はじめまして、作家さん #書もつ
毎週木曜日は、読んだ本のことを書いています。
今回は、読書の秋ということでお気に入りの作家さんの紹介をします。選ぶのに悩みまくって、書くのに時間がかかってしまうので、あまり多くはないですが、ご参考まで。
その作家さんと初めて出会った作品を紹介します。
総理の夫
原田マハ
あり得る設定だけに、とても身近な存在のような作品でした。
若者の政治離れが進んでいるとかいないとかではなくて、興味を持ってもそれが無駄になってしまう気がして、関わるのが怖くなっているのかも・・と思ってしまいました。
夫という視点で見る総理に興味が湧き、さらに完璧な人物であることに感心し、やはりフィクションだったという爽快感を感じられる作品でした。細かすぎない描写は、読み手に委ねる部分も多く、とても読みやすい印象でした。ほかの作品も読みたい。
初の女性総理・・最近、政治の場面でも、日常でも、女性が活躍することへの障壁のような見えないようで見えすぎる壁を感じます。この作品は”夫”という男性の視点から見た(と言ってもとても細やかで、誰かに似ている気がします笑)、女性が活躍することへの期待を鮮やかに描いています。
物語としても魅力的ですが、すぐそばにいる人たちが政治に関わっているという感じで、身近でとても明るいキャラクターで、あっという間に読んでしまいました。
事細かに書き込む小説がある一方で、適度に行間があることで無理なく時間が過ぎていくことは、物語に推進力が加わったような、そんな体験ができました。
この作家さん、以前別の作品を紹介しましたが、アート系の小説がとても素敵なのです。とはいえ、まだ紹介できないのは、単なる出し惜しみです(笑)
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天国までの100マイル
浅田次郎
心臓を患った母のために、病院を目指す100マイルの旅。命の重さ、家族の存在意義、そんな月並みな言葉でしか語れない僕に、突きつけられた緊迫の時間でした。
ただ、物語はとても穏やかで温かな人々との交流や、親子の関係性が描かれ、ドキドキしながらもところどころでほっとするような緩急がありました。
果たして天国とは、どんな場所なのでしょうか。死という絶対的な存在の緩衝材としての天国ではなく、誰もが幸せにいられる場所はあり得ないのでしょうか。
そして、いま考えるのは、仮に人間が作り出した天国があるとして、天国を作り守る人たちは疲弊していかないのだろうか、ということ。
この作品から、僕はこの作家さんの作品をかなり読みました。人への希望があふれる物語は、読み手を勇気づけます。
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三匹のおっさん
有川ひろ(有川浩)
書店でその作家さんの平積みがありましたが、名前がひらがな表記になっていました。いつの間にか変わっていました。もしかしたら、性別がわかりにくいから、柔らかなひらがなにしたのかな?と思いました。
というのも、僕は大変失礼なことに、この作家さんを男性だと、もっと言えば、この作品のような"おっさん"だと思っていたのです。
だから、この作品を読んだときには何ら違和感なく読めていたのですが、恋愛ものの完成度の高さに驚いて、どんな人なんだろうと写真を探したら、女性だったのです。ほんとうに申し訳ない・・。
ドラマ化されたこの作品は、大人版の「ズッコケ三人組」(那須正幹の児童書シリーズ)のようで、とても楽しく読めました。地域の課題に、独特の理論で迫り解決する勧善懲悪の明快さは、小説の醍醐味です。
実際に、男性がこの年齢でつるむと言うのはかなりレアな感じがしますが、そういう友情っていいよなぁと思うのです。
現実社会においても、高齢男性はなかなか外に出ません。元気なのは女性が多い印象です。もちろん、みなさんお元気なのだから外に出るべし、ではないのですが、経済的にも人手としてもまだまだ活躍できる人たちが多いのではないかと思うのです。
得意を活かして、誰かの役に立つことは、何歳になっても嬉しいことだと思うのです。ただ、現実にこのおっさんたちが現れたら、と考えると・・・。また読み返したくなってきました。
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note主催の「読書の秋2020」が気になります。
本を紹介するというよりも、本を絡めて自分を見つめ直す・・みたいなことが書けると、楽しいよなぁと思っています。
新しい作家さんとの出会いも、楽しめそうです。
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