見出し画像

ふたりの店長

先日、自宅の近くの鉄道高架下のスペースで、マルシェが開かれました。高架下スペース・・と書くと、いかにもオープンスペースのように見えますが、ちゃんと名前がついて鉄道会社が所有している、由緒正しい土地です。

自宅を購入した当時、最寄駅の周辺は立ち食いの蕎麦屋さんと、バスとタクシー乗り場でした。高架下も特に整備されておらず砂利が敷かれて金網で囲まれたような場所で、夜になると真っ暗になり、昼間でも駅を使う人しか通らない場所。

しかし、都市計画の進展により、アスファルト舗装が進み、さらに駅前にマンションが建ち、道路が整備され、空き地は公園になり、高架下には建物がたち観光案内所になり、さらに地域住民のためのスペースも作られたのでした。

そして、観光資源としての国民的ロボットアニメに出てくる2体のロボットのオブジェも設置され、見違えるような整備がされました。

僕は毎日のようにその駅を利用していることもあり、日々変化していくのを目の当たりにしていましたし、公園ができた時は本当に嬉しかったのを覚えています。

子育て家庭にとって、外遊びができる場所はとても重要です。公園が近くにあれば、ちょっとした時間でも外に連れ出すことができるのです。

高架下のスペースでイベントが行われるたびに、その前に位置する公園は人で賑わいました。イベントがない時でも、小さな子と親が遊んでいる微笑ましい様子が、日ましに増えていくように見えました。

冒頭で書いたマルシェは、ふつうに想像するマルシェとは違っていました。

大人が出しているお店のほかに、子どもたちが企画運営するお店がある、そんな場所でした。

“通貨”のようなものを準備し、子どもたちはバイトと称して大人のお店を手伝い、その通貨を入手して、それを支払って商品を買ったり、遊んでみたりするという、社会的な視点が養われる(だろう)独特な発想のマルシェでした。

そんな独特なマルシェが受け入れられるのだろうか・・と不安でしたが、蓋を開けてみると大勢のお客さんがいました。何より、子どもたちが沢山!(笑)

長くなってしまいましたが、そのマルシェに、妻と子がそれぞれ別のお店の担当者として出店したのでした。

妻は、ドライフルーツや乾燥野菜の会社としての出店。子は友達と一緒に、お菓子釣りという魅力的な釣りゲームを運営。

なかなか寒い日になりましたが、楽しそうに過ごしていました。

開店早々、長蛇の列となり、怒涛の売り上げで通貨を集めた子とその友達は、終盤、ほかのお店で豪遊したそうです(笑)

ただし、お菓子の供給は大人(親)による寄付のため、本人たちがどんどん儲ける構図になっていたのは、やや残念ですが・・。

準備の段階で、ほとんど企画内容が詰まっていなくて、必要なものや設備がおざなりになってしまったのは、これからの課題。

でも、本人たちは接客めいたこともしたし、何より道具としての通貨の存在は、本物の“お金”への好意的な視点を養ったのではないかと期待しています。

ほかにも出店者として頑張る子どもたちが多くいて、ほんとうに賑わっていました。儲けや勝ち負けではなく、純粋に遊んでいる感覚なのでしょうけれど、それが良かったなと思いました。

寒くて、雨も降る中でしたが、高架下のおかげで客足も途切れず、わちゃわちゃ賑わっていました。運営までの準備や広報など、いろいろと工夫されたんだろうなぁと想像しました。

子が、マルシェを使う側ではなく“出る側”として体験したことは、これからの妻の働き方への理解も進むかなぁなんて期待しています。

子どもだからと言って、何もできないわけではないし、大人の真似だとしても、お店をやることが楽しさや自信につながっていたら、成長するきっかけになるのかも知れないなぁ、なんて思いました。

楽しんでいる子どもの顔を見ている大人の表情も穏やかだし、子どもたち同士のやりとりも丁寧だから、とても温かな雰囲気でした。

また次にやる機会があれば、あれも、これも・・・と、つい期待してしまうのでした。


#ゴールデンウィークにやってみた  #マルシェ #家族 #子どもの成長記録

この記事が参加している募集

#子どもの成長記録

31,487件

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 創作大賞2024への応募作品はこちらから!なにとぞ! https://note.com/monbon/n/n6c2960e1d348