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水瀬先生、ここから先は違法です 第一話



あらすじ

成海菜乃花18歳の誕生日。目の前に突如現れたのは隣の家に住んでいた幼馴染の水瀬一咲。
成人年齢が引き下げられ、18歳成人となった菜乃花に「ずっと待ってたよ。結婚してださい」そう告げる。好きだった幼馴染に告白されて嬉しいはずだったのだけれど――。
幼馴染の狂愛は止まることを知らず。
一咲は菜乃花の恋敵を寄せ付けないため、菜乃花の学校に新卒の先生やってきたのだ。平凡だった日常は、18歳の誕生日を境に甘くて刺激的な日々に……⁉︎
この恋、禁断の恋だけど法には触れておりません!狂愛×禁断のラブロマンス。



キャラクター設定

成海菜乃花(18)
ごく普通の高校三年生
18歳を迎えた途端、幼馴染の水瀬一咲にプロポーズされる

水瀬一咲(23)
菜乃花の隣に住む幼馴染
昔から菜乃花に恋をしていた(狂愛なほど)
菜乃花が未成年だということを気にして、口説けなかった。
18歳を迎えた途端、今までセーブしていたものが溢れ出す
菜乃花を監視するため、菜乃花の学校に新卒の教師として働くことに。


第一話

〇冒頭
背景・粉雪が散る描写。
菜乃花モノ(私の初恋は隣の家に住む幼馴染。年上の彼は小さい私からすると、凄く大人で目が合うだけでドキドキした)
中学生の頃の菜乃花、遠くなっていく後ろ姿を見つめる。少し幼い風貌。
菜乃花モノ(だけど中学の時、この想いを伝えることなく彼はいなくなった。大学進学で上京したらしい)
背景・粉雪が散る描写
菜乃花モノ(私の初恋は、私だけしか知らない。他の誰に言うこともなく、溶けてなくなっていった恋だった)
菜乃花モノ(……と、思っていたのだけれど――。)


〇自宅・玄関前(夕方)

白い外壁の一軒家。
その一軒家の前に立つ男性(水瀬)の後ろ姿。
インターホンが鳴る。
「ピンポーン」

菜乃花「はーい」
菜乃花、玄関から出てきて驚いて固まる。
菜乃花「え、な、なんで?」

菜乃花モノ(息が止まるかと思った。そこにいたのは、かつての初恋の相手だったから)
水瀬「誕生日おめでとう」
水瀬、バラの花束を菜乃花に渡す。

菜乃花「え、覚えてくれたの?」
水瀬「あたりまえでしょ?」
にこりと微笑む水瀬。

菜乃花(いっくんが誕生日を覚えててくれるなんて思わなかった)
菜乃花「ありがとう…こっちに帰ってきてたんだね」
水瀬「ああ、これからはずっと一緒にいられるよ?」
菜乃花「ずっと一緒って?」
ぽかんとする菜乃花。
水瀬「誕生日おめでとう。成人するのを待ってたよ」
菜乃花「う、うん」
水瀬「卒業したら俺と結婚してください」
菜乃花「う、うん……えっ、なんて?」
水瀬の発言に驚く菜乃花。

水瀬、自分の腕時計を確認する。
時計の針が17時ぴったりを刺す絵。

水瀬「時間ぴったり。菜乃花は18歳だな。これからは成人した菜乃花に堂々と口説けるよ」
菜乃花「く、口説く?」

菜乃花モノ(4月◯日17時00分。私が産まれた時間ぴったり。18歳を迎えたての瞬間に私は人生で初めてプロポーズをされた。しかし、この状況が全く理解できない)
菜乃花(だって……理解できるはずもないよ。だって、目の前にいるのは、私の初恋の人で、私の前からいなくなった人だったんだから)

目を潤ませる菜乃花。




〇次の日・教室

自分の席に座る菜乃花。
夏希「菜乃花ー。同じクラスで良かったー!嬉しい」
菜乃花の元に嬉しそうに駆け寄ってく夏希。
菜乃花「私もだよー。新しいクラスで不安だったけど。夏希がいてくれてよかった」※元々仲が良い雰囲気。
夏希「ねぇ、新卒できた新しい先生、イケメンらしいよ!」
菜乃花「へえ、そうなんだ……」
興味がない様子の菜乃花。上の空な感じ。
菜乃花(昨日のいっくんは、なんだったんだろう……)
菜乃花(突然現れたと思ったら「結婚しよう」だなんて……ありえないよ!)
水瀬との会話を思い出して顔を真っ赤に染める菜乃花。机に突っ伏す。

ガラガラと教室の扉が開く
年配の先生:鈴木

鈴木「えー。わたしが担任です。よろしくお願いします」
男子生徒「え、また鈴木先生かよー」
ブーイングの様にヤジが飛ぶ。
鈴木「クレームは受け付けないぞー。副担任は今年度よりこの学校で働くことになった水瀬先生だ」
水瀬の首から下のスーツのカット
教壇まで歩いてくる


女子生徒「え、やばい!かっこいい!」
女子生徒「イケメンなんだけど」

ざわつく女子生徒たち。
菜乃花、机に突っ伏したまま気づいていない。

水瀬「このクラスの副担任になりました」
教壇の前に立って挨拶をする水瀬
菜乃花(あれ、この声……)
水瀬の声に反応する菜乃花。顔を上げる
水瀬「水瀬一咲です。よろしくお願いします」
にこりと微笑む水瀬
思わずがたッと立ち上がる菜乃花。
菜乃花「え、なんで……!」
驚く菜乃花に、応えない代わりに、微笑む水瀬。
鈴木「こらー。いくら水瀬先生がイケメンだからって、動揺しずぎだぞー」
どっと笑いが起きるクラス。
菜乃花「ち、違います……」
真っ赤にさせて静かに座る菜乃花。
ちらりと水瀬に視線を向けると、パチッと目が合う。
菜乃花(いっくんが副担任だなんて……き、聞いてないよ)


◯ホームルームが終わった教室
菜乃花(昨日会ったときに言ってくれればよかったのに……)
夏希「菜乃花、新しい先生かっこよすぎてびっくりしちゃったの?」
菜乃花「ち、違うよ!」
からかってくる夏希に、食い気味に返答する菜乃花
菜乃花「だって……」
水瀬との関係を言おうとして固まる菜乃花
菜乃花(いっくんとの関係はきっと言わないほうがいいいよね)

水瀬「成海さん? ちょっといいですか?」
教室前ドアからひょっこり顔を出して、菜乃花を呼ぶ水瀬
どきっとする菜乃花
夏希「菜乃花? 水瀬先生に呼ばれてるよ?」
菜乃花「あ、うん……」
菜乃花(ど、どうしよう。昨日のこと……だよね?)
菜乃花(逃げようかとも思ったけど、クラスメイトから見れば、生徒を呼び出している副担任と、副担任に呼び出されている生徒。)
菜乃花(ただただ、それだけなので逃げることは逆に不自然だ…)
あたふたと動揺する菜乃花。ゆっくりと水瀬の元に歩いていく。

水瀬「昨日のことだけど、どうして急にいなくなったん……(いなくなったんだ?と聞こうとして止められる)」
菜乃花「わーー!!」
水瀬の言葉にかぶせるように大袈裟に声を上げる菜乃花。
両手をあげて焦っているデフォルメ絵。

菜乃花「教室にいっぱい人がいるのに……昨日の話なんてしないで!」
菜乃花、水瀬にだけ聞こえるように小声で話す。
水瀬「別にいいだろ?昨日はどうしたん……」
菜乃花「だ、だめだってば!」
クラスに生徒がたくさんいても話そうとする水瀬を引っ張る菜乃花。



◯場面転換・誰もいない空き教室

誰もいない教室。
菜乃花と水瀬二人きり

菜乃花「もうっ!みんなの前であんなこと言ったらどんな噂されるか…!……それにどういうことなの?」
水瀬「うん? 俺がこの学校の先生になったこと?それとも、昨日プロポーズしたこと?」
菜乃花「ぷ、ぷ、プロポーズぅ⁉」
プロポーズという言葉に顔を真っ赤に染めて驚く菜乃花。

水瀬「俺の気持ち伝わった?」
動揺する菜乃花をよそに、余裕層に微笑む水瀬
水瀬「そういうことで、結婚の日取りはとりあえず、卒業してからになるけど……」
菜乃花「ちょ、ちょっと待ってください」
菜乃花(結婚⁉)
勝手に話を進めるので、焦って止める菜乃花
あたふたする菜乃花にグイっと近づく水瀬
水瀬「もう待てない、ずっと待ったんだから」
真剣な表情の水瀬のアップカット
どきん。心臓が高鳴る菜乃花。
菜乃花(先生の顔は真剣で、冗談で言っているようには見えない)
菜乃花「そんな……あり得ない。いきなりすぎて……」
水瀬「そりゃあ、法に触れるからな?」
菜乃花「え?」
水瀬「菜乃花は今まで未成年だっただろ?水原は今何歳?」
菜乃花「……18歳」
水瀬「日本の成人年齢は、何歳?」
菜乃花「……20歳から18歳に引き下げられました」
水瀬「よくできました」
にこりと笑って満足そうな水瀬
対して理解できない菜乃花、混乱中
菜乃花「……い、いや、でも……待ってください」
水瀬「今までは法に触れないために何も言えなかったし、言わなかっただけ」
じっと菜乃花を見つめる水瀬のカット
水瀬「俺はずっと菜乃花が好きだった」
菜乃花(す、すき??いっくんが??私を――?)
水瀬「やっと待ち望んだ日が来たんだ。もう待たない。これから俺は全力で落とすから……覚悟してろよ?」
息を呑む菜乃花。 

菜乃花モノ(私の人生は普通が第一だったそんな私の普通だった日常が18歳。成年年齢を迎えた途端に変わり始めた――)

第二話


第三話

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