もう恋なんてしないなんて

一年前、もうこんなかっこよくって聡明で感性も素晴らしい人になんて二度と出会えないんだからと恋愛供養をした。
半年前、本社の先輩と仲が良すぎて周りから恋仲に進展するようにキャッキャウフフと囃し立てられ、先輩もわたしもきっと満更でもなかった。二人きりで飲んでるとき、酔った勢いでプロポーズを受けたけれど、酔った勢いで全力ではぐらかした。わたしたちには物理的な距離があった。
そして現在、見た目もタイプで文武両道で気遣いもユーモアも素晴らしい人が彼氏だ。
改めて思う。人生も恋愛も半年後にはどうなってるか分かりゃしない。いつ死ぬか分からないんだから今強烈にやりたいことはやらなきゃ、がわたしの動く根源だ。もちろん将来的なことも片隅には置いている。始めるからには一年は続ける等、細かいルールはある。自分でも忙しない人生。わたしを取り囲む人も、ものも、環境も、ぐるぐる変わっていく。あのとき一番の味方だったあの人は、今わたしのことを誰よりも恨んでいるかもしれないし、あのとき何の名前もつかない関係だったあの子が今わたしの安定剤となっているのかもしれない。どうなるか分からないのは基本的には刺激的で楽しいことだ。わたしを囲む人間は彩りを与えてくれる人たちではあるがわたしの所有物ではない。当たり前にそうだと思っているし心からそう思って生きてきた。
なのに。
今わたしは彼氏を好きすぎる。いつか、わたしより好きな子ができたらなんて考えるだけで涙がボロボロ溢れそうだ。いつの間にこんなに弱くなったんだ。いや、いつの間にこんなに強く人を好きになれるようになったんだ。私は今彼氏だけが唯一この世で好きな人間なのかもしれない。あいつがいない世界なら無い方がマシだって本気で思う。自由気ままに強烈につきうごかされるままに生きて、それでもたがうときが来たら、それは仕方がない。悔いなく生きなきゃ。わかっているけれど、あいつの目にはいつもわたしと生きる人生がうつってなきゃ嫌だな。今の不満って何だろう。これは付き合ってからずーっとだけど、わたしはあいつを生かせてないかもしれない。もっともっと引き出したい。ってこと。そんなの、時間かけて築いてくものって分かってるけどさ。逆に言ったらあいつもまだわたしのこと、じゅーぶんには引き出せてないんだぜ?あいつの隣で暴れてたい。いつも瞳にわたしをうつしてたい。あいつもわたしの隣で軽快にステップを踏んでてほしい。大好き。


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