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一律10万円は焼け石に水?コロナ収束が長引けば景気も経済も本当にヤバイ…

こんにちは!金融ブロガーの本郷マサシです。もういくつねると~GWですね。
例年であれば、海外旅行へ旅立つ旅行客や高速道路の渋滞の様子が中継されるこの時期。今年はいつものような高揚感はないですね。

まだまだ先の見えないコロナ問題ですが、すったもんだの末、全国民に一律10万円の特別定額給付金が支給されることになりました。この10万円以外にもコロナがらみの公的緊急支援が発表されていますが詳しくご存じですか?

海外から訪日観光客が来なくなったうえに、コロナ感染防止に伴う外出自粛。観光・飲食・百貨店・交通などさまざまな事業が大打撃を受ける中、政府の出した助け舟はうまく舵を取れるのか…

遅ればせながらもメニューがそろった政府の緊急支援策
政府のコロナ対策は、収束にむけた自粛期間中のセーフティーネット策と、ある程度収束したのちの景気回復策の大きく二つに分かれます。

財務基盤の弱い小規模事業者を支えるため、中小企業には最大200万円、フリーランスを含む個人事業主には100万円を給付。さらに労働者の失業を避けるための措置として、従業員を休業させた場合には、(解雇しないことを前提に)支払った休業手当のうち、中小企業は9割まで、大企業でも3/4まで政府より雇用調整助成金が給付されます。

家賃に対しても、テナントまたは家主に対する助成が与野党で協議されており、近いうちに実現するでしょう。

この他にも、事業者に対する潤沢な資金供給、困窮学生に対する学費免除・奨学金前倒しなどの対策も講じられつつあります。

金額面では欧米と遜色ない?◆
やれスピードが遅い、申請が面倒などとワイドショーで叩かれていた政府の緊急支援策ですが、施策的にも金額面でも充実してきたように思います。

たとえばアメリカの現金給付では、大人1200ドル(約13万円)、子供500ドル(約5.5万円)でさらに年収制限もあります。一概に、日本の方が劣っているとは言い切れませんよね。

その他、トランプ大統領が目玉としているのが給与保障プログラム(PPP)と呼ばれる失業防止対策で、従業員を解雇しなければほぼ無償で、最大1000万ドルを企業に給付する施策です。

アメリカのPPPに相当するのが、日本では雇用調整助成金です。使い勝手の悪さが批判されがちな雇用調整助成金ですが、そこさえ改善されればPPPと遜色ない効果が期待できます。

これだけのセーフティーネットをとれば、当面は経済危機を回避できるものと考えられます。

◆コロナはいつ収束するのか…長引けば景気は本当にヤバイ◆
ただし、セーフティーネットはあくまで一時しのぎに過ぎません。4-6月期の自粛と経済収縮は仕方がないにしても、7月以降も続くとなると話は変わってきます。

仮に現在のコロナ感染がある程度治まったとしても、第2波・第3波の可能性は十分にあり得ます。いったんは抑え込みに成功したシンガポールも、出稼ぎ労働者をクラスターとして再びあっという間に感染者がはね上がってしまいました。

もし自粛活動がいつまでも続けば、セーフティーネットだけではとても支えきれないでしょう。中小飲食業の場合、手元資金が1か月程度の事業者も少なくありません。融資に頼りたいところですが、焦げ付きリスクが高い事業者に対する融資は銀行も及び腰…。早いうちに資金がショート、倒産・失業の連鎖が始まります。

専門家会議メンバーの中には「完全に収束するまで自粛活動を9か月間続けるべき」との声もありますが、そんなことをしたらコロナよりも経済的負担から倒れてしまう方が出てきてしまうでしょう。感染爆発を抑えつつ経済活動を再開する、つまり「コロナとの上手に共存が残された選択肢」なのかもしれません。

◆コロナ前から減速気味だった日本経済はV字回復できるのか◆
さて、コロナが夏までに収束したとして、果たして日本経済は果たしてV字回復するでしょうか。

振り返ると、消費増税の影響もあり、日本経済はコロナ前から減速モードに入っていました。それが証拠に、2019年10月-12月のGDPは年率マイナス7.1%と大幅な落ち込みでしたね。

つまり日本経済はそもそも「消費増税による景気後退」という基礎疾患を抱えていたところに、コロナウイルスが襲ったわけで、当然ダメージも重症化しやすいのです。

にもかかわらず、2020年度補正予算に織り込まれた「収束後の消費喚起対策」はわずか1.7兆円。これではV字回復どころか、U字回復も期待できないんじゃ?と僕は懸念しています。

感染収束がある程度めどが立った段階で、消費税の大幅減税等を含めた大胆な景気回復策が打ち出せるか、政府の動きから目が離せません。

つづく。


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