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マジメ妻、やさしい夫

「じゃあさ、ママが鬼役やればいいじゃん」

節分の日、いかがお過ごしだったでしょうか。

我が家では、夕方から夜にかけて外出してしまったこともあり、「子どもは寝る時間!」と言い続けていた時刻から、素知らぬ顔で豆まきを始めることにしました。

それまでに、慌てて恵方巻きのようなものを作り、大人は黙々と、家族でいそいそと食べ切りました。具は卵焼きとベーコン、いくらを好きなように組み合わせるタイプ。

豆まきそのものは、保育園でもやるし、近所の神社でやっているのも参加していたベテランの子どもたち。これまでの数年間、我が家の豆まきには、鬼は出てきませんでした。

僕の実家では、豆まきはしていましたが、鬼の出てこない平和スタイル。むしろお小遣いや、お菓子の当たりくじも一緒にまいていました。

教育的には、まだ幼い子どもたちに、そのまま踏襲するわけにはいかず、豆まきそのものをやろうと、毎年続けているのでした。

が、鬼がいないことに疑問もある子どもたちから、鬼来ないの?と聞かれて、僕は自分がその役になる可能性も高かったこともあり「ウチは鬼いないよ」と返していました。

妻も「鬼は人の心の中にいるのかもね」と深淵なるコメント。

しかし、豆まきに盛り上がりを求めた子どもたちから、鬼役に指名されたのは妻でした。

そんなこともあろうかと、恐ろしい鬼の面を用意している・・はずもなく、渋々引き受けた妻。玄関から静かに出ると、しばらくしてドアを素手で叩き始めたのでした。

ドンドンドンドン

きゃー!と悲鳴とともに豆を投げつける子どもたち。まぁ、最初から正体知ってるから楽しいのかな・・、と思って安心しました。

しかし、リビングに場所を移したとき、ドアをドンドン叩く音が意外と大きく、4歳児が泣き出してしまいました。アピールのための泣きなので、声が大きいのです。

そうなると豆まきどころではなく、宥めるのに必死。ようやくうとうとしていた赤ちゃんが起きないように、まだ豆まきをしていた上の子も制止しながら、ごめんね、大丈夫だよ、怖かったねのリピート再生。

ようやく落ち着きを取り戻して、豆まきを再開しましたが、鬼は完全に外に出てしまったようで、穏やかな豆まきでした。

怖い存在をチラつかせて、子どもたちを静かにさせるのが好きではない僕。

大人になっても節分の鬼ですら怖がっているのは僕なのです。鬼役は豆が当たると痛そうですし。

家族で父親が鬼役をやるという豆まき、多くの家庭で行われているかも知れませんが、我が家では母親が鬼役でした。


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