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H列車で行こう #書もつ

毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。

僕は関東地方に住んでいますが、なかなか行けない関西の、あの鉄道会社を舞台にした小説がありまして、僕の好きな作家さんたちが書いているということもあり、これは絶対に紹介したいと勝手に温めてきた作品を。

阪急電車
有川浩

読書メーターの感想を探しましたが、意外にも記録していませんでした。確かに読んでいるのですが。

実際に乗り合わせているかのような身近な表現と、電車の中らしいエピソードの数々は、色々な気持ちが思い起こされるものでした。痛快なおばあちゃんの話がとても印象的で、こういう人がきちんと暮らしている場所は、安心できるなぁなんて思ってしまいます。

僕は毎日のように電車に乗っています。

電車に乗っていると、本当にいろいろな人がいます。立っているとなかなか周囲を見渡すことが出来ないのですが、座っていると結構周りの様子が見られて、ついつい観察してしまうことも。

楽しそうな表情の人もいれば、黙々と何かをやっている人もいたり、ほとんどの人がスマホ(僕も含め)なので、たまに本を読んでいると外国に来たような気分になることがあります。

阪急電車には、片手ほどの回数しか乗ったことがありませんが、沿線の街並みや乗り合わせる人たちの「関東とは違う感じ」がとても新鮮でした。

様々な人の人生を運んでいるのだと思うと、毎日きちんと動いてくれる電車の有難みを感じます。何よりも、本当に色々な境遇があって、また生きている人がいるんだなぁと元気になる作品でした。


スイート・ホーム
原田マハ

涙と同じくらい、唾液も出てくる作品でした。

幸せの味、それを体現しているかのようなスイーツは、インスタ映えなんて言葉ができるくらいに、当たり前で憧れの存在なのかも知れません。

作り手の心を込めた作品を、大事にいただいて、そして自らのスイート・ホームを、もっともっと磨き上げたいと思うのでした。

久しぶりの原田マハ、かなり、来ました。作中の場所柄、有川浩のあの作品にも似ていて、男ですがキュンキュンなのも、嬉しい誤算です。

様々な意味で、ごちそうさまでした。

本屋で見かけた表紙にぐっと来て購入した作品でした。

読んでみると、なにやら阪急の文字が・・なんと阪急の創立記念に合わせて委嘱された作品のようで、阪急の機関紙であるフリーペーパーには載っていたのだとか。おそるべし阪急。

そんなわけで、感想にも有川浩のことを書いていますが、同じような気持ちで読める、温かな、温かすぎる作品でした。こんな家族って素敵だなぁと思うし、身近なところに幸せなことがあるのかも知れないとも思うのでした。

ケーキ屋を続けていくのは一筋縄では行かないけれど、どんなお店にもストーリーがあって、人が考えたり泣いたりしていて、新しい人がまた関わるといった感じがとても良かったです。

阪急は鉄道だけでなく、マンションなども手掛けていますが、一番有名だけど阪急の影が薄いのは、宝塚ではないかと思います。「タカラジェンヌの父親は阪急です」というコピーを見て、ハッとしたものです。

ありえない物語の小説ももちろん楽しいのですが、身近で隣にいそうな人たちを温かく描いている、この2つの作品は、どんな電車に乗っていても楽しめるはずです。

旅行の友にも、おすすめします。

infocus📷さんによるサムネイル。阪急と言えば小豆色ですよね。紹介する作品をすでに読まれている時もあって、文章だけでなく作品すらも表現している感じが、本当にスゲーって思います(笑)

#推薦図書 #有川浩 #原田マハ #阪急 #電車  

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