新しい景色
春になると、なにかと新しいことが始まったり、始めたくなるものだ。
なぜだろう。
幼い頃の学校に始まって、長年、4月が始まりだからかも知れない。
学びも、仕事も、趣味だって選べてしまう時代である。何をしてもらおうかと、売り手は手をこまねいているところもあるだろう。
僕は、この春、異動することになった。以前コンテストへの応募投稿で書いたように、どこに行ってもきっと楽しさはあるだろう。その分、初めてで気後れする部分も多いだろうけれど。
これまでの広いフロアから離れ、こじんまりとしている。しかし、周囲は日中ともなれば子どもたちの声が聞こえてきて、人の住まう中で働いている感じがする。ふと、前職の引越し事務所のことを思い出したりして、嬉しくなった。
3年前、福祉系の部署から建設系の部署へと異動するとき、とても不安だったし、何も分かっていなかった。
この3年間は、なかなか目まぐるしかった。1年目、初めての仕事を抱えつつ、育休を取った。2年目は、コロナ禍で出勤抑制があった。3年目は、突如忙しくなった。二人でやっていたことを一人でやるのだから、仕方ないけれど。
でも、在宅勤務ができたのは、良いことだった。(日常的にテレワークされている方には、もはや時代錯誤なことだけど)
忙しい中でも、こうして投稿を続けられたことで、単なる残業が考える仕事になったし、数字の先にいる誰かを考えることができた。
時々、黒濃いめの愚痴を書き連ねては、投稿せずに削除したり、下書きにひっそりと残したりしている(タイトルに【公開禁止】と追記している。消しゃいいのに笑)。
書くことは、何か生み出すというよりも、自分の中の何かを外に放ったり、心の中を整理して、その奥に隠れていた本音を見つける作業のようなものだ。
noteを読み始めた頃、こうした「正直な言葉たち」を目の当たりにして、恥ずかしくなった。現実はそんなに甘くないだろう、そんなふうに穿った視点で読んでいた。
しかし、書いていくうちに、正直に書くことが実は難しいことを知った。何かを気にして隠したり、恥ずかしさから表現を変えてみたり、思ったままを書くことはとても勇気のいることだった。
しかし、こうして書き続けていると、誰かが読んでくれるし、きっと遠くに行ける。
新しい場所でも、やはり書くことは続けたい。また違ったものが見えてくるだろうし、みたいとも思う。
新しい職場は少し遠い。
でもそれは、歩きや自転車、バスが選べるということ。新しい景色が見られそうだ。
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