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心療内科は先生との相性が大事?口コミ見るべき?

適応障害になって初めてお世話になった心療内科。
この1年ちょっとで二つの病院を経験した。

心療内科に抱いていた最初のイメージは「先生との相性が大事」というもの。
最初それを聞いたのは後輩から。
パニック障害の診断を受けた後輩に心療内科はどんな感じか聞いたとき、「診断されたことで安心しました。でも私の周りでもよく聞くんですが先生との相性が合わないと結構大変かもしれません…」
その子の周りで心療内科の先生と相性が合わず病院を探し歩いたという人もいたようだ。
その後私の弟も心療内科にお世話になった。
弟はそもそも病院でさえ行くことが厳しい状態にあったのも影響しているかもしれないが、病院の先生と全く合わなかった。
両親が付き添って行っていたが両親も同様のことを言っていた。
「なんだか本当に心療内科の先生なの?というような発言や態度をされた。すごく上から高圧的な印象で、なんのために病院に行っているのかわからない。」
次第に弟は「あの先生ともう話したくない」と言い行けなくなってしまった。
ただ薬をもらう必要があったため、1ヶ月に一回両親が病院に行き状態を説明し薬を処方してもらっていた。
母一人で行く時と父も一緒に行く時とでは先生の態度がかなり変わるらしい。
母も次第に「あの先生には助言を受けに行くのではなく、お薬を処方してもらうためだけに行っている。」と言っていた。

大学病院などの大きな病院と、個人病院でも違いがあるかもしれない。
どちらかというと寄り添いや助言を求めるのであればカウンセリングが良いのだろう。
私が今通っている心療内科にはカウンセリングが別で設けられており、患者の希望によってはカウンセリングを受けることも可能なようだ。
心療内科はあくまで患者の状態に合わせた薬を処方する場所という認識でいた方が、最初のギャップを避けられるかもしれない。

私はというと、二つの病院どちらもありがたいことに先生との相性はいい方だと思う。
初めて心療内科を探した時、なるべく家から近い場所を探していた。
そして口コミを見て、引っかかる口コミがある病院は候補から外していた。
たまたま家から徒歩10分弱のところに評価の高い個人病院があったのでそこに行ってみた。
先生は物腰柔らかで寄り添いながら話を進めてくれる先生だった。
評価が高いのも納得できた。

東京に引っ越してきて新しい心療内科に転院しなければならなくなった際も同じ手順で病院を探した。
ただ口コミを見ると最初の病院と同じような評価の病院はなく、どの病院の口コミも気になるコメントがあった。
ただハローワークの手続きもあったため悠長に探している場合でもなく、通いやすい場所で院内が綺麗、そして評価が低すぎない今の病院を選んだ。
今の病院は数名の医師が在籍し、患者によって担当の医師が異なる。
口コミで名指しで批評を受けていた先生がいたりして気になっていたのだが、なんとその先生が私の主治医となった。
口コミを見ていただけに呼ばれた時は緊張して身構えてしまった。

正直、人によって合う合わないかなりはっきり分かれそうではある。
私が受けた先生の印象は、堅く愛想はお世辞にもいいとはいえないが、医師として患者に腰を低くしすぎず一定の距離を置いているというもの。
いろんな患者さんがいて、中には自己判断で薬をやめてしまったり、薬について先生に指示する方もいるだろう。
その場合医師として正しい指導をしなければいけなくなる。
あまり物腰柔らかく寄り添いすぎて、立場を曖昧にしてしまうことは患者の治療のためにはならない。

私の適応障害へとつながるものの一つに元上司の不適切な発言があるのだが、それを話した時主治医がこう言ってくれた。
「そんな奴がいるのか!?そんなこと言うやつの方がおかしいぞ!ありえないな、なんだそれ。本当にありえない。」
誰よりもその上司へ怒っていた気がする。
そして帰り際にこういった。
「そんな変なやつにこんなに明るい人が攻撃されるなんてことあっちゃいけない。よかったその環境から離れてくれて。」
少し言葉使いは気になるが、そうやって怒ってくれる人でよかったなと安心した。

何回か診察を重ねると私の出身地に関する話なんかもしてくれて、診察室で笑い声が響いたり話が盛り上がったりしている。
薬が現状維持な理由もしっかり説明してくれるし、帰り際にはいつも気をつけて帰ってねといってくれる。
今日も仕事が決まった話をしたからか、帰り際に「まぁたまにカフェでゆっくりコーヒーなんか飲んで気分転換しながらね、無理せず」と声をかけてくれた。

決して愛想がいいというわけではないが、先生の言葉がけには医師としての優しさを感じる。
10分程度の診察だけだが、いつもいい気持ちで診察室を後にする。

そう考えると口コミはあまり当てにしすぎない方がいい。
口コミを書いている人の状態によってかなり大きく良し悪しが分かれる。
その病院の利用者全員が必ず口コミをしているわけではなく、その病院を利用して特に思ったことがあった人や、大きな感情の変化があった人が主に口コミを投稿するのだと思う。
私も病院ではなく飲食店の口コミを書きたくなるのは、店員さんのサービスが特に素敵だったり、ご飯が特に美味しかった時。
もちろん世の中には、ポジティブな感情のへんかではなくネガティブな感情の変化があったときに口コミを書く方もいるだろう。
このように口コミのような個人の好みや状態によって差があるものを、自分の判断のメイン道具にするのはおすすめしない。
あくまで参考の一つとして頭の片隅に入れておくものにしておきたい。

病院の先生も人間なので、人間同士合う合わないはどうしてもあるものだろう。
もし本当にこの病院は合わない、通院するのが辛い、どうしても先生の言い方や言葉で傷ついてしまうという方は、病院を変えてみてほしい。
ただその前に、自分がどんなことを病院に望んでいるかも少し考えてみると、次に病院を選ぶ際に役立つかもしれない。
薬の処方だけしっかりしてくれたいいのか、それとも話を聞いてほしいのか、今どう過ごしたりこの先どうしていったらいいかを相談したいのか、それによっては心療内科ではなく、カウンセリングに通うという選択肢も見えてくる。

せめて病院くらい、自分の状態にあった環境で、心穏やかになれる時間を過ごしてほしい。
頼りになる専門家だからこそ、心強い居場所になるようなところに通ってほしい。



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