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「優秀な知人を紹介してください」というリファラル採用は終わった

3ヶ月ぶりのnoteの更新になりました、ご無沙汰もなきです。
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さて、今回は
「優秀な知人を紹介してください」というリファラル採用は終わった
というテーマで書こうと思います。タイトルだけ聞くとややセンセーショナルで反感を買いそうですが、タイトルだけで目くじら立てずにお付き合いください。

◆「低予算採用」をテーマに登壇することに

なんでこんなnoteを書いているかというと、11/13(水)の夜に、こんなイベントでお話をすることになったからです。

「低予算でもマッチする人材を採用する」というテーマです。
そこで何を話そうかなぁと準備をしている中で、最近思ってたことをついでにまとめました。

前提として、そもそもですが「大手でも中小でも採用にかけるお金は、惜しむべきではなく、適切に投資をした方がよい」と僕は思っています。そう言うと、転職エージェントの仕事もしている人のポジショントークのように聞こえてしまうかもですが。まあ下手にケチって、ミスマッチ採用してしまったら後が大変ですし、人材への投資は事業成長の肝ですからね(詳細省略)。

◆低予算採用の背景

「予算をそこまで割けられない」、つまり「低予算採用」をしなければいけない背景は会社によって色々あると思います。
・起業仕立てのスタートアップで初期メンバーを集めたい
・会社の方針で採用予算がこれまでよりも削減されてしまった
・経営層からエージェント経由採用比率を減らすよう言われた
等々

「低予算採用」を具体的に言うと、転職エージェントや求人広告や、ビズリーチやGreenなどのスカウト媒体をガンガンに活用できないってことです。

ただ、仕事柄、色々な経営者や採用人事の方々とお会いする際に「採用コストを下げたいんだよね」という話を聞くのですが、そもそも、楽して低予算で採用できる手法なんてありません。一緒に働く仲間を探すというのは、会社の事業成長に大きく影響する判断だから探すのも大変だし、予算を下げたからって採用基準が下がるわけでもありません(たまにそういう企業もありますが後でしっぺ返しを食らいます)。

なので、低予算採用の必要性があったとしても、自社へのマッチ度基準は下げずに未来の仲間を見つけられるかを考えなくてはなりません。人材紹介や求人広告経由での採用に慣れてしまっていた会社には、頭を悩ます話です。

◆費用×工数で見る採用の代表手法例

一般的に、採用にかかる費用の大小と、採用にかかる工数の大小を4象限で分解すると下記になります。代表例として4つ(人材紹介、求人広告、スカウト、リファラル)を入れました。

低予算セミナースライド

(下記4つの説明はHRに関わる人には当たり前すぎる話なのでざっくりと)

人材紹介:一般的にはエージェント側が求人作成、応募喚起、事前ジャッジ、日程調整、進捗把握などもおこなってくれるので採用にかかる工数は減ります。その分、年収×30~35%のフィーが発生するので、中々の費用が発生します。まあ、最近はむしろ人材紹介経由がいろいろと工数がかかってしまうケースもありますが…。工数かかるエージェントは潔く取引やめましょう。

求人広告:打ち出し方の工夫で改善できる部分はあるとはいえ、自社が求めているターゲットと外れている方の応募もどうしても多数発生するので、書類選考やNG連絡の工数は多く発生します。また、選考に進んだ候補者の意欲把握や日程調整等も全て自分たちで対応することにります。最近は成果報酬型の求人広告などもありますが、工数がかかる点では基本的には変わりません。

スカウト(ダイレクトリクルーティング):会いたいと思う方にアプローチするのでマッチ度は高いものの、アプローチする人の選定や、良質な1to1メールでアプローチすること、本選考に乗ってもらった後の応募喚起や日程調整に工数(とスキル)がかかります。加えて成功報酬金額も人材紹介の半分位ですがかかりますね。

リファラル:費用がゼロのこともありますが、社内でインセンティブを設けていたり、有力候補者との食事代を会社負担とするなど、多少の費用はかかりますが、調整もスムーズに進みやすく、入社後のマッチ度も高いことが多いです。併願がないケースも多い点も魅力ですね。

◆リファラル促進キャンペーンは一過性になりがち

なので、上記の4つだけを見ると、低予算採用は
「よっしゃリファラル頑張ろうぜ!」
みたいな話になりますよね。

そのために、人事やプロジェクトリーダーを中心に
「うちに合いそうな優秀な知人を紹介してください!!」
を声大きく発信し、施策として、社員紹介インセンティブ金額上げたり、5,000円/人の飲食代を会社負担にしたり、会社ラウンジでピザパーティやったり、社員のOKRにリファラル目標入れたり、チーム作って社内で競い合わせたり、、、することになるわけです。。。

もちろん上の施策や継続性はムダではないですが、一定期間すると
「もう声かけられる人はかけちゃいましたよ」
の言葉が増えていきます。まるで、保険会社に入社した人が親族と友達にあたりきった直後のような様子です。へたすると、知人への声かけをちゃんとやっていなかった人も上記の台詞を言っちゃったりします。

当たり前ですが、知人の数も限界がありますし、そもそも優秀な人はどこかで重宝されて活躍してるので気軽に声かけられるものでもないです。あとは、その社員の自社へのエンゲージメントの高さも関係してくるので、難しい話です。

リファラル1

◆そもそも「リファラルを頑張る」という言い方がおかしい

じゃあ、社員の知人を採用するリファラルがもう終焉なのか、頑張らなくていいのかというともちろんそんなことはなくて。
結論としては、僕は「リファラルを頑張る」って言い方がおかしいのでは、と思うんですよね。そして、リファラルの考え方はもっと拡げて考えるべきだと思うのです。

そもそも「リファラル(referral)」の動詞は何かというと「リファー(refer)」です。「refer」の意味としては

referの意味
言及する、参考にする、照会する、口に出す
呼ぶ、参照する、触れる、問合せる

つまり、「リファラル(referral)」って自社社員を起点に不特定多数の方々に発信された情報を通じて生まれた候補者の接点を広く指すと考えてよいのではないかと思います。過去の同僚や仕事関係者や学校の友人を自社に紹介することに限りません。

じゃあ
その人から繋がる不特定多数の方々に発信された情報
って何かというと、SNSです。もちろんここにはリアル接点がある人もない人も含まれてきます。僕はTwitterのフォロワーさんが2,800人位いますが、リアルで会ったことある人は200人くらいかと思います。

これまでのリファラルだったら
「あいつ転職考えてるって言ってたな」
「キャリア悩んでそうだな」
「俺が声かけたらついてきてくれるかもな」
という方(下記図の赤色)にピンポイントでアプローチしていました。

今後のリファラルは、起点となる社員は認識していないけど自社に興味を持ってくれている知人やフォロワーさんも対象(下記図の黄色)となってくると思います。そして、こちらからアプローチせずとも、自然と声がかかる状態が作られていけるのが理想です。イメージは下記の図です。

リファラル2

「進化形リファラル」と勝手に名前をつけていますが、要は社員一人一人が1つのコンテンツとして情報発信を継続し続け、自分の仕事や価値観、やり甲斐や同僚との様子、自社の課題や変化などを発信していく。その中で、カルチャーや価値観をきちんと理解してくれた人の方が、「自分にも何かできないか?」と声をかけてもらい、そこから仕事に繋がったり、採用に繋がったりすること、を指しています。

つまり、「リファラルを頑張る」→「知人へせっせと声かけをする」ということではなく「SNSを活用した発信を継続的に続けるカルチャーを作る」ことが大事だと思っています。
いいこと言ってるツイート見つけたので貼っておきますね
(あ、自分のだったわw)

ちなみに、冒頭の4象限にざっくり当てはめると、こんな感じです。
※下記のWantedlyはフィード記事等の発信で自社を広報していく機能を指しています。

SNS→リファラルへ

◆じゃあ結局何をしたらいいの?

継続的でオープンな発信が人との繋がりを生み、いざという時の採用にも繋がることは分かったけど、じゃあそもそもSNSで何を発信したらいいの?という話になりますが、正直ここから先は僕も模索中です。

インフルエンサーならまだしも、単純にフォロワー数増やすのがいいとも限らないし、社名出し顔出しでやることのリスクももちろんあると思います。また、短期的な成果が見込めるとも限らないので、運用コスト対効果を上司から問われたら上手く答えられない、という人もいるかと思います。

総じて、社員のSNS発信は積極的に許容していった方がいいと思っていますが、正解のやり方なんて存在しません。みんな模索中です。

一つ言えるのは、知人を通じて語られた言葉が付与された情報は価値を持つ、ということだと思っています。メルマガで届いた本のお薦めはスルーしても、知人の読書レビューを見たら読みたくなるのと近いですね。

この辺りのSNS発信の活用方法については、色んな人達と語りながら解を見出していきたいと思っています。

てことで、強引に冒頭でお伝えしたセミナーに繋げてみました。笑

Twitterで知り合った初めましての方もいらっしゃるみたいですし、
Twitterで馴染みの人もいらっしゃるみたいなので、
当日色々とお話しできるのを楽しみにしています。

あ、TikTokが採用に繋がることもあるの?
という話は、一緒に登壇する中野くんに話を譲ります。笑

それではまた!

もなき

サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。