障害年金って働きながらだともらえないの?
先日Twitterで、
『医者に「障害年金を欲しい」と伝えたら、「仕事辞めないで障害年金をもらうとお縄になりますよ」と言われた』
という趣旨のツイートを見つけました。
結論から言うと、
障害年金は働きながらもらうことが出来ます。
今回は、令和元年から始まった制度も含めた障害年金の制度をまとめていきます。
障害年金とは
障害年金とは
病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
(日本年金機構HP)
身体だけでなく、精神疾患や難病でも要件を満たすことで対象になります。
発達障害や知的障害、がん患者の方も症状によっては障害年金の支給をうけることができます。
また障害になった原因は問わらず、その状態によって支給が決定します。
以前解説した障害者手帳とは、等級が同一ではないので注意してください。
障害年金には2種類あります。
障害基礎年金と、障害厚生年金です。
今回は、障害基礎年金についてまとめました。
障害基礎年金①初診日が20歳以降
国民年金に加入していた時に、初めて医師等の診断を受けた日(初診日)があり、保険料納付要件を満たしている方は、障害基礎年金の支給対象となります。
障害が重い方から、1級、2級と分かれています。
以下が受け取れる年金額です。
障害等級1級の方:977,125円/年+子の加算
障害等級2級の方:781,700円/年+子の加算
子の加算とは、お子様が18歳(お子様に障害がある時は20歳)に到達するまで支給される加算です。お子様1人につき、224,900円/年(3人目以降は75,000円/年)支給されます。
障害2級で、お子様が1人いる方の障害基礎年金は
781,700円+224,900円=1,006,600円/年が支給される金額です。
初診日が20歳以降であれば、年収による障害基礎年金の支給停止はありません!(超重要)
障害基礎年金②初診日が20歳前
初診日が20歳前の方の場合は、納付要件はありません。
基本的には、20歳以降に初診日がある方と金額等は変わりませんが、
初診日が20歳前だと、所得が高いと障害基礎年金が支給停止になる可能性があります。
扶養家族がいない場合、支給停止されるかどうかは以下の所得によります。
所得3,604,000円以内であれば、障害基礎年金は全額支給されます。
所得3,604,001円~4,621,000円以内であれば、障害基礎年金は半分支給停止になります。(390,850円/年になる)
所得が4,621,000円を超えると、障害基礎年金は全額支給停止になります。
なぜ20歳前の診断は所得により制限があるかというと、公平性を保つためです。
20歳前に初診日がある方は20歳ちょうどから障害年金を受け取ることになります。国民年金を払わずに、障害基礎年金を受けることができます。
このことから、年金を払っている人との公平性を保つために、所得による支給制限があります。
障害年金生活者支援給付金
令和元年10月にスタートした新たな制度があります。
障害年金生活者支援給付金制度です。
障害等級が1級の方:6,288円(月額)
障害等級が2級の方:5,030円(月額)
上記の金額が障害基礎年金に上乗せして支給されます。
こちらの制度は、20歳以降に初診日がある方にも所得制限があります。
扶養家族がいない場合は前年の所得が4,621,000円以上の方は、支給停止になります。
障害年金生活者支援給付金制度は、年金とは別に振り込まれます。
また年金と違って遡って支給を受けることはできませんので、要注意です。
初診日が大切
障害年金においては、初診日が非常に重要になります。
それは、20歳を境目にして初診日が異なることで所得制限がかかるか、かからないかの点でも見た通りでした。
もう一点あります。
長い間厚生年金で働いていたとしても、初診日に国民年金になっていたら、障害基礎年金しか受けられない点です。
例えば、大企業で20年勤めていた方が一念発起して個人事業主でラーメン屋を始めたとします。
その方が開業直後に事故で障害を持つことになった場合。初診日が開業後の国民年金だったら、それまでずっと厚生年金を払っていても障害基礎年金しか受けることができません。
障害基礎年金と障害厚生年金を合わせて受け取るためには、初診日が厚生年金に加入している時でなければならないので要注意です。
まとめ
今回の記事で一番お伝えしたかったのは、
20歳以降に初診日がある場合は、所得によって障害基礎年金が減らされることはないということです。
※障害年金生活者支援給付金制度の支給は所得制限があります。
お医者さんは医療のプロフェッショナルですが、社会保障に関しては詳しくないケースがあります。障害者手帳においても、取得することでデメリットがあると言われるケースがあるようです。
正しい知識で、生きやすくなる一助になれれば幸いです!
明日は障害厚生年金についてまとめていきます。
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