見出し画像

ママは負け犬だぞ!


私のかわいいかわいい息子ことマイスウィートエンジェル5歳に、ある日突然言われたのだった。

『ママは負け犬だぞ!』

あまりの言葉に笑ってしまったが、こういう時どんな反応をしたら育児は上手くいくんだろうか。

しばらくして消灯時間になり、お互いぽやぽやしながら今日の感想を話し合った。
息子はこの日一番楽しかったことに、家族で遊びに行った室内アスレチックのことを挙げた。
私もそれが楽しかったので、また行こうねと約束した。
だけれどさっきの負け犬がどうしても引っかかる。
当時の私の言い分はこうだ。


「そうだ。さっき負け犬って言ってたけどさ、負け犬ってどういうことか知ってる?」
(息子 「知らない〜」)
「負け犬ってさ、ほら、犬は負けるとさ、その場所にいられなくなるんだよね。かっこ悪くてもうここじゃ暮らせないって。だから、こう、人を馬鹿にするときの言葉なのよ。ママだから笑ってたけど、お友達に言ったら喧嘩になっちゃうと思うよ?あんまり素敵な言葉じゃないからね。」

アホすぎて恥ずかしい。
私は私が人の親であることが恥ずかしい。

寝入る間際、ポカポカになっている5歳児に私の言葉はどう聞こえただろう。
ただの子守唄になってしまったろうか。

息子が眠ったあと、いよいよ負け犬について調べてみた。

犬は本来、群れを形成し集団で生活する社会的動物である。このため主従関係がはっきりしており、犬自身が強いと認めた相手には絶対に逆らわない。転じて人間関係においても、他に服従し使役される存在を指して「負け犬」と形容するほか、彼らは強い相手には牙を剥くことがないゆえに戦う前から負けを認めているとしてこのように形容する。ただし、通常は強い侮蔑を含む語である。

また、慣用句としての「負け犬の遠吠え」とは、弱い犬は我が身が絶対安全な場所にあると判断している場合にのみ、ことさら大きな声で吠えることから、いわゆる負け惜しみも含め立場的に弱い(はずの)人間の弁が立つ様子を揶揄した言葉である。
Wikipedia 「負け犬」 概要


私の言ったことも全くの間違いではなさそうだ。

私はあまり勉強をしてこなかったけれど、子どもが幼いうちは『その言葉は悪い言葉だから言っちゃいけないよ』で済ませたくはないなと思っている。
どんなに恐ろしい言葉でもその言葉を発する必要があったから生まれたのであって、なんでもかんでも排除するのは違う気がするし、なんせ意味もわからず言ってしまっているのだから、その言葉がどんなに怖くて、言われたらどんな気持ちになるのかをその都度教えてあげたいのだ。
押し付け、親のエゴ、ガチャ失敗なんでもいい。
強い言葉ほど使い方が難しいということだけでも覚えてほしいのである。


この先幾度となく“こういうこと”はあると思う。
私はなかなか育児が上手に出来ないけれど、ここだけは譲れない。
彼が成長した先でどんな言葉を使いながら生きていくのかは想像も出来ないが、結果的にババア死ねと言われてもマイスウィートエンジェルの言葉なのでしかと受け止めようと思う。

#言葉  #育児 #エッセイ

この記事が参加している募集

子どもの成長記録

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?