雪国の民泊
毎週月曜日には旅の記録を書いています。
忘れられない旅、思い出すとクスっとしてしまう旅・・今年も思い出しながら書いています。
昨年の年末に(って書いたけど、先月です)、秋田への旅の記録を書きました。たったひとりの客として、ロッジに泊まった思い出を記事にしています。
この話は、その旅の続き・・翌日は、角館にやってきました。
角館と言えば、武家屋敷通り。桜の季節には、圧巻の枝垂桜が迎えてくれます。雪の季節には、江戸時代を思わせる街並みが銀世界となり、これもまた風情がありました。
僕が訪れたのは、真冬の2月。もうすぐひな祭りというタイミングでした。
ひな人形を飾る文化は日本の伝統的なものですが、角館にはほかとは違う人形がありました。押絵羽子板のように、板に絹布が縫い付けられて人形として飾られているのです。
人形のような華やかさはないものの、ふっくらとした質感はやさしく、眺めるためのものであるという意味からすれば、とても品が良く見えました。
山深い地方だったこともあり、普通のひな人形を運ぶのには、かなりの労を必要としたことから、押絵の人形が発達したのではないか、と案内がありました。なければ、作ればいい、という発想は明るくて意外でした。
その日の宿は民泊でした。
オーナーのおじさんに連れられて宿に着くと、ただの一軒家。ついさっきまで暮らしていたかのように、家具もあり、食器棚には食器がたっぷり積まれていました。
外観は日本家屋でしたが、中はバリアフリーの今風の部屋たち。・・少し経ってから、気がつきました。部屋の主は、もうこの世にはいないのではないか。晩年、この家で過ごしたのではないか。
民泊らしいエピソードがある宿に泊まれて、寂しさもありましたが、嬉しかったことを覚えています。
その日は、たまたま「紙風船祭り」の日ということをオーナーさんから聞いて、夜に出かけて行きました。紙風船といっても、手毬ではなく、気球サイズ!でかい!会場は吹雪でしたが、とても熱気がありました。
僕が行ったときは天候が思わしくなく、「ひとつも上がらない」という近年まれに見る残念な回だったようで(笑)実際には上の写真のようになるようです。
会場までは、秋田内陸縦貫鉄道で向かうのですが単線ということもあり、帰りは大変でした。予定時間に電車は来ないし、来ても乗れない。吹雪の中を待ち続け、とても寒かったのを思い出します。
角館に帰ってくると、銭湯へ。角館温泉(だったかな)という銭湯に向かいました。お湯の温度は何と45℃・・外気温との差は、およそ50℃!!びっくりしました。でも、入らないと寒いし・・ということで、意を決して入りました。
熱さに震えながらお湯に浸かっていると、どこかで見たことがある人が・・さっき会場で歌っていた演歌歌手さんでした。さすがに、声をかけるのは憚られましたが、あの寒さの中、にこやかに歌っていたのが思い出されます。
実は、角館は”栗”の町。西明寺栗という名の、日本一の大きさを誇る栗が穫れるらしいのです。スキマを見つけてはケーキ屋や和菓子屋さんへ行って、栗のお菓子を食べていました。なかでも、この店の「栗大福」が絶品でした。
リンクを貼るために調べてみたら、オンラインショップがある!
・・いやいや、旅の記録でした。
民泊はとても居心地がよく、夜遅くに帰ると、テーブルには夜食として総菜が乗っていました。
オーナー夫妻の温かな気持ちに触れ、寒い部屋でしたが、優しいおばあちゃんのうちに遊びに来たような気持ちになりました。
今度は家族で来てよね!と笑ったオーナーのおじさんの顔が忘れられません。
つぎは桜の季節に行きたい場所になりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、子どもたちのおやつ代に充てます。 これまでの記録などhttps://note.com/monbon/n/nfb1fb73686fd