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あいたい

外出自粛が呼びかけられた期間、小さな子どもがいる家庭としては、自粛というよりは感染防止という意識が強く働いて、習い事をオンライン化してみることにしました。

先生の自宅にお邪魔してレッスンしているピアノ、それをzoomを使ってオンラインレッスンすることにしました。先生にも確認してみると「やったことないけど、今後のことと考えてたので、ぜひやりましょう」と快諾いただき、月謝も現金ではなくナントカペイで電子化していただけることに。

初回、慣れない設定に親も子も先生も、みんな戸惑っていました。

しかし、画面に映る先生と自分に気を良くした娘は、普段とは違ったリアクションを見せたり、意欲的にピアノに向かっていました。

それでも、数を重ねるごとに集中力がなくなり、時間差のあるやりとりに飽き、ピアノを弾くことも面倒くさがるようになってしまいました。

習い事にはありがちな、やりたいのかやらせたいのか葛藤を繰り返すことも度々ありました。つい、「ピアノ、好き?」と聞きたくなる気持ちを抑えて(もしかしたら聞いてしまったかも・・笑)、日中おもむろにピアノを弾き始めたり、「Mが弾くピアノ聴きたいなー」と比較的大きな声でつぶやいてみたり、とにかくピアノに触ってほしい一心で娘に声掛けをしていました。

そして、そろそろ宣言が解除されようかという週末、もうヤダー!と申告があったのです。恐れていた拒否反応を目の前にして、レッスンを休ませるか、そもそもピアノをやめるかといった選択肢がよぎりました。しかし、ふと冷静になってみると、娘が嫌がっているのは「オンラインで」レッスンすることでした。

レッスンは、防音室で行われるため窓どころかドアを開けることも出来ないし、先生との距離も近い。感染が怖い・・という理由からオンラインにしていたけれど、果たして嫌がる娘にウイルスの恐怖を伝えることが賢明なのか。

日頃、生活習慣をつけるための動機として、ウイルスのことを話すことはあっても、楽しいはずの習い事とウイルスとの関係は、娘にとっては不安でしかないのです。なにより信頼している先生との関係性も崩れてしまうかもしれないと考えたりもしました。

そして出した提案は、「先生に会いに行こう」というものでした。これが“緩み”だと警告される向きもあるかも知れませんが、いろいろとすり減らしながら過ごす不健康さもまた疲れの原因になります。

娘は、ひさしぶりの「オフライン」レッスンを終えて、意気揚々と帰ってきました。

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