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おかえり、が聞きたくて #書もつ

旅をする理由、それはいろんな人に、いろいろな理由があるけれど、ここではないどこかに旅立つ人もいれば、ふるさとに旅立つこともあるでしょう。

今の状況では、なかなか旅に出られないこともあって、”旅に出ること”に、重い緊張も確かな意志も必要になってきた・・そんな気もします。

さて、皆さんには旅したい場所はあるでしょうか。

あるある・・でも、行きたくても・・理由があって行けない。

そんな人のために、”旅屋”があります。

毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。

旅屋・・と言う職業があるとしたら・・それは一体どんな仕事をしているのでしょうか。そんな、旅屋となった女性を描いた「旅屋おかえり」は、僕の好きな作家、原田マハの人情旅行小説・・こんなジャンルあるのか(笑)

今回紹介するのは、その”旅屋おかえり”の第二弾。ある曲から始まる、旅屋に寄せられた依頼は・・。

丘の上の賢人 旅屋おかえり
原田マハ

印象的なタイトルは、何かの翻訳のよう・・と思って読み始めたら、すぐに答えが出てきました。ビートルズのナンバー「フール・オン・ザ・ヒル」が、物語の発端でした。

この作品を読む前に、第1作目とも言える「旅屋おかえり」を読むと、登場人物のキャラクターがより分かりやすいのですが、・・読まなくても大丈夫。十分に物語に入り込める内容です。

旅そのものが、それぞれ全く違ったものであるように、旅をテーマにしていることから、その場所で出会う景色や人とのやりとりは、第1作目を引き継ぐものではありませんでした。

主人公の、丘えりかに舞い込んだ依頼は、これまで旅先には選べなかった”ふるさと”への旅でした。主人公が頑なになる理由も、そして依頼人の思いも、読み手には胸に迫るものがありました。

旅先では、意外な出会いと意外な展開がつきものですが、一つの旅を通して主人公や依頼人が、より幸せになってほしいと思いながら、そしてこの作者ならばきっと大丈夫だと思えるような、温かな物語として進んでいきました。

自分のことを重ねながら読んでしまう、そんな物語はどんな結末が待っているのか、旅のおみやげ話のように話す方も聞く方も、楽しみながら、そして緊張しながら・・。

作家は物語を知っているから、読み手としては、何だかずるいと思ってしまうのですが、この作品はもともと別の媒体に向けた作品で、とてもコンパクトでした。

文庫本には、エッセイとマンガが収録されているので、原田マハが好きな方は、そこもお得感があるということをお伝えしておきます。

冒頭に出てきたフールオンザヒル・・丘の上とは、北海道の札幌市にあるモエレ沼公園でした。(これは物語の大切な中身ですが、冒頭ですぐに出るので、ご安心ください。)

公園が、物語の大切な舞台になっていること、印象的なシーンに使われていることは、何となく嬉しくなるのでした。


モエレ沼公園・・この方の記事を思い出しました。ただでさえ広い北海道に設られた、広大な公園って・・一体どんな公園なのか。そこには、公園をデザインした”偉人”の想いがありました。


旅情を誘う、原田マハの物語・・はぁぁ北海道いきたいなぁ。

この投稿を書きながら、そんなことを子につぶやいてみたら、「寒いから絶対に行きたくない!!」とのことでした。

いやいや、寒いからこそね、ラーメンとか美味しいんだよ・・と、やっぱり食べ物の話題で北海道になびかせようとする自分がいました(笑)


そして、本当に偶然にもNHKでドラマが・・しかし、我が家はBSが観られないため、残念ながら別媒体を待つかなぁ・・という感じです。原田マハ作品の映像化が続いていますね。


モエレ沼公園の印象的なピラミットの一部から、サムネイルを作っていただきました。infocusさん、いつもありがとうございます!個人的には、infocusさんは旅屋なんじゃないかと、ふと思う時があります。旅の中で感じるひとときの安心、そんな光のように感じました。


#推薦図書 #原田マハ #旅屋おかえり #ネタバレ  

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