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本を片手にほおばろう #おむすびの輪 #書もつ

毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。

読書の秋でもあり、食欲の秋でもありまして。僕がこれまで読んできた本の中から、「おむすび」を連想させる作品を選んでみました。作中に登場するものもあれば、出てこないものもあります。

それぞれの作品を思い浮かべながら、日本人とお米のむすびつきが「おむすび」というごはんを生み、言葉を作り出しているのだと気が付きました。

読書も食欲も、両立できます。

「生きるぼくら」原田マハ

アート作品をモチーフにした小説が有名な作家の作品。文庫本の表紙は、その作家が好きな画家によるものです(単行本は、のどかな装丁です)。僕が読んだ当時の読書メーターには、「日本に生まれてよかった!」と書いてあるくらい、感動する話でした。

生きることに疲れ果て、死のうとした主人公が、逃げるように向かった山郷で待っていたのは、米作りでした。思い通りにいかない自然を相手に、思い通りにいかない人たちと一緒に、主人公が米を作る様子に、いつの間にか村人のひとりのような視点で応援したくなりました。主人公は梅干しが苦手、というのは親近感を感じるポイントです。

米作りの方法もきちんと描かれており、農家のかたの苦労を知ることができます。命をつなぐ食事、その食事の要となる米を作り、炊き立てを食べたときの感嘆の表現は、説得力がありすぎてお腹が空きます(笑)。

「ごはんぐるり」西加奈子

作家による食事関係のエッセイは、とても多く出ています。僕も食べることが好きなので、ついつい読んでしまってお腹を空かせてしまうことが多くあります。食欲をそそる赤い装丁のこの作品では、庶民的なごはんから、海外に暮らした著者の経験も語られ、巻末には書下ろしの小説もあって、気持ちとしてはお腹いっぱいで読み終えられました。

異国の地(エジプト・カイロ)で子ども時代を過ごした著者の記述には、白米のありがたさを感じずにはいられませんでした。日本人ながらも日本食に強くあこがれるという経験は、これまでの暮らしで感じることがなかったのでショックでした。いかに自分が当たり前に食べているのか、感謝の気持ちを忘れていることを思い出させてくれます。

色々な食べ物系エッセイの中でも、人との関わりを中心に描いている印象があり、とても心地よく読めました。料理教室、BBQ、旅などを通じて、食べることと生きることが、人によってつながっていることが見える作品でした。

「ローマ法王に米を食べさせた男」高野誠鮮

石川県の羽咋市で働く公務員の方が、スーパー公務員と呼ばれるようになるまでの経緯が、ご本人の言葉で語られている作品。地域で作られている米をブランディングし、試行錯誤のすえに、ローマ法王に献上するという付加価値づくりがとてもインパクトがあります。

でも僕は、地域創生や農村再生として現代的に語られる、過疎の村の再興の様子こそ、公務員としてやるべき仕事なのだと強く感じるのでした。

調べて調べて、どんどんやってみて修正していく・・いまではなかなか難しい仕事のやり方かもしれませんが、様々な仕事で応用が出来そうな考え方が紹介されています。

ただ、個人的な言葉で書いている部分も多く、とても我が強い筆者の人柄が伺えます。これを読む限りでは、破天荒な職員さんで周りからもなかなかに煙たがられてしまっていたのかなぁと思います。一緒に仕事するのは、結構大変なのかも知れない・・としり込みするくらいの迫力を感じました。


読んだことある!という作品があれば、ぜひコメントください。読んでみたい!と思ったかたも、ぜひコメントをいただけると嬉しいです。どの作品も、旅の要素も強くて、旅への思いも募ります・・妄想おむすびツアー・・あぁ、おなかすいてきた(笑)

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タイトルフォトは、フォローしているinfocusさんに作っていただきました。お会いしてないのに、友達のように僕の心の中が分かるというか、期待以上に素敵な作品を贈ってくださいました!初のテキスト入りフォト。やった!

いつも素敵なタイトルフォトだなぁと思っていたので、ほんとうに嬉しいです。ありがとうございました!・・実は、続々お願いしています(笑)

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さらに、この記事はフォローしているハスつかさんの企画に乗っかりました。いつもの #書もつ  シリーズを #おむすびの輪  バージョンに。

「おむすび」から作品を連想するのは、とても楽しい時間でした。

読んでいただきありがとうございました!

#おむすびの輪 #推薦図書 #米づくり #原田マハ #西加奈子 #高野誠鮮 #食べる #自然 #地域おこし #空腹

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