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女営業は損か得か

このテーマは、2021年の春を迎えたばかりのある日、日経産業新聞で見かけたとある記事を読んでいろいろと考えた末の産物である。


大変感銘を受けてスキャンまでしたので、せっかくなので貼っておきます。字が小さく読みにくかったらすみません…!

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プロフィールにも書いている通り、私は女性で、営業として4年半ほど働いている。弊社は職種別採用なので、私はこの会社にいる限り一生営業だし、それを望んで入社している。

「営業」特に「女営業」のイメージがどんなものであるか、おそらくこのテーマは個々人によって相当意見が分かれるものだと思うが、そのあたりの多様性には今回は触れずにあくまで私が新卒で入ったこの会社において営業をしていて感じたことを書いていこうと思う。

※業界、新規営業 or 既存営業、BtoB or BtoC、日系 or 外資、会社の中の営業組織の守備範囲など様々な要因で事情は全く異なってくると思うので、全ての営業がこうなんだとは思わないでください。



そういえば、私は女だった


ある意味、素晴らしいことかもしれない。

私は入社して4年半、思えば仕事をする上で自分が「女性である」と意識したことがまるでなかった。例えば男女で差を感じそうなことを挙げてみても、男性と同じように全国転勤はバンバンさせられるし(むしろこれは私が望んでいたキャリアでもあったが)、重いものも持つし力仕事も普通にあった。プレッシャーの強い企業を担当することもあるし、時には社内外の人に怒鳴られたりもする。昇進や異動に男女で何か差がついていたようにも感じなかったし、ましてや日常の会議や面談などでも性別を意識する機会なんて全くなかった。

「ちょっとこのままだと自分の中の女性性が消え失せる!」と謎の危機感を感じて、プライベートの男性とのアポイントで無駄に女性らしい服装・髪・メイク・振る舞いをつい増し増しにしてしまったくらい、仕事中は「自分は女性だ」と自覚するシーンがなかった。

男女平等やフェミニズムやガラスの天井や性差別反対云々が叫ばれ始めて久しいが、ビジネスの現場にいながら私自身はそれを全く肌で感じていなかったので、実は「なぁんだ、性別ってビジネスに関係ないんじゃん」くらいの感覚でいた。損だとも得だとも思わなかった。


そしてその感覚は年次が上がるにつれて濃くなっていった。

年次が上がるにつれ、金額規模の大きい企業を担当させてもらえるようになってきたからだ。

特に今担当させてもらっている得意先は、日本でトップレベルと言える金額規模を誇る巨大カスタマーである。(大変にありがたい)



早くも結論を言ってしまえば、「性を利用して事が動くようなビジネスはそもそも大したことない」と私は確信している。

私が今担当させてもらっている取引先のように、常に先を見据え、たとえ今の金額規模が大きくても少しでも気を抜いたら競合に出し抜かれかねない緊張感の中で日々真剣にビジネスと向き合っている人たちにとっては、信じられるものは性別を持たない「数字」しかないのである。

当然、何かの選択をする際の判断基準も、性別を持たない「数字」。

故に私たちも数字を起点に話をしないことには「お話にならない」わけで、性別だけでなく、それまでの人間関係がどれだけ深かろうと、なんとなくの「~だと思います」の言い回しにどれだけセンスがありそうに聞こえようとも、データベースでなければ全く意味をなさない。

長年営業をやってきたベテランのオジサマが「私の勘では~」と言っても、根拠になる数字がなければ「それはあなたの意見でしょ、時代は刻一刻と変わるからあなたの経験も信用には足らない」と取り合ってもらえないような世界である。

そんな方々を前に例えば私が色仕掛けをしたところで何の効力もないばかりか、「ナメてんの?」と捉えられ取引がむしろ危うくなるに違いない。


そもそも男性を誘惑できるような要素が私にない可能性は考えないとして(笑)、性別を利用してどうにかなるほどトップ層のビジネスは甘くなさそうだ、ということを書きたかった。




この仕事をもらったくらいのタイミングでちょうどTwitterで「若い女を営業に置くのは会社の戦略」のようなツイートを見かけた。(案の定、プチ炎上していたが)リプや引用リツイートまで見てみると、要するに「買う側が大体オッサンだから、若くて美人で愛嬌のある女性を営業にすることは賢い戦略なのだ」という意味だった。

それを読んだ当時は、はて…一応私も若い女営業のはずだが…?くらいに思ってスルーしていたが、後々「あれはレベルの低い会社の話だったんだな」と思うようになった。

気を悪くされた方がいらしたら申し訳ない。

でも、考えてみてほしい。

実際そうじゃないですか?


もちろん、性別を売り物にするような業界だったら話は違うでしょう。女性であること、もしくは男性であること、その中で更に性的に魅力的であることがそのビジネスにおける重要事項であれば。(ホストクラブとか…?)



若さと美しさと女性であることは「力」ではない


この記事の中で「性別と営業力には何の関係もない」と景山さんは言い切っていらっしゃいますが、ある意味そうなんだろうと思います。

「ある意味」と言ったのは、レベルの低いビジネスにおいては若い女性であることが契約に繋がったりすることがあるんだろうな、そしてそれが一見「営業力がある」ととられてしまうこともあるんだろうな、と思ったからです。

ただ、それはその女性の真の「営業力」ではないですよね。

若さや美しさを失った時、その女性はどうなるんだろう。

簡単に言えば「オバサン」になった時、そのオバサンはどう生き残るんだろう。もし若さや美しさだけでどうにかなってきてしまったオバサンがいたとしたら、その後は愛嬌だけで乗り切れるのか…?いや、オバサンになる頃には若い頃の実績で上の職位に就いていたりするのか…?

なんてことを考えてしまった。

気を悪くされた方がいらしたら申し訳ない。(再)




違う会社に勤める私の友人に、業務の範囲外なのにお茶出しを延々とさせられている子がいる。

彼女曰く、「女性が持ってきたお茶の方が美味しい」と言われるのだそうだ。

それはシンプルに味覚が異常ではないか?

もしくは視覚と味覚が相互に作用する共感覚者か?

気持ち悪いと思わずにはいられなかった。

が、きっとこんなことは日本の各地で起きているのだろう。私のいる環境が極めて恵まれているせいで日本のリアルを肌で感じられていないだけで。

でもこれが日本のリアルだとしたら、日本は大丈夫なのか?



もし性別がハンデになって仕事が滞っているような人がいたら、それは相手のレベルが低いだけなのでとっととその世界から脱しましょう。(男性も女性もです)

とっとと、なんて軽々しく言えることではない!と思われるかもしれないが、軽々しく言ってしまうくらいの案件です。

性別で何かを判断するなんてくだらないにも程があるので。

性別を忘れて働ける世界がいくらでもあるので。


偉そうに語ってしまった。疲れてるのかもしれない…明日はゆっくり寝ます。

では皆様おやすみなさい。

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