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インナーチャイルドを癒す②

インチャを癒したあとのカタルシスは、なんとも言えない快感であり癖になる。あれ以来、毎日時間を作っては、幼少期の心の傷をシラミつぶしに癒している。なんと言っても心の変化が凄まじいし、確実に引き寄せ力が上がっているのを肌で感じる。もはや、もっと他に心の傷がなかったっけ?と探すレベル。

ところが、インチャワークを続けていくうちに、得体の知れない謎の恐怖心が心の奥の方から湧いてくるようになった。心配になって調べてみた。インチャを癒すと、今まで固まっていた心が動きだすので、感情が不安定になるのはよくあることなのだそうだ。ならばそのうち治まるだろう、と思っていたのだが、恐怖心は日に日に大きくなっていく。そのうちに、何をしてても平常心ではいられなくなってしまった。

このままだとおかしくなる!どうにかしなければ!と思い、再びインチャについて検索。すると、「インチャを癒していくと、奥の方にいたインチャが『自分のことも癒して欲しい』と言って出てくる。」という説を発見。これだ!と感じ、早速恐怖心と向き合うことにした。

しかし、恐怖を感じた記憶なら毎日癒している。この感情の出どころとして思い当たる過去の記憶がない。なんだろう?無職のまま仕事が決まらないことに恐れを感じてるだけなのかな?等と考えながら、この謎の恐怖心を掘り下げていく。

最初はインチャの反応は無かったが、根気強く掘り下げていくと、恐怖心はどんどん大きくなっていく。やがて心が支配されてしまった。息が苦しい。怖い!助けて!そして、泣く、叫ぶ、暴れる、うずくまる、と自分の身体がセーブできない。このままだと、自分が自分でなくなって、取り返しのつかないことになるかもしれない。インチャワークを中断することも脳裏をよぎったが、きっとこれはチャンスだ。このまま続けよう。おかしくなったらなったで仕方ない。そもそも元からおかしいし。

恐怖に支配され泣き叫びながらも、この感情の出どころはなんだろう?ここまで怖い体験なんてあったっけ?と記憶を遡る。いや、ない。だってこんな恐怖、命の危険にさらさr………

!!!!!

そうだ!私は小学校入学直前のあの日あの場所で、感情的になったあの人に酷い暴力を振るわれていた!そして首を絞められ殺されかけた!!

まるでついさっきの出来事のように鮮明に思い出す。何故こんな大事件を忘れていたんだろう。というか、記憶から抹消されていたんだろう。もしかすると解離性健忘の一種なのか。これが恐怖心の正体だったのだ。過去を思い出し感情を出し切ったことでインチャは癒されたのか、いつの間にか恐怖心はなくなっていた。我に帰ると、涙と鼻水と汗と涎とでグチャグチャになりながら呆然としている自分がいた。時計を見ると、既に3時間が経過していた。

そして、この日を境に私の心から恐怖という感情が消えた。今も心はとても平安である。

きっと、幼少期の酷いトラウマを抱え、意識無意識に関わらず傷ついたまま生きている人は沢山いると思う。そして今現在、辛い体験をして将来大人になる子どもたちも。私にはその人たちを救うことは出来ない。しかし、この記事が傷ついた見知らぬ誰かにとって、辛い過去から解放される何らかのきっかけになれば幸いである。


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