国が変わればゴミの概念だって変わるのだ
いままで特に書く機会がなかったのでまったく触れてこなかったのですが、10年以上前のことではありますが、インドネシアのジャカルタで暮らしていた時期があります。
夫の転勤のため家族でお引越し。
駐在員妻、略してチューツマ時代がちょこっとだけございます。
当時娘は小学校低学年、息子は幼稚園生でした。
私だって当時はそれなりに若く?文庫本の小さな文字だって難なくスラスラ読めたし、膝だって痛くなかったです。
あらやだ、なんか書いてて悲しくなってきましたよ😢
そんな加齢の話なんてどーでも良くて、インドネシアのゴミの事情をnoteを読んでくださっている皆様へご紹介いたします。
インドネシアのゴミの出し方
私が住んでいたのは10年以上前なので、現在どうなっているのかは分かりません。
なので、10年以上前のインドネシアはこんな感じだったのか〜、くらいの感覚でお読みいただければと思います。
インドネシアでのゴミの出し方について、勘のいい方は大体予想がついているかもしれませんが、その通り!
分別の「ブ」の字すらありませんでした。
燃えるゴミ、燃えないゴミ、プラスチック、ガラス、びん、缶、ペットボトル。
なんでもかんでもまとめて袋へポイ。
中が見えない黒いゴミ袋になんでも突っ込め、突っ込め〜。
半透明のゴミ袋なんてそもそも存在しませんでしたからね。
10年前の日本ではすでにゴミの分別は当たり前となっていましたが、10年前のインドネシアでは「分別?何それ?ゴミはどこに捨てても一緒でしょ」くらいの感覚でしかなかったように思います。
ポイ捨てが当たり前で、道路にはゴミがたくさん落ちていました。
道路に家電や大型家具の不法投棄とかはありませんでしたが、仮にもし不法投棄があったとしても、すぐに誰かが持ち去ります。
そしてうまいこと修理して商売するか、細かい部品に分解されてこれまた誰かが商売します。
ゴミは持ち去られるもの
インドネシアへ赴任して、先輩チューツマからゴミ出しの注意点を教えてもらいました。
1、ゴミ袋は誰かに開けられるものと認識する
これは基本のキでございまして、駐在員家庭から出るゴミは現地の人からすると資源の入った袋と捉えられ、換金できそうなものは持ち去られます。
ゆえに2、ゴミにプライバシーは存在しない わけです。
3、下着は切り刻んで捨てる
これは1、2、と繋がってまして、ゴミ袋は人に開けられるものなので、使い古した下着であっても、誰かの目に留まり場合によっては持ち去られるかもしれないということです。
女性陣からイヤーっという悲鳴が聞こえてきそうですね💦
私もこれを聞いたときはヒーっ😱となりました。
4、捨てる前にメイドさんに欲しいか聞いてみる
私達からすればゴミであっても、現地の人からすると換金できる資源なので、捨てる前にメイドさんを雇っているご家庭ならメイドさんに欲しいか聞いてみると大抵喜んでもらってくれます。
我が家にも家事をしてくれるメイドさんが通いで来てくれていたのですが、使わなくなったおもちゃ、古着、アクセサリー(おもちゃみたいな安物)、バッグ(ノーブランド)等、すごく喜んでくれました。
ジュースのビンやウォーターサーバーのボトルなども換金アイテムとしては定番です。
日本人の感覚からすると理解に苦しむものばかりですが、これがインドネシアでの常識でした。
テストの紙は屋台で再利用される
子どものテスト用紙を捨てるときだって気をつけなければいけません。
なぜかって?それはテスト用紙だって持ち去られてしまうことがあるからです。
テスト用紙ぐらい別にいいんじゃないの?
てか、そんなの持ち去って何に使うわけ?
と思われた方が大半かと思いますが、ちょっと想像してみてください。
我が子(あるいは自分)のテスト用紙が近所の屋台で包み紙として再利用されているところを。
なにそのシチュエーション。
レアケース過ぎて想像しにくいわっ。
ですよね、ですよね。
すみませんがあと少しだけお付き合いくださいませ🙇♂️
え、なんでうちの子(私・ぼく・俺)のテスト用紙が屋台で揚げバナナ包んじゃってるわけ?
昨日ゴミとして捨てたはずなのに。
しかも包んでるのが揚げバナナだから、めっちゃ油染みてるし。
なんとなく悲しくないですか? 私は悲しいです😢
おしゃれな雑貨屋さんが割れ物を英字新聞で包むのとは全然違います。
屋台のおじちゃん(なぜかおじちゃん設定)がテスト用紙をどうやって入手したのかはわかりませんが、日本のテスト用紙が屋台で重宝されている理由は想像がつきます。
おそらく紙質が良いからだと思われます。
日本の小学校でよく使用される白いテスト用紙は、わら半紙と違ってしっかりとした厚みがあり、油を吸っても破れにくく、揚げ物を包むのにピッタリ!
実際に私は我が子のテスト用紙ではありませんでしたが、日本語が書かれたどこぞのお子様のテスト用紙が、屋台の包み紙として再利用されている光景を目にしたことがあります。
うぉい、まじかい!
テスト用紙までゴミ袋から持っていかれちゃうんかい!
持ち去る人が日本語を読めないとわかっていても、知らない人に点数を知られるのはなんとなく嫌かも。
でも、ゴミだと思っていたテスト用紙を再利用してくれているのだから、これぞMOTTAINAIの精神。
10年以上前にはまだ浸透していなかったSDGs、持続可能な世界ってやつじゃない?
自分の常識は誰かの非常識
海外で生活していると、日本人の常識がまるで通用しない場面に出くわすことがままあります。
インドネシアのゴミ事情に関しては、まさにその連続でした。
先輩チューツマゴミ出しマニュアル(仮)なんてその最たる例です。
ですが、私たちがゴミだと思って捨てるものは、換金できる資源であり、暮らしを支える糧ともなります。
私がもう着ないからとメイドさんにあげた服。
彼女はとても気に入ってくれて、翌日に「着てきちゃった。私これとっても好き。」とニコニコしながら話してくれました。
機関車トーマスのおもちゃは、甥っ子にプレゼントしたと教えてくれました。
自分の常識が通用しないからと相手をなんだかんだと言ったりしているけれど、反対に相手の方からしてみたら、私こそが非常識なのでは?
まだまだ使えるもの、換金できるもの、再利用できるもの、それらをゴミだと言って簡単に捨てる日本人。
うわ、非常識なのも甚だしい。
「これだから日本人は」と思われていたのかな?
金目のものをポンポン捨てるいい金ヅルと思われていたのかな?
本当のところはわからないけれど、インドネシアで日本での常識、ゴミの概念がぶち壊されたことは確かです。
ああ、知らないことを知る、異文化に触れるって、めちゃめちゃ楽しい!
※トップ画像はみんなのフォトギャラリーより、AHIRU LIFE. アヒルライフさんのイラストをお借りしました。
ありがとうございます!
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
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