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三大疾病研究⑤三大疾病と生命保険

三大疾病研究シリーズ最終回です。

これまで整理した三大疾病に対して、
給付金のタイプや、保障範囲などをまとめていきます。

第一弾から第四弾はこちらから

三大疾病保険の給付金4タイプ

三大疾病保険には、大きく4つの給付金のタイプがあります。

①一時金タイプ
②年金タイプ(就労不能タイプ)
③入院日数、手術、通院日数タイプ
④治療月支給タイプ

それぞれについて解説していきます。

①一時金タイプ

該当すると一時金が支給されるタイプです。
2年目以降に給付金受け取れるものと、一度受け取ったら終わりのものがあります。
このタイプでチェックした方がいいところは、2年目以降の支給要件です。
三大疾病は再発も多い病気になるため、2回年目以降の支給用件も確認しておくと安心です。
例えばがんだと、給付金を2年目以降に受け取るために、入院が必要な会社もあれば、通院だけて受け取れる会社もあります。

②年金タイプ(就労不能タイプ)

診断や就労不能状態の継続により、毎月給付金を受けられるタイプの保険です。
例えば脳血管疾患になった方の復職率は、50 〜60%とのデータがあります。
復職出来なかった場合の収入減に備えるための保険です。
働く期間が今よりも長くなることが予測される未来において、三大疾病による収入減に対する備えは非常に大切だと個人的に考えています。

③入院日数、手術、通院日数タイプ

治療をした日数や手術によって給付金が受け取れるタイプです。
入院日数の部分は、個室に入るかどうか関わります。Googleで「大部屋 入院」で検索してみると、サジェストでいびき、おならなどが出てきます。
身体が弱っている時に、それら(同室の方によっては夜中の徘徊や便の匂い)があっても問題なく過ごせるかどうかは、リアルに想像して決めることをおすすめしています。

④治療月支給タイプ

治療した月に決まった金額が支給される保険です。
入院か通院かは問わずに「治療」に対して支給されます。
例えば放射線治療は平日5日間通院して土日の2日身体を休ませるを繰り返していきます。
放射線治療は60日に1回の支給になっている会社が多いのですが、この形にすると治療している月は毎月給付金を受け取れます。

給付金タイプまとめ

給付金4タイプを選ぶためには、何のための保障かを明確にしておくことが大切です。

例えば、治療のためのお金なのか、治療で収入が下がっても生活できるようにするためのお金なのか、治療で収入が下がって生活はできるけれど資産運用まで手が回らない時のためのお金なのか。

目的によって手段も必要保障額が変わってきます。

SNSでは、三大疾病(医療全般)というと医療費の部分にフォーカスがあたり、必要不必要が語られることが多い印象ですが、その後の生活や収入のことを考えてリスクヘッジしていくことも大切です。

体況によっては加入できない保険も出てくるので、健康なうちに加入しておくことをおススメしています。

三大疾病保険と保障範囲

三大疾病保険を選ぶ際のチェックポイントの1つは保障範囲です。

三大疾病保険は、色んな会社が出していますが保障範囲は各社バラバラです。

具体的な会社名は出せませんが、保障範囲の違いを挙げていきます。

がん

がんの保障範囲で見るところは大きく分けると2つです。

1つは上皮内新生物でも給付金が出るかどうかという点です。
出る場合の金額も確認しておきましょう。

上皮内がんとは、がん細胞が浸潤していない状態のがんです。
「初期のがん」と説明する方もいるようですが、正確には浸潤していない状態のがんです。
なお、『上皮内』がんですので、肉腫や血液のがんにこの状態はありません。

上皮内がんの割合は、がん全体のうち10%ほどです。
自覚症状はなく、検査で発見されます。
逆に言うと検査が行われているがんについては上皮内がんの状態で発見されることも多く、子宮頸部のがんは63%が上皮内がんです。
尿検査で便検査で発見される膀胱がんや大腸がんも、それぞれ41%、21%と上皮内がんの割合は大きくなっています。

手術で完治する可能性が高いので、
「がん保険での給付金は少なくてもいい」という考え方と、
「受け取れるものはしっかり受け取りたい」という考え方があります。

大切なのは、それらを知っていて選べていることです。

2つ目の確認しておくポイントは、自由診療についてです。

こちらについては以前まとめたものがあるので、その記事をご覧ください。

心疾患、脳血管疾患

三大疾病保険の中でも心疾患は保険会社によって保障範囲が異なるので、よく見ておく必要があります。

心疾患、脳血管疾患共に、手術をすると受け取れる保険がほとんどです。
ただ、注意が必要な点もあるので以下にまとめます。

チェックする点は2つです。

1つは、心疾患において、保障範囲が心疾患全般になっているかです。
三大疾病保険の中には、保障範囲が急性心筋梗塞だけに限定されているものもあります。
急性心筋梗塞は、心疾患の全患者における割合では2.7%(2017年)です。
死亡者の割合では20%(2015年)になるので、重大な症状ではあるのですが全体の割合はそこまで多くないことが分かります。
以前は、急性心筋梗塞でのみ給付金になる会社が多かったのですが、現在では心疾患全般の保障がスタンダードになっています。

2つ目のチェックポイントは、入院日数です。
こちらは心疾患だけでなく脳血管疾患でも該当します。
1日以上の入院で給付金が受け取れる保険もあれば、20日以上入院しなければ給付金が受け取れない保険もあります。
特に心疾患では、入院日数が20日以上の患者数は年間15,000人、5日以上になると年間37,800人というデータもあります。(2017年)

どこまでリスクヘッジをするのかを検討することが大切です。

ライフプランを組むと、リスクヘッジにどれぐらいの予算を割いても家計的に問題がないかを知れるので、様々なリスクに対応したい場合はライフプランを組んで保険料を算出すると安心できると思います。

三大疾病研究総括と保険設計

ありきたりな感想になってしまいますが、三大疾病研究を通して、三大疾病の恐ろしさを非常に感じました。

特に手術の内容や後遺症、年収が下がっているデータを見たことで、もしなってしまった場合、一気に生活が変わってしまう可能性があることを感じました。

それぞれの三大疾病の患者数は高齢者が多いとはいえ、若くして罹患している人も決して少なくありませんでした。
30歳から65歳までの患者数を調べてみると、脳血管疾患は約17.4万人、虚血性心疾患は約19.1万人がんは約26万人でした。
65歳までの3つの病気の患者数の合計は約62.5万人です。
虚血性以外の心疾患(例えば心筋症など)を含めるともっと増えます。
症状が被っている方もいるかもしれませんが、少なくない数字だと感じました。

このあたりを割合で捉えるか、総数のインパクトとして捉えるかで個々人が取るリスクヘッジの戦略が変わってきそうです。

私自身は保険屋という属性抜きにしても、62万人はかなりインパクトのある数字と捉えました。
岐阜市の人口と同じぐらいの人数のようです。

割とフラットな気持ちで調べ始めましたが、保険会社が就労不能保険や三大疾病保険を出している意味が分かる気がします。
(数字で詳しく見てみると「保険を作るのは保険会社が商品を作るのは自分たちだけが儲かるからでしょ!」という野暮なことは言えないですよね。)

選ぶのはお客様であり、その決断を最大限にリスペクトしています。

我々は保険募集人としてFPとして正しい情報を伝え続けていきます!!

今回の記事は、サポート頂いた分で資料を購入して書き上げた部分も多々あります。
サポート頂き誠にありがとうございました。

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