブル崩壊と長期デフレでバランスシートの改善に相当時間を要したが、バランスシート不況も既に過去のものとなり、中長期的に株式価値が上昇する環境に日本株も移行している。それは日本企業の資本政策の変化や直近の自社株買いの発表が増えている点からも分かるだろう。
ここ数年、株式市場は大きなボラティリティの上昇が時々起こる。    この要因は
①マーケットの資金規模が大きく拡大していること
②市場の投機比率が高まっていること
つまり、過剰流動性相場の結果であり、それを過度にリスクと捉える必要はない。今後も過剰流動性相場は続く可能性が高いからだ。
 年初からの急落時でも株価上昇している銘柄も多く存在しており、現在のような急落時は投資家にとっては絶好の買いの好機となるだろう。特にバリュー株。個人的には金融株に大きな上昇余地を感じている。
 市場金利の上昇は、経済の悪化をもたらすレベルではそもそもないため、逆に金融株の収益環境を改善させる点に注目した方が良い。金融株は、景気の先行指標となるセクターであり、このセクターが株式市場の下落をけん引しなければ、市場のセンチメントも悪化しにくい。先行きを見極める判断材料にもなるので保有することをお勧めする。

ここから先は

3,659字

世界経済の今後の展望を毎週配信 投資家だけでなく、社会人の皆様にもリアルな経済展望を配信します 経済リテラシー向上でより良い生活を手に入れ…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?