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写真に撮る、思い出に残る #書もつ #創作大賞感想

毎週木曜日は読んだ本のことを書いていますが、今回は趣向を変えて創作大賞に応募されている作品を読んだ感想を書きたいと思います。


多くの人にとって、良くも悪くも印象に残っているであろう修学旅行。学校生活ともちょっと違う、家族との旅行とも違う、特別な旅。

いつもと違う時間の記憶は、思い出すとちょっと元気が出ます。大人になって、修学旅行先に再び訪れたりすると、当時の記憶がいかに友達との楽しい記憶だったかを思い出すこともあるもので。

修学旅行の思い出は、観光地だったり、お土産だったり、そして写真だったりします。写真を撮ってくれたのは、誰だったでしょうか。自分?それとも近くを歩いていた人?

あるいは、一緒についてきてくれたカメラマン?

帯同カメラマン森山が撮る!〈前後編〉
ミーミー

お仕事小説の面白いところは、すごく専門的な内容と、自分の仕事とも共通している点を見出せることかなと思います。自分の身近にある仕事でさえもその裏側や、働いている人の考え方はなかなか分からないものです。

そして、世の中のお仕事小説では、どうしても恋愛要素が多くて、仕事内容よりも人間関係に視線が集まりがち・・嫌いではないのですが、読み終わって、結果、恋愛成就・・みたいな内容が多くて、ちょっとなぁなんて思うこともありました。だって、仕事と恋愛ってそんなに近い⁉︎と個人的には思うからです。

と書いてしまったので、今作では恋愛要素がない、というのがバレてしまいましたが、反面でその恋愛そのもの娯楽性をきちんと示している描写もあって、とても好きな雰囲気でした。若いっていいよね・・なんて。

舞台は中学校の修学旅行。自由行動もあるし、新幹線移動だし、何なら校長先生まで一緒に来ちゃう。・・いやこれ、中の先生たち大変だよなぁ・・と思わずにいられない設定で、やっぱり大変なことになっちゃう。そして、先生も人間だと、改めて思うのでした。

ミーミーさんの経験も含まれていたり、お子さんの行事に帯同していたカメラマンさんがモデルだったりと、先生たちも、かなり説得力のある人物像が描かれていました。いたいた、こんな先生。


果たして結末としては、個人的には、なんというか背筋が凍るような、”価値観の違い”だけでは片付けられない、共感できない寒々とした怖さとか、親としては怒りに似たものを覚えてしまいました。

小学生や中学生のお子さんがいる親御さん、ぜひ読んで欲しい。

中の先生たちの横の繋がりという意味では、勉強になりましたし、チームとして仕事を学年をまとめて行くことの強さに、元気をもらいました。

ほんとうに、言葉を尽くしたつもりでも、心の底には理解しえない感覚のようなものがあるのは、仕事をしていても感じるし、育児をしていても感じるものです。

もし、ミーミーさんに余力があるとしたら、ぜひ生徒側の物語も読んでみたいと思いました。生徒から大人がどう見えているのか。先生たちの対応が、子どもにどう評価されているのか、気になってしまいました。


レンズに映る光の粒、写真として切り取る瞬間の瑞々しさや、輝きが強調されたサムネイル、infocusさんありがとうございます!

#創作大賞感想 #カメラマン #ミーミーさん

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!