ミスマッチの美学
お寺でモーニング。
これを聞いたら、だいたいの人は、「は?」と聞き返してしまうだろう。
お寺 → 渋い
モーニング → オシャレ
…なんだかミスマッチ。
ちょっと前のわたしも、そう思っていた。
築地本願寺には「Tsumugi」というオシャレなカフェがある。
そこのモーニングは、いわゆる"映えメニュー"としてメディアにも取り上げられ、話題になっていた。
わたしも、この映え戦略にまんまと乗っかり、友人と「お寺でモーニング」を体験してきた。
朝のお寺を眺めながら、おだやかな気持ちで一品一品あじわう、至福のひととき…
となることを想像していたのだが…
気づけば境内には、カラフルな法衣のお坊さんがズラリ。
浄土真宗の開祖、親鸞の誕生850年の記念行事が行われていた。
映えメニューがかすむぐらい、映える境内…
おそらく数十年に一度見られるかどうかの、レアな光景に気をとられていると、
「そういえば、ここってお寺っぽくない建物だよね」
何気ない友人のひとことにハッとする。
確かに。お寺と言われて思い浮かべる姿とは、まったく違う。
わたしの中では「築地本願寺とはこういうものだ」という感じで、友人に言われるまで、何の違和感も持っていなかった。
修学旅行などでよく行くようなお寺は、だいたいが木造の瓦屋根。
それに対して、築地本願寺はコンクリート造りでタマネギ屋根。どこか大正の香りも感じられる。
興味がわいて、その場で調べてみると…
この建物は、古代インドの仏教建築をモチーフにしたとか。
うんうん、木造のお寺は中国から来てる感じがするけど、タマネギはインドっぽい。わかるわかる。
さらに…
本堂にはパイプオルガンと、ステンドグラスがあるらしい。
「は?」
お寺ですよね?
キリスト教会の象徴のようなものが、お寺に?
お寺でモーニングもそうだが、お寺にパイプオルガンも、ステンドグラスも…なかなかのミスマッチ。
築地本願寺って、けっこう由緒正しきお寺なんじゃないの…?イメージに反して、こんなにチャンポンな面があったんだ…
正直、驚いてしまった。
でも、築地本願寺は「こういうものなんです」と、凛と佇んでいる。
良いものは良いと取り入れて、それを誇りに思ってきた人たちが繋げてきた結果なのかもしれない。
ミスマッチの美学。かっこいい。
ただただ、映えメニューに吸い寄せられて来たはずだったのに、築地本願寺そのものに思いを馳せることに。
お寺でモーニング、良いミスマッチだった。
築地本願寺の朝ごはんは、2024年やりたいことリストのひとつ。いろいろチャレンジしていくと、新しい引き出しができておもしろい。
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